祝福のメッセージ:2003ー03

No. 200303

主よ祈りを教えてください

 

 人がほかの動物と決定的に違っているのは祈ることです。動物が祈るということはありません。

 一方、人は国や文化によって、形や方法は違っていますが、地球上のどこに住む人でも祈ることを知っています。人は神に似たものとして造られた霊的存在だからです。

 大空の星、雄大な自然を見て、創造主の偉大な力を感じ、その大いなる業をほめたたえて祈ります。自分ではどうすることも出来ない無力感に襲われ、助けを求めて祈ります。その他、困った時、恐れを感じた時、いきずまってしまった時、病気の時や死の迫ってくるのを感じた時、そういう時は自然に祈りが出てきます。また、嬉しい時、喜びがあふれてくる時、感謝をささげて祈ります。

 では祈りさえすればどんな祈りでもよいのでしょうか。決してそうではありません。私たちの祈りが誰に向けられているのかという一番大切な点がはっきりとしていなくてはなりません。それがはっきりとしていないと、せっかくの祈りが何の意味もなくなってしまいます。

誰に祈るのか

 祈るときは、天地宇宙の造り主であり、私たちを限りなく愛してくださっている、全能の神に祈っているということをはっきりと自覚しているべきです。私たちが頼っている神にはそれができるということを信じていなければ、私たちの祈りは空しいのです。私たちの祈りを聞くことができる方は、唯一の全能の神以外にはありません。

 さらに、私たちの祈りが正しく神に向けられるために、私たちは神についてできるだけ多くのことを知っておくことが大切です。

 すでに学んだことですが、神は三つの方法で人類にご自分を表しておられます。

 天地創造の業である自然の美しさと調和によって、私たちにご自分を現しておられます。それを造った方がおられるに違いないということが分かるからです。その限りない大きさと、隅々に至るまで緻密に仕組まれている自然界は、知れば知るほどそれを造られた方の偉大さに心を打たれます。

 神は人類の長い歴史の中から生み出された聖書のことばを通して語りかけておられます。その比類のない不思議な力と権威あることばは、民族と文化を超え、時代を超えて今もなお語りつづけています。その超自然的な記述や知恵に満ちたことばは、その背後に働かれた方の偉大さを私たちに教えています。

 そして、神の子イエス・キリストによってご自分の愛の姿を示されました。イエスを知れば、神を知ることができるのです。イエス・キリストこそ神にいたる唯一の道です。

 これらの啓示を通して、私たちが祈りを向けている神がどのような方なのかを知ることができます。祈るときはいつでも、初めにそれをはっきり心にとめて祈るのです。

どう祈るのか

 神は祈りを聞く道具ではありません。祈りを聞いてくださるから神と呼ばれるのではないのです。

 本当の神を知らない人々は「あそこの神はご利益がある」「ここの神は祈りがよく聞かれる」と言って転々と神々を巡り歩きます。それは神を祈りを聞く道具としか見ていないからです。その祈りの通りにならないことがその人にとって良いということもあります。本当の神なら私たちのために良いことだけを選んでくださるはずです。

 人は本来身勝手で自己中心的であるため、祈ることは知っていてもどのように祈るべきかを知らないのです。どう祈るべきか、正しい祈りを教えられる必要があります。

主よ祈りを教えてください

 弟子たちはイエスのもとに来て言いました。「私たちに祈りを教えてください。」そこでイエスは、彼らに言われた。「祈るときには、こう言いなさい。
 『父よ。御名があがめられますように。御国が来ますように。(ルカ11章2節) 
 マタイの福音書にも同様な記述があります。(マタイ6章9、10節)

『天にいます私たちの父よ。御名があがめられますように。御国が来ますように。みこころが天で行なわれるように地でも行なわれますように。』


御名があがめられますよう

 祈りは神の名を呼ぶことから始まります。神はどのような方かを心に浮かべながらその方に呼びかけるのです。そして、その名が崇められ、ほめたたえられることを願います。神の名は崇められるにふさわしいからです。それをしっかりと心にとめることから祈り始めるとき、祈ることに大きな意味があることが分かります。

 ほめたたえられ、あがめられるべき全能の神がそこに存在なさり、祈りを聞いておられることを感じなければ、祈りには意味がなく、聞かれることもこたえられることもありません。そういう祈りは単なる自己満足と気やすめに終わってしまいます。実際に多くの人が祈りをその程度にしか考えていません。ほめたたえられるべき大いなる方がおられることを知らないからです。

 天にいます私たちの父よ。御名があがめられますように。

 神はどのようなお方かを心にうかべ、その御名をあがめ、ほめたたえてください。

 御国が来ますように。みこころが天で行なわれるように地でも行なわれますように。天においてその方のご支配が完全に隅々にまで及んでいるように、地上においても、その素晴らしい力が人々の心に広がるようにと願うのです。

 そのあとで、私たちの願うこと求めること、どんなことでも主に申し上げることが出来ます。そうすれば、その祈りは聞かれるという確信を持つことができます。