祈りの家族への手紙:2002-07



 親愛なる祈りの家族のみなさん。

 永年、宣教の働きの良き協力者であり、友人でもある牧師が、アメリカからインターネットを通じて「至急、一人でも多くの皆さんに知らせて祈ってもらってください」と言ってきました。小さい時から家族のようにしていた青年が立派に成長し、夫妻でアフリカへの宣教師として奉仕していました。その一家全員がマラリアに感染してしまいました。子どもと奥さんは大変重態で、至急本国の病院に入院しなければならなくなったというのです。

 肉体的、精神的、経済的に苦悩していることでしょう。福音のため一家をあげて奉仕するこのご家族、特に重態の子どもと奥さんのために、さらに、これが主の働き人を失望落胆させるのではなく、かえって多くの人からの励ましを受けて、主の栄光となるよう、お祈りください。

 他にも祈りのリクエストがたくさん届いています。個人的な内容はいっさいお伝えしないことにしていますので、具体的には申し上げませんが、私の手元に届いている祈りのリクエストに対してあなたの心を向けてお祈りください。

 あなたがたは、互いに罪を言い表わし、互いのために祈りなさい。いやされるためです。(ヤコブ5章16節)

 ここで罪と言っているのは、悪い行ないのことだけではなく、本来の意味である、「的外れ」という意味で、失敗や間違った行為、人生を狂わせる事柄全体のことを言っているのです。また、「いやし」とは体のいやしだけではなく、心のいやし、人と人との関係のいやし、本来あるべき姿ではなくなっている状態をいやすことです。

 あなたも今、心を静めて、私と一緒にお祈りくださいませんか。

 今この瞬間にも家庭の中に大きな困難がやって来て、大変苦しい状態に置かれている祈りの家族がおられます。その方のためにお祈りください。主が慰めと励ましを与えて、力強く立ち上がり、このことを通して主の栄光が現わされますよう。他にも同様の困難に直面している方が大勢おられます。その方々が以前にも増して主の恵みと力を受けられるようお祈りください。

 特に私の心を痛めているのは、子供との会話が成立せずに悩んでいる方が大勢いることです。誰にとっても家庭は土台です。心から何でも話し合える親子関係が取り戻せるよう祈ります。

 一人暮らしをしているお年寄りのことも心にかかります。多くの方が毎日を孤独と不安の中で生活しています。主イエス・キリストがいつもそば近くにいてくださり、その慰めと励ましを受けて一日一日を喜びと希望にあふれて生きることが出来るよう切に願って祈っています。

 他にもたくさんの祈りのリクエストが届いていますが、どんなにたくさんの祈りのリクエストがあっても、神はその全てを一つ一つ知っておられます。

 あなたの祈りのリクエストも知ってくださっています。祈りの家族は、ヤコブ5章16節の聖書のことばを信じて、互いに必要を告白し合い、互いに祈り合う家族です。日本で祈った後は、アメリカのハンバード牧師のもとに祈りのリクエストを送り、そこでも祈っていただきます。

 最近、私はふとしたことから足の指を骨折してしまいました。初めはたいしたことはないと思っていましたが、そのために歩くのも不自由になり、大好きなテニスもできなくなりました。いつもは忘れられている体の一部分でも、それが傷ついて痛むとき、体全体に影響が及ぶことが良くわかりました。

 もし一つの部分が苦しめば、すべての部分がともに苦しみ、もし一つの部分が尊ばれれば、すべての部分がともに喜ぶのです。あなたがたはキリストのからだであって、ひとりひとりは各器官なのです。(Iコリント12章26、27節)

 祈りの家族もキリストを頭とした体の1つです。体の部分である1人が痛めば、全体が痛むのです。ですから、あなたが問題に直面する時には全体でその痛みを感じつつ、そのことのために祈ります。

 あなたも、今困難に直面している祈りの家族のためにお祈りください。また、世界中の主にある兄弟姉妹たちのためにもお祈りください。そうするとき、あなた自身の祈りのリクエストも多くの人によって祈られていることを実感することができます。

 自分の願いを神に申し上げることも大切ですが、他の人のためにとりなしの祈りをすることも大切です。とかく親子関係がむずかしくなったと言われる家庭の中でも、他人のことを思いやることが少なくなった社会においても、人と人との関係を修復することは大きな課題となっています。多くの人が、それは不可能なこととあきらめています。しかし、聖書の教えを信じるクリスチャンは、人の益を考え、自分の側から歩み寄ることを実行して、より良い人間関係を築くことに努めることができます。口で言うほど簡単なことではありませんが、とりなしの祈りを実践することがそれを可能にしてくれます。それによって他の人のことを理解するようになり、心を通わせることができるようになるのです。

 自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい。(ルカ6章31節)

 イエスはこれを、道徳的な良い行ないとしてだけ教えておられるのではありません。あなたや、私に、直接的な益をもたらす黄金律として教えておられます。イエスの教えとその計らいの大きさは、私たちの頭では理解しきれません。けれども、イエスへの信頼と信仰があれば実行できるのです。ペテロのように「主よ、おことばですからやってみます」と言って、信仰によって実践するとき可能になるのです。その結果、豊かな報いと益を受け取るのはあなた自身です。

 祈りは鍵です。そして、一人ひとりの信仰がその扉を開き、神の祝福を豊かに引き出すのです。

 互いに祈り合うことを実践して、あなたもそこから豊かな恵みを引き出す1人となってください。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード世界宣教団 

日本主事 桜井 剛