祈りの家族への手紙:2002-01


 親愛なる祈りの家族の皆さん!
 去年一年間の出来事を思い返し、主に感謝しつつ新しい年に向かって進もうとしています。
 2001年にはたくさんの出来事が起こりました。悲しい出来事もありましたが、感謝することも数々ありました。9月11日の出来事も心の痛む出来事でしたが、私の心を一番痛めたのは、親の虐待によって亡くなった子どもたちが、去年1年間に日本だけでも50人もいたことです。その一人一人のゆえに心が痛みます。

 子どもにとって、頼れるのは親しかないのです。必死で親にすがっているのです。その親からいわれのないひどい仕打ちを受けるとしたら、子どもは自分を守るためにいったい何ができるというのでしょう。叱られても叱られても、泣きながら親にすがりついていく子どもの姿をしばしば見かけます。ついつい、いつまでも見送ってしまいます。

 親が自分の子どもを虐待してしまうのは、とても信じがたいことです。これから1つ1つ学んで成長する可能性を持っている子どもたちを忍耐と期待の目で見守ってあげるようにしないと、目先の状態だけを見て、つい何とかしなければという思いにかられ、厳しくし過ぎたり憎らしく思ったりしてしまうのでしょう。度が過ぎて身も心も傷つけてしまっては取り返しがつきません。

 たとえ虐待には至らないまでも、子どものためにと熱心になり過ぎて、つい子どもの心を傷つけてしまう親は決して少なくありません。

 考えてみると私自身もそんな失敗があったように思えてなりません。

 現在の状態だけを見て、あせって厳しくしてしまい、かえって逆の結果を招いてしまうのです。

 「子どもは未完成であるということを十分に理解して、将来の可能性を期待の目で見守って、長い目で、忍耐強く希望を持ち続けてやればよかった」と思うことがたくさんあります。

 もし、神があわただしく、厳しい目で私たちをご覧になったとしたら、いったい誰が神の期待に今すぐこたえることができるでしょうか。

 しかし、感謝なことに神は大きな愛と忍耐の神です。心からすがっているものを決して退けることのない方です。そればかりか、寛容な心で不完全な私たちを育み力づけてくださる方です。

 私たちが未完成であることを十分に承知しておられる神は、私たちの今の状態だけを見て、裁いたり、しかったり、誡めたりするのではなく、今の状態がどんなであっても、深い哀れみと寛容な心をもって、永遠的な可能性を忍耐強く見てくださり、期待し続けてくださっています。

 私たちのたましいの中に、私たち自身も気づかないでいる可能性と価値を見て、永遠的な目でそれに期待してくださるのです。それゆえに、私たちも神の国の住民になれるのです。私たちはここに永遠に対する希望を持つことができるのです。

 神は私たちに期待してくださるのです。ただ、我慢をして見ておられるのではなく、何をしようと勝手にしろと放っておかれるのでもありません。期待し、励まし、助け、私たちの成長に希望を抱いて喜んでくださるのです。イエス・キリストはその生きた手本となってくださいました。

 「これは、わたしの愛する子、わたしはこれを喜ぶ。彼の言うことを聞きなさい。」
 (マタイ17章5節

 神は人となられた御子に大きな期待をし、私たちの手本とされたことがわかります。

 どうか、主があなたがたの心を導いて、神の愛とキリストの忍耐とを持たせてくださいますように。(テサロニケ第二3章5節)

 私を含めて世の中の親たち全てが、自分たちにゆだねられた幼いたましいに対して、このような期待と忍耐を持つことを学んでいたらどんなに良かったか知れません。そうすれば50の幼い命は助かったばかりか、道を失いかけている若者たちの多くを取り戻せたに違いありません。

 しかし、遅すぎることはありません。イエス・キリストにある忍耐と期待の目で周りの人々を見てあげるなら、手探りで学びつつある多くの親たちの手本となれるだけでなく、確かなものを見失っている人々に、「神が期待をしておられる」という希望を知らせることができます。

 周りの人々に、あなたの中にあるキリストの品性で希望をもたらしてください。神は、未完成である私たちのために、永遠の国を用意して期待してくださっていることを知らせましょう。それが人々への励ましと希望を与えることになり、一年の間にはきっと大きな違いがあらわれることでしょう。あなたからあふれている永遠への希望の輝きが、もしかしたら何人かの幼い命を救うことになり、人々の心を神に引き寄せることができるかも知れません。

 2002年はイエス・キリストの品性によってあなたや私の周りに輝きをもたらす年にしようではありませんか。その決意が、あなたの日々を喜びで満たしてくれることでしょう。

 どうか、忍耐と励ましの神が、あなたがたを、キリスト・イエスにふさわしく、互いに同じ思いを持つようにしてくださいますように。(ローマ15章5節)

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード世界宣教団 

日本主事  桜井 剛