No.200106
完成してくださる神
あなたがたのうちに良い働きを始められた方は､キリスト･イエスの日が来るまでにそれを完成させてくださることを私は堅く信じているのです｡(ピリピ１章６節)
クリスチャンになることを大変難しいと思っている人が大勢います。それは、クリスチャンとして完成する二つの段階を一緒に考えてしまうからです。
神の子となるための二つの段階の一つは地上で神の子となりきること、もう一つは永遠の国において神の子となることです。
私たちはすでに神の子です
愛する者たち。私たちは、今すでに神の子どもです。（ヨハネ第一３章２節）
地上において神の子になりきることは難しいことではありません。イエス・キリストを自分の救い主として受け入れて、それを公に告白すればよいのです。
なぜなら、人は心に信じて義とされ、口で告白して救われるからである。 （ローマ１０章１０節）
しかし、人の前でわたしを知らないと言うような者なら、わたしも天におられるわたしの父の前で、そんな者は知らないと言います。（マタイ１０章３３節）
イエス・キリストを告白することを恐れてはならない
信仰を公にすると迫害を受けるかもしれないと思って、自分の信仰を告白できないでいる人があります。
友だちであれ、家族に対してであれ、自分の信仰を隠していると､信仰の成長が止まってしまうだけでなく、かえって、その人に対してはいつまでも自分自身を主張したり表現したりすることが出来なくなり、いつでも人の意見を全て受け入れるはめになります。自分の考えをしっかりと持って、それをはっきりと表し、人の考えや意見も尊重することがお互いに正しく理解しあう秘訣です。自分の信仰を言い表すことにより、地上において神の子としての立場が確立します。そこから新しいよりすぐれた人間関係が生まれてきます。
未完成であることを恐れてはならない
自分は立派なクリスチャンではないので、かえって主の名を辱めることになってしまうのではないかという恐れを持つことがあります。その意味では完全なクリスチャンなど一人もいません。しかし、イエス･キリストへの信仰を公に告白した人は、まだ未完成なところがあっても、立派にクリスチャンです。
未完成であってもそれなりに人々に感動や励ましを与えることはできます。
新約聖書の大半を書くほどに神に用いられたパウロさえもこう言っています。
私は、すでに得たのでもなく、すでに完全にされているのでもありません。ただ捕えようとして、追求しているのです。そして、それを得るようにとキリスト･イエスが私を捕えてくださったのです。
兄弟たちよ。私は、自分はすでに捕えたなどと考えてはいません。ただ、この一事に励んでいます。すなわち、うしろのものを忘れ、ひたむきに前のものに向かって進み、キリスト・イエスにおいて上に召してくださる神の栄冠を得るために、目標を目ざして一心に走っているのです。（ピリピ３章１２－１４節）
シューベルトが書いた「未完成」という有名な交響曲がありますが、彼はそれを完成させることなく世を去りました。けれどもその曲は彼の作品の中でも最も愛された曲の一つとなりました。この曲は「未完成」という名の交響曲として完成しているのです。たとえ未完成であっても、価値を発揮することはできます。私たちはまだ不完全なところがあっても、すでに神の子です。しかも、私たちがいつまでも未完成のままということはないのです。
私たちを完成してくださることは神の御心です
イエス・キリストを信じている人は神の聖霊がその人の心の中に住んでくださいます。そういう人の中では神による完成の働きがすでに始まっているのです。神はその人の中にお始めになった良い働きを必ず完成してくださいます｡
私たちは小さな子供に大人と同じような礼儀や責任を要求しません。彼らは今それを学んでいる最中だからです。彼らは大人たちの行動を見てそこから学んでいるのです。大人は子供たちのためにも良い手本とならなければなりません。けれども、全ての大人たちが良い手本であるとは言えないようです。しかし、神は私たちに最高に良い手本をくださいました。イエス・キリストは全ての点で私たちの手本です。神はあらゆる方法を用いて私たちを神の国にふさわしい完成された者としようとしておられるのです。
愛する者たち。私たちは、今すでに神の子どもです。後の状態はまだ明らかにされていません。しかし、キリストが現われたなら、私たちはキリストに似た者となることがわかっています。なぜならそのとき、私たちはキリストのありのままの姿を見るからです。（ヨハネ第一３章２節）
私たちを完成して神の国に迎え入れてくださることは神の御心です。私たちが神の国に入らなければ、神の遠大な救いのご計画は完成しないのです。私たちが神の子として完成したとき、神の国も完成するのです。
