祈りの家族への手紙:2001-02


 親愛なる祈りの家族のみなさん。
 少しずつ日差しが暖かくなって来て、外出の機会も比較的に多くなり、しばらく会っていない人と会うことも多くなることでしょう。いろいろな人と楽しい交わりの時がもてるようお祈りしています。

 あなたが晴れがましい宴席に招かれたとき、もし、そこに親しい人が一人もいなかったり、招いてくれた人と親しい関係がなかったりしたら、ゆったりとした気分で楽しくくつろぐことが出来ず、早く帰りたいと思うようになることでしょう。

 もし、日頃からイエス・キリストと個人的に親しい関係をつくっていなかったとしたら、あるいは、あなたの友人や家族の中にクリスチャンが一人もいなかったら、天国に行った時どうでしょう。今の信仰生活も、永遠の御国においても、あなたが孤独ではないようにと願っています。そのためにはあなたがいつも主を身近に感じ、周りの人にも自分の信仰をはっきりと言い表しておくことがとても大切です。

 2000年前の初代教会のクリスチャンは一緒に集まることを特別に大切にしていました。一緒に集まることをしなければ、自分たちの信仰を保つことがとても困難だったからです。

 現代は情報の時代です。クリスチャンの情報もあらゆる方法で入ってきます。家に閉じこもっている人も取り残されることはないでしょう。しかし、当時は聖書もなく、情報もなく、周わりは敵ばかりでした。クリスチャンたちは一緒に集まっていないと永遠の命への信仰を全うすることが困難でした。

 当時のクリスチャンたちが一緒に集まることは、単なる集会や礼拝のためだけではなく、特別な意味がありました。それで、彼らはその集まりに特別な名前を付けて「コイノニア」と呼びました。それは、当時にはあまり使われていなかった古い時代の言葉でした。このことからも、彼らが一緒に集まることには他のどんな集まりとも違う大きな意味があり、大切なこととして重んじていたことがわかります。

 ある人々のように、いっしょに集まることをやめたりしないで、かえって励まし合い、かの日が近づいているのを見て、ますますそうしようではありませんか。(へブル10章25節)

 クリスチャンが互いに交わりを深めあうことは今でも大切です。

 しばらく前までは、中高生たちがポケットベルを使ってお互いにメッセージを送り合っていました。今では、携帯電話で仲間同士の交流をすることがブームのようになっています。彼らは誰かと話をしていないと不安で仕方がないのです。用事があるときだけではなく、ただおしゃべりをしていたいだけのために、歩きながらでも、乗り物の中でもあたりかまわず電話をしているのを見かけます。

 一方、多くのビジネスマンは顧客とのつながりを保つために電話をしたり訪問したりします。交わりが遠くなってしまうとそれだけ商談成立の機会も少なくなることをよく知っているからです。一人でも多くの顧客を自分のほうにつなぎとめておけば、後になってそれだけ自分の仕事に有利になるのです。

 クリスチャンの交わりはもっと大切です。そのためには、日曜日の礼拝のときだけでなく、日頃から祈り合い、交わりの機会を持つことです。それによって互いに励まし合い助け合い共に成長することが出来ます。クリスチャンの信仰は神に会うときまで完成することはないのです。神を知る知識には終わりがありません。ですから、いつも教え合い、励まし合って、成長し続けるのです。そのためには何らかの方法で同じ信仰の友との交わりが不可欠です。

 たとえどんなに熱く燃えている石炭でも、1つだけを取り出すと燃え続けることが出来なくなります。けれども、いくつかの石炭を一緒にすれば燃え続けることが出来ます。

 たくさんの石炭を一所に集めて燃せばその火は勢いを増してなかなか消すことができなくなります。互いに熱を与え合い熱くし合うからです。そのようにクリスチャンの交わりは大切なのです。

 良い交わりを保つための方法はいろいろあります。最近はインターネットが大変便利になりましたが、誰もがすぐに手軽に使えるほどにはなっていません。これから、もっと使いやすくなることでしょう。電話で話し合うことも手軽で一般的な通信と交わりの手段です。

 もちろん電話やインターネットだけが通信手段ではありません。「電話は嫌いだから手紙がよい」と言われる方もおられますし、「e-mail(電子メール)が一番いい」と言われる方もおられるかも知れません。「真珠湾から説教壇まで」の中に出てくる淵田美津雄さんは電話が大嫌いでした。ハンバード牧師が彼に会いたいと言われたとき、その打ち合わせをするために私が何度電話をしても、なかなか電話に出ていただけませんでした。けれども手紙を書くと、いつでも必ず丁寧な返事をくださいました。

 私は毎月あなたにお便りを差し上げています。私からの手紙は、返事を下さる限り毎月さしあげます。日本でレックス・ハンバード宣教団の活動を始めてからもう27年になろうとしています。今までに大勢の方と知り合うことが出来、共に祈り交わるときも与えられました。永遠の国においてはその方々と共にそろって神の前に出ることが出来るのです。それは私にとって大切な宝であり喜びです。パウロがテサロニケの人たちにこう言った気持ちが私にはよく分かります。

 私たちの主イエスが再び来られるとき、御前で私たちの望み、喜び、誇りの冠となるのはだれでしょう。あなたがたではありませんか。(テサロニケ第一2章19節)

 中には、私がまだ一度も直接お話をしたことのない方もおられます。いつかその方とも直接にお話しをする機会を持ちたいと願っています。私たちが共に励まし合い、信仰を確かめ合いながら、道をそれることなく、そろって永遠の故郷である天国への旅路を続けているということを確認し合いたいと思います。

 そこで、今から一ヶ月の間は、極力時間を作って祈りのリクエストの電話には私が出るよう努めます。ぜひ電話をしてください。けれども、多忙で出られないことも多いと思いますので、その時は、後日もう一度かけてください。きっといつかお話しが出来る時があると思います。

 祈りの家族の皆さんは私の喜びであり誇りの冠です。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード世界宣教団 

日本主事 桜井 剛