親愛なる祈りの家族の皆様。
難病のために話すことも書くことも出来なくなった人が、パソコンや文字表を使って、またたきで一文字ずつ示してことばを作り、意思を伝えている様子がNHKテレビで紹介されました。書くことも話すことも出来なくなり、体も動かなくなっても、何かの手段でことばにしさえすれば、それを使って自分の意思や気持ちを伝えることは出来るものです。
ことばは音や形を表したり、用件を伝えたりするだけではありません。自分の意思や気持ちを他の人に分かってもらうことによって、人格全体を伝えることも出来るのです。人はことばによって、優しさを感じたり、敵意を感じたりもします。自分の中に溢れてくる気持ちを他の人と共有する時も、ことばが大きな助けになります。ことばにはそれを伝えようとする人の心が込められ、なぜか、それが一緒に伝わって来るのです。
ダビデは詩篇の中でしばしば、神のことばの持つ力の大きさを伝えています。詩篇が書かれる以前にも、聖書は神の律法の書として、最初の部分がすでに存在し、伝えられていたからです。
あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。(詩篇119篇105節)
私には、あなたの戒めがあるので、わきまえがあります。(104節)
みことばの戸が開くと、光が差し込み、わきまえのない者に悟りを与えます。(130節)
王であったダビデにさえ、神のことばは人生の指針であり、人格形成の知恵であり、悟りの指導書であり、何よりも、神を親しく知る手段だったことが分かります。
今、私たちの身近にある聖書のことばは幾世紀にもわたって多くの人々に読まれ、人生の道しるべとなり、支えとなってきました。ある人々は聖書のことばを命がけで守り、ある時は、一つの民族が聖書のことばによって絶望の中からはい上がりました。聖書のことばが地上から一つ残らず抹殺されようとした時代もありましたが、今では世界中に満ち溢れています。今も聖書のことばは変わりなく、私の友人たちに感動を与えイエス・キリストのもとに引き寄せてくれます。私の子どもたちを励まし、力づけ、正しい道に導いてくれました。また、私自身を今も教えたり助けたりしてくれています。
聖書は世界中で一番多く読まれている書物でありベストセラーの地位を保ち続けています。聖書は単に多くの書物の中の一つというだけではなく、特別な書物なのです。それは、神がごく普通の文字と本という手段を用いて地球上の全ての人に語りかけているものだからです。
聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。(テモテ第二の手紙3章16節)
聖書の中に書かれていることばには神の意思が込められています。それによって私たちは真の神がどのような方かを正しく知ることが出来ます。それだけでなく、人が生かされている意味や正しい生き方を教えられ、人類全体に対する神のご計画を読み取ることが出来ます。書かれていることばの一つ一つが、神からの語りかけだからです。
そこで、今年もあなたのための聖書のことばを選びました。2006年の聖句として受け取ってください。
このことばを一年間いつも身近に置いて読み返してください。神からあなたへの語りかけとして耳を傾け、思い巡らし、このことばの奥底にある神の御心を汲み取ってください。
また、聖書の他のことばも出来るだけたくさん読んでその中からもあなたへの神の語りかけを日々受け取ってください。きっと毎日が一層充実した楽しいものとなります。
さらに素晴らしいことは、そのような習慣を身につけることによって、あなたの祈りが神へ真っ直ぐに向けられるようになることです。
神のことばである聖書をまだ良く知らなかった頃の私の祈りは、ほとんどが自分中心的な要求で、その願いが叶えられたとしても、決して私の益にはならないようなことばかりでした。また、それが答えられることを真剣に期待することさえ出来ませんでした。
イエス・キリストは「求めなさい。そうしたら与えられます。」と言われました。けれども、もし、そう言っておられる方のことを全く知らなかったとしたら、何をどう求めたら良いのか分かりません。
ヤコブは「あなたがたが願っても受けられないのは、自分の快楽のために使おうとして、悪い動機で願うからです。」(ヤコブの手紙4章3節)と言っていますが、祈っている相手を良く知らなければ、人間の祈りはしばしばそうなってしまうのです。
けれども、自分が祈っている相手を知るようになれば、正しい願いが出来るようになります。
まだ十分とは言えませんが、聖書のことばが良く分かるようになった今の私の祈りは全く違うものになりました。私が祈る時には、誰に向かって祈っているのかを良く知っています。その方の御心にかなった祈りかどうかを吟味することもできます。そして、最も素晴らしいことは、御心にかなって、祈りが答えられることを期待することが出来ることです。本来、正しい祈りは何らかの形で必ず答えられるものです。
どうかあなたの2006年を、今までとは全く違った素晴らしい年にしてください。さらに聖書を読み、みことばに親しんでください。すべてを支配しておられ、あなたのことを最も気にかけてくださり、愛してくださっている方を聖書を通してもっとよく知っていただきたいのです。そうすれば、毎日を心を躍らせながら過ごすことが出来ます。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛