親愛なる祈りの家族のみなさん。
あなたは今、どんなことで神に感謝しておられますか。
私たちには感謝すべきことがたくさんありますが、しばしば、感謝することを忘れたり、十分に感謝しなかったりすることが多いのではないでしょうか。
ライ病が癒されて、イエスに感謝するために戻って来た人に、イエスは言われました。
「十人いやされたのではないか。九人はどこにいるのか。神をあがめるために戻って来た者は、この外国人のほかには、だれもいないのか。」(ルカ17章17、18節)
イエスに癒していただいた10人のライ病人のうち、感謝するために戻ってきたのは1人だけでした。イエスは、戻ってきて足元にひれ伏して感謝を表した人に言いました。「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰が、あなたを直したのです。」
おそらく、感謝しなかった9人も同様に癒されていたことでしょう。感謝をしてもしなくても癒されたのなら、どこに違いがあるのだろうと思うかもしれません。感謝するために戻ってきた人と、そうしなかった人たちとではどこが違うのでしょう。
ルカ17章13節には「10人のライ病人は声を張り上げて、『イエスさま、先生。どうぞあわれんでください。』と言った。」と書いてあります。
彼らは熱心に癒しを求めていました。「普通の人たちのように健康になれたらどんなに幸せだろう」、「癒されさえしたらもう何もいらない」彼らは口々にそう言い合っていたかもしれません。ですから、彼らは遠くからイエスを見たとき大声で叫びました。すると、イエスは彼らに目をとめてくださいました。そして、全員癒されました。彼らは普通の人たちと同じように健康になりました。しかし、感謝するのを忘れてしまいました。彼らは大喜びはしましたが、10人の内9人までが、感謝することを忘れて、帰っていってしまいました。
感謝をしないと特別な恵みを受けたことがだんだんあたりまえになってきます。もしかしたら、かつてライ病だったことも忘れて、今の状態に満足できず、不平を言い始めるようになるかも知れません。
一方、感謝を表わすことは喜びを大きくします。どんなに大きな恵みを受けたのかを確認し、恵みを与えてくださった方との関係が深まるからです。そうすれば、まだ受け取っていない他の恵みについても、必ず受けられるという信仰と安心感が生まれ、喜びが一層増し加わるのです。毎日の生活の中でも感謝することを実践出来ます。そうすると、その喜びが広がり、不平が消えていきます。
毎年5月には母の日があります。今年も、世界中で大勢の人が電話やカードや花束などで母への感謝を言い表したことでしょう。もちろん、母への感謝はその日1日だけで終わりではありません。しかし、その一日だけでも、母親の重労働と献身的な役割に対する理解が深まるに違いありません。大げさにプレゼントをしなくても、毎日母親に感謝を表わしていたらどうでしょう。母親はますます喜んで自分の勤めを果たしてくれることでしょう。その上、感謝をすることで、みんなの不平が消えていきます。それは、そのまま暖かい家庭につながるのです。暖かい家庭の恩恵を受けるのは、自分を含めた家族全体です。感謝をすることによって、その恩恵が大きく膨れ上がり、その価値がよりいっそう大きなものになっていくのです。
どんなときにも、どんなことにも神に感謝することが出来ます。感謝は1つの事柄に対してするものではなく、それを可能にしてくださった方に対して感謝するものだからです。
感謝をしなければどんなに素晴らしいことでも、何でもないことのように過ぎ去っていきます。ですから、感謝を忘れると、せっかくの喜びと恩恵をすぐに消してしまうことになり、大きな損失になるのです。受けた恩恵はどんなものでもだんだん古びて行きますが、恩恵の与え主は日々新しく、次々とあなたへの恵みを用意しておられるからです。
いつも、その都度、感謝を表わしましょう。特に、神への感謝を忘れないようにしましょう。そうすれば、あなたの喜びはいつも溢れ、不平や不満はどんどん小さくなって消えていきます。
子ども病院に二人の小さな患者が入院していました。お母さんが二人、急いで入って来ました。「ごめんなさいね。忙しくて、すぐに出て来れなくて。」すると、男の子が怒って言いました。「どうしてもっと早く来てくれなかったの。僕がどんなに寂しかったか分からないの。」お母さんはそばにも行けず、ただおろおろして「ごめんなさい。ごめんなさい。」を連発するだけでした。
もう1人のお母さんも、別の病室に入って行きました。「ごめんなさいね。すぐに来れなくて。」すると、女の子が言いました。「お母さん。来てくれてありがとう。1人でさびしかったけど、来てくれて本当にありがとう。」お母さんもうれしそうに黙って女の子のそばに座りました。
1人のお母さんは、子どもの大好きなものをこしらえていて遅くなってしまったのでした。もう1人のお母さんは、子どもの入院費用のためにパートに出ていたために遅くなったのでした。けれども、子どもたちはそのことをまったく知りませんでした。
私たちは、神が私たちのためにしてくださっていることを全部理解することなど出来ません。しかし、どんなことがあっても神に感謝をすることは忘れないようにしましょう。
あなたは愛されているからです。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛