NO. 200102
本当のバレンタイン
2月14日はもともと古代ローマの異教の神々の祭でした。けれども後になって聖バレンタインの日として、クリスチャンの記念日になりました。いったい何があったのでしょう。
わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合うこと、これがわたしの戒めです。人がその友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はだれも持っていません。(ヨハネ15章12、13節)
バレンタインはAD270年頃ローマの近くで司祭をしていました。
その頃はローマによるクリスチャンの迫害が最も激しいときでした。
ちょうどその頃、バレンタイン司祭も捕らえられました。一説によると、クリスチャンの結婚式を行なったことが理由だったとも、クリスチャンを牢屋から逃がす手助けをしたからだったとも言われています。
捕らえられたバレンタインはローマの法廷で尋問を受けました。「ローマの神々ジュピターとマーキュリーが本当の神であるとはっきり証言せよ」と迫られました。もちろん、バレンタインは「イエス・キリストの父なる神だけが本当の神である」と言ってローマの神々を受け入れませんでした。
彼は有罪となり牢に入れられました。牢においても、彼はイエス・キリストを伝えることをやめませんでした。囚人たちだけでなく牢の看守をしていたローマ兵たちにもイエス・キリストが神の子であり本当の救い主であることを語り続けました。それを聞いていたひとりの兵士がバレンタインに言いました。
「私には目の見えない娘がひとりいるがあなたの神はこの娘を助けることが出来るのか」
バレンタインは兵士とその娘のために祈りました。
神は奇跡的にその娘の目を癒してくださいました。それを知った彼の親族46人全員がイエス・キリストを信じて彼と一緒に洗礼を受けました。
そのことを聞いたローマ皇帝は怒って彼を拷問にかけた上で処刑しました。
バレンタインには初めから分かっていました。ローマでクリスチャンの式典を行なえば捕らえられることも、法廷で「ローマの神々は本当の神ではない」と言えば投獄されることも、牢でイエス・キリストの教えを伝えれば皇帝の怒りに触れることも。けれども神への愛と人々への愛の故に、彼はそうせずにはいられなかったのです。人々への愛の故に彼は自分の命さえも投げ出す危険を冒して神の愛を伝えたのです。
彼が処刑される前、かつて目が見えなかった看守の娘がバレンタインに手紙を書きました。彼女は心を込めてきれいなカードを作り、
「あなたこそ永遠に私のバレンタインです」
と書いて送ったそうです。
今でもバレンタイン・カードにはこの言葉がそのまま使われています。
これが聖バレンタインの日の始まりで、友情に感謝して、心を込めた手紙を送る日として伝えられてきました。
最近は、特に日本ではその習慣が全く変わってしまいました。表面的な形ばかりが強調されて、そこにある真実が忘れられています。チョコレートにはもともと全く関係なかったのです。
イエスが「人がその友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛はだれも持っていません。」と言われたように、バレンタインはその愛をそのまま実行しました。その勇気ある愛の行ないに対して心からの感謝が送られたのです。
クリスチャンにとってのバレンタインは、愛と思いやりを込めて人々にキリストの愛を伝えることです。始めは反対されたり迫害を受けたりするかも知れません。けれども後になれば、きっと感謝されることでしょう。
私たちはこのような勇気ある真実の愛と思いやりの本来の姿を取り戻すべきです。それが本当の愛です。これこそイエス・キリストが私たちの手本となって行なってくださったことであり、神が私たちに願っておられることです。