祝福のメッセージ:2001ー08

No.200108

道、真理、いのち



 わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。
(ヨハネ14章6節)

 私は学生の頃よく山登りをしました。高い山をめざして苦労してたどり着いた山頂から眺める景色はとてもよいものでした。

 ある時、数人の仲間と一度も行ったことのない山にここから登ろうと言って山頂を目指しました。しかし、行けども行けども目指す山頂につけず、険しい岩場や深い茂みをかき分けて進みました。予定の時間をかなり過ぎて、やっと山頂の近くに出た時、苦労してたどった道からほんのわずか離れたところに歩きやすい山道があったのです。その道を来ていたらとっくに頂上についていたことでしょう。まず正しい道を見つけるということがどんなに大切かを思い知らされました。


イエスはわたしが道であると言われた

 初めて行く町で目的地を見つけるためには、どの道を通るかがとても重要です。そうしなければ、どんなに一生懸命に探してもいつまでも目的地に着けないかもしれません。また、道ならどんな道でもいいというわけではありません。

 道は目的が達成されるためにたどるべき大切な段階です。けれども道が目的ではありません。道はあくまでも目的地に正しく導く手段であり方法です。

 イエスを信じる信仰を当時の人は「その道」と言い、クリスチャンと呼ばれる前には信者たちは「その道の人々」と呼ばれていました。(使徒9章2節)それは、彼らがあらゆる点で最後までイエスに従った生き方を貫いていたからです。

 私のアメリカ人の友人が初めて車で成田空港へ行った時のことでした。彼は道路標識の漢字を全部読み取る自信がありませんでした。浦安まで行けば、後は空港まで迷わずにいけるというので、浦安方面という漢字だけをしっかり覚えて、浦安方面という道路標識をたよりに高速道路を空港へ進みました。ところがあまりにも「浦安方面」ということに心を集中しすぎたため浦安で高速道路を出てしまい、元の高速道路に戻るのに大変苦労をしたそうです。

 正しい道を選ぶことも大切ですが、目的地までわきにそれることなく進むことがもっと大切です。目的地への道は最後まで正しくたどらなければなりません。


イエスはわたしが道であり真理であると言われた

 私たちの人生の目的地に無事到着できるためには正しい道を選ぶことが大切ですが、その道は必ずしもいつもまっすぐで分かりやすく平坦な道とは限りません。わたしが道であると言われた主は、同時に真理であるとも言われました。主は私たちが道をそれることも途中で挫折することもなく、一歩一歩確実に進めるよう真理の光となって、目的地に必ずたどり着けるよう導いてくださるのです。

 道であり真理であるイエスが、「わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。」と言われたのは、イエスご自身が日々私たちと一緒にいて、この道が間違いなく真理に至ることを保証してくださるためです。

 あなたが右に行くにも左に行くにも、あなたの耳はうしろから「これが道だ。これに歩め。」と言うことばを聞く。(イザヤ30章21節)


真理とは何か

 「真理とは何か」という人類の永遠の課題は、今も昔も多くの思想家や哲学者たちがそろって論じています。

 けれどもイエスは何が真理かを説いているのではなく、わたしが真理そのものだと言われるのです。

 イエスは真理のためにこの世にくだり真理を明らかにするために人となられたのです。真理とはイエス・キリストを信じることであり、イエスご自身なのです。ですから、それは決して難しい哲学を論じることでも、訓練によって英知と悟りの力をひきだすことでもなく、単純にイエス・キリストを信じることなのです。

 ではその道と真理とがわたしたちをどこへ導くのでしょう。


イエスは道であり、真理であり、いのちなのです

 いのちは一番大切なものです。いのちこそ私たちの究極の目標です。人は医学的には120年生きられると言われています。医学が進歩したために、多くの人が長生きをするようになりました。それはそれで感謝ですが、人生は長さよりも、どう生きるかという質の方が大切です。意味のある目標を持った生き方をしなければ、ただ長く生きるだけではどんなに長く生きても意味がありません。

 ですから、永遠のいのちを持つためには、その人生が永遠に生きるにふさわしい意味を持っていなければなりません。それがイエスのいのちを持つことなのです。

 御子を持つ者はいのちを持っており、神の御子を持たない者はいのちを持っていません。(ヨハネ第一5章12節)

 若い人たち、どうか長生きをしてください。けれども、人生を長く生きるだけではなく、目的を正しくとらえて、今の人生を永遠のいのちへとつないでください。

 年配の方たちもどうか長生きをしてください。そして、そのいのちをさらに永遠のいのちへと続けてください。

 そのための鍵は、道であり、真理であり、いのちであるイエス・キリストをご自分の中にしっかりと持っていることです。