祈りの家族への手紙:2002-06


 親愛なる祈りの家族のみなさん。
 五月にはモデーミの誕生日がありました。

 モデーミは今では公の場で歌うことはほとんどありませんが、彼女の歌う賛美歌はいつも心に響いてとても励まされます。歌詞の一つ一つに信仰と希望が込められているからです。あなたもきっとそう思われたことでしょう。人を心の底から励ましてくれるすばらしい賜物は、確かに神から与えられたものだと思います。

 人を励まし、自分も励まされることは、特別な人だけに与えられるものではありません。あなたにも与えられているのです。それは神から来るものであって、聖書の教えにそって実践するなら誰にでもできる「良い働き」です。

 聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。それは、神の人が、すべての良い働きのためにふさわしい十分に整えられた者となるためです。(テモテ第二3章16、17節)

 神からの賜物と言っても、何もしないでただ待っているだけで与えられるものではありません。聖書は、良いと思われることはどんなことでも心にとめて積極的に実行するよう教えています。

 最後に、兄弟たち。すべての真実なこと、すべての誉れあること、すべての正しいこと、すべての清いこと、すべての愛すべきこと、すべての評判の良いこと、そのほか徳と言われること、称賛に値することがあるならば、そのようなことに心を留めなさい。(ピリピ4章8節)

 人を励まし、自分も励まされることは神から与えられるものだから決して難しいことではないと言いましたが、そのやさしいはずのことも、皆が実行しなくなれば、だんだん難しいことになってしまいます。人を心から励ます人徳と言えることが、ただ知っているだけで、頭の中にしまい込まれているだけで、現実の場からだんだん失われているような気がします。

 物ごとが数字で評価され、才能も成績も財産も、知能指数、偏差値、残高といった数字だけで記録されて、実際には活用されないままどこか別のところにしまってあることが多いのです。

 才能や能力は神から与えられるものです。しかし、それだけでは、本当に持っているのかどうか分かりません。それをしまったままにしておかないで活用するとき、賜物が与えられていることが明らかになり、祝福となるのです。人を励まし感動を与え、自分自身にも大きな励ましとなるのは、それが有効に用いられたときです。

 持ち物に恵まれることも神の祝福です。しかし、それを有効に用いなければ、与えられても与えられても満足できず、喜びもなく、ついには貪欲の罪に陥ってしまいます。

 アブラハムは多くの家畜やしもべたちを財産として持っていました。彼はそれを神からの祝福として受けとめて有効に用いたので、さらに大きな約束を与えられました。その約束が多くの人の祝福となったのは、彼がそれを信じて受けとめたからです。主は、彼を天幕の外に連れ出して「さあ、天を見上げて、星を数えなさい。あなたの子孫はこのようになる」と言われました。

 彼は主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。(創世記15章6節)

 ハンバード牧師が「神からの祝福を引き出す秘訣」という本の中で書いています。

 まだテレビも普及しておらず、あまり情報が行き渡っていなかった頃、アメリカのある田舎のやせた土地で細々と暮らしている男がいました。ある時、石油採掘業者の一行がやって来てそこらあたりを測量した末、その人のところに来て、契約をしてほしいと頼みました。

 彼が承諾すると、その人は彼を銀行へ連れて行って、「これから毎月たくさんの採掘権料を振り込むから、お金が必要になったらいつでも、今日からでも、ここに必要な金額を書いてサインをするだけで、そのお金を引き出して使うことが出来る」と説明しました。

 銀行員が「ところで、今日はいくら入用ですか。全額でもいいのですよ。」と言うと、彼は、「そうだな、小麦粉を少々と、塩とチーズ゙がほしいから、2ドル50セントにするか。」

 銀行員は金額があまりにも小さいことに驚きましたが、彼がどうしてもそれでいいと言い張るので、2ドル50セント渡しました。彼は丁寧にお礼を言って立ち去りました。

 それから、彼の銀行口座は毎月どんどん残高が増えていきましたが、彼は相変わらず細々と暮らし続けました。彼は自分が大金持ちになったことを信じてはいなかったのです。

 銀行口座の数字がいくら増えても、それを信じて受け取り、引き出して使わなければ何の役にも立ちません。神はたくさんの財産よりも勝るものを私たち一人一人に与えておられます。

 生きていること自体が何ものにもかえることの出来ないすばらしい賜物です。この命を有効に用いて、多くのことに役立てることができます。他にも数字では表わせない賜物が私たちにたくさん与えられています。小さな親切や、やさしいことばをかけることでも、人を楽しくする笑顔1つでも、場合によっては何ものにも勝る宝物になります。すぐに活用できる賜物がほかにもたくさん与えられています。その財産を引き出して大いに活用して祝福の源となってください。

 神の愛を知っている私たちは、世の光として、周りの人の心を照らし、慰め励ます役割が与えられています。それによって、あなた自身も多くの祝福を受けるのです。

 それぞれが賜物を受けているのですから、神のさまざまな恵みの良い管理者として、その賜物を用いて、互いに仕え合いなさい。(ペテロ第一4章10節)

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード世界宣教団 

日本主事 桜井 剛