親愛なる祈りの家族のみなさん。
アフリカに遣わされマラリヤに感染した宣教師ご一家のためにお祈りくださってありがとうございました。無事本国に帰り健康も回復しつつあります。ただ、子どもたちは再度入院して治療を続けていますが順調に回復に向かっているとのことでした。お祈りを心から感謝します。
言葉も習慣も環境も全く違う国へ行って福音を伝えることは、神からの特別な召命によるものです。それがなければ、この命がけの働きはなかなか出来ることではありません。この宣教師もアフリカの人々への神から来る愛と情熱に押し出されて出かけていったに違いありません。
牧師も宣教師も福音宣教の働きを専門的にゆだねられている人々ですから、使命感を持っていますし、それだけの覚悟が出来ています。けれども、福音を伝えること自体は牧師や宣教師だけに限られた働きではありません。全てのクリスチャンはキリストを伝える大使として選ばれています。それぞれ違った立場でその働きを実践するためです。
教会でみんなの前に立って説教をしたり、遠い外国に行き、そこに住む人々に福音を伝えることも大切ですが、家族の中で、友達の間で、職場において、キリストを伝えたり、自分の信仰を告白することは、全てのクリスチャンにとって深い意味のある大切なことです。それはそこに遣わされているその人にしか出来ないことだからです。このような地道な福音宣教を信仰の先駆者たちが実践したからこそ、2000年後の私たちも福音の恵みにあずかることができたのです。
難しいことをしようとしたり、上に立って聖書の真理を教えようとしたりする必要はありません。信仰によって生きている自分の、ありのままの姿を正直に見てもらえばいいのです。失敗もあり悔い改めもあってもいいのです。信仰の優等生でなければ福音を伝えることはできないと思う必要はありません。信仰の優等生はイエス以外にいません。
何も思い煩わずに神がどんなに私たちを愛してくださっているかを伝えるだけでいいのです。信じるかどうかは聞く人の決めることであってあなたの責任ではないからです。
この福音を伝える時、あなたは神から特別な恵みを受けることをごぞんじですか。それは、一般的な良い事をする時とは違った特別な祝福です。神の愛をより深く、具体的に実感し、信仰が成長し、聖書のことばに対する理解が深まり、その人の品性や人格が、イエス・キリストを信じる者たちを代表するにふさわしく変えられていくのです。
私はあなたに、アフリカに遣わされた宣教師ご一家のような苦労をしてほしいとは思いません。インドネシアに行っている宣教師のように、いつ襲撃されるかわからない命の危険の中で伝道してほしいと思っているのではありません。けれども、神の国の住民として、いつも輝いている人になってほしいと切に願っています。その秘訣が福音を伝えることにあることを知っていただきたいのです。神の国の全権大使として、いつも感謝と喜びにあふれていてください。
福音を伝えることは先に救われた者の役目ですが、救われることは、神と救われる人との問題です。私たちにできるのは、その人に救いのチャンスを与えることまでです。イエス・キリストを救い主として信じて受け入れるかどうかは、その人が信仰によって決心しなければならないのです。決心をすれば、神とその人との関係が生まれ、全てのことがはっきりとわかってきます。そのきっかけをつくる特権があなたや私に与えられているのです。
「こんなことならもっと早く言ってくれればよかったのに」、「もっと熱心に言ってくれれば、もっと早く信じたのに」と言われないようにしたいものです。
笑いものにされたくない。変わり者と思われたくない。という自己防衛が家族や大切な人々の救いのチャンスを失わせることにならないようにしたいものです。
イエスは「わたしにはあなたがたの知らない食物がある」と言われました。
私たちの知らないイエスの食物とは天の父なる神のみこころを行なうことでした。
私たちも「人々が救われる」という神のみこころを行なうことに参加して、心が満たされる食物を得ようではありませんか。
けれども、初めから大きな事をしようとしないでください。挫折して長続きしなくなるかも知れないからです。
医者が言いました。「日ごろから胃のあまり丈夫でない人は最初の一口をゆっくりかんで時間をかけて食べなさい。」まだ十分に消化を始める準備が出来ていないところへ、いきなり大きな負担がかからないようにするためです。
人々にイエスを伝えるときも同様です。あなたのやる気を持続させ、ゆっくりと気長にやって長続きさせてください。どんなにゆっくりでも、こつこつと長続きさせれば思いがけない大きな結果を得ることができます。
「あなたがたのうちに羊を百匹持っている人がいて、そのうちの一匹をなくしたら、その人は九十九匹を野原に残して、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。」
「あなたがたに言いますが、それと同じように、ひとりの罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない九十九人の正しい人にまさる喜びが天にあるのです。」(ルカ15章4,7節)
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛