祝福のメッセージ:2000ー11

No,200011

全ての良いことは神から出る

 


 あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。それは、自分自身から出たことではなく、神からの賜物です。行ないによるのではありません。だれも誇ることのないためです。(エペソ2章8、9節)

 毎年クリスマスが近づくと、多くの人々が、年末助け合いや救世軍の社会鍋などを通して良いことをしたいと考えます。それは本当にすばらしいことです。

 私もイエス・キリストを通して私の人生に現わしてくださった神の愛を思い巡らす機会が多くなります。

 私は救われようとか、永遠の命を獲得しようと考えたことはありませんでした。ところが、神は私をお寺の住職の家系の中から最初のクリスチャンにしてくださったのです。それは神の恵みによるのです。

 神は、100億人もいる人類の中で、特別に優れていたわけでもない私を選んで救いに導いてくださいました。何か特別な才能があったからではなく、また、何か特別な良いことをしたからでもなく、ただ神の恵みによったのです。


神の恵みは一方的に注がれるもの

 何にもましてすばらしいことに、いつでも神との親しい交わりがありました。
 けれども、神にそむくことによって、神との隔たりが始まり、恐れや恥じることが生まれ、苦労することも苦しむことも死を恐れることも起こってきたのです。


神は必要なものを全て備えてくださった

 「神の恵みによる」とは、私たちの側には何一つ救われるべき理由はないのに救われることです。愛される資格がないのに愛されることです。

 ある男の子が、生まれて間もない子犬がたくさんいるという牧場の話を聞いて遊びに行きました。子犬たちと遊んでいるうちに、一匹の子犬に特別に心を引かれて、一日中その子犬と遊んでいました。帰るときになって牧場主が言いました。

 「どれでもいいから好きなのを持ってっていいよ。」

 「じゃあ、僕これにする。」と迷わず、その子犬を抱きしめました。すると牧場主が言いました。「坊や、それはよした方がいい。足がびっこなんだよ。」「わかってるよ、おじさん。でもこれがいいんだ。僕も足がわるいんだよ。」もう誰もその子とびっこの子犬を引き離すことは出来ませんでした。神は100億人の全ての人の一人一人とそれ以上の心のつながりを持って愛してくださっています。そのためにどんな大きな代価でも支払ってくださいます。それが2000年前のクリスマスに地球上で実際に起こったのです。
 神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。それは御子を信じる者が、ひとりとして滅びることなく、永遠のいのちを持つためである神が御子を世に遣わされたのは、世をさばくためではなく、御子によって世が救われるためである。(ヨハネ3章16,17節)


どんなことが良い行ないなのか

 「救われるために何か良いことをしたわけではない」と言いましたが、それは、良い行ないは必要のないものとか、意味がないものと言っているのではありません。良い行ないが救われる理由にはならないと言っているのです。ですから、良い行ないそのものは大切であり、必要なのです。しかし、何か良い行ないを実践するときそれが本当に良いことかどうかを決めるのは誰でしょうか。

 親が一生懸命に子供のために良いと思ってしたことが、かえって、子供には迷惑であり、全く違ったことを求めていたということがあります。良いことと思って押し付けたことが、かえって親子の対立の原因になったりします。あるいは、他の人のために良いと思ってやっていたのにいつの間にか自己満足におちいるということもおこります。


本当に良いものは神から来るものだけ

 私たちは神の作品であって、良い行ないをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行ないに歩むように、その良い行ないをもあらかじめ備えてくださったのです。(エペソ2章10節)

 どんな良いことを行なうときでも、自分の努力と実行力を用いることは大切です。私たちにはそうした能力が与えられているからです。しかし、そのためにはしっかりとした基準がなくてはなりません。

 2000年前のイエス・キリストの誕生からカレンダーが始まっているように、全ての良いことの出発点がここにあります。その出発点はイエス・キリストによってあらわされた神の恵みです。私たちが神に造られ、一方的な神の恵みによって救われたことによって、私たちの全ての良いことが始まるのです。全ての良いことは神から出るものだからです。本当に良いのはただ神ひとりだけです。ひとりの人がイエスのもとに来て言った。「先生。永遠のいのちを得るためには、どんな良いことをしたらよいのでしょうか。」イエスは彼に言われた。「なぜ、良いことについて、わたしに尋ねるのですか。良い方は、ひとりだけです。」(マタイ19章16、17節)どうか、あなたが一方的な神の恵みによって救われていることを思い、神に感謝してください。そして、騒がしいクリスマス大売り出しの宣伝や中身のない習慣などに惑わされないで、ただひとり良い方である神と、その恵みから出発した良い行ないを、このクリスマスの時期にもたくさん実践してください。