親愛なる祈りの家族の皆様。
人は伝えたいことがあるとそれを文章や言葉にしたり、それで表しきれない感情は、音楽や絵画などの芸術によって表現しようとします。けれども、それは文学者や芸術家だけの仕事ではありません、私たちは一人一人が誰でも生きることによって、何かを語っているのです。どうかご自分の生涯をかけて伝えたいことをしっかりと見つけだし、それを伝えたい人々に確実に伝えてください。
神はこれ以上にない究極の作品として宇宙を創造なさいました。その大きさ、少しのくるいもない正確さ、そして、その美しさ。それを見たり、調べたり、観賞したりして、そのすばらしさに感激するのは、宇宙広しと言えども、ただ人間だけなのです。造り主はこれによって何を伝えたかったのでしょう。
旧約聖書の中に、アブラハムが神からの声を聞いたことが書かれています。
アブラハムとその家族は神が命じるままに旅をしていました。おそらく旅の途中で毎晩大空に描かれた美しい星の芸術を見て、その美しさと忠実さに感じ入り、この宇宙と大自然を造られた方が語りかけておられるのを感じ取ったに違いありません。彼は神がこう語りかけたと言っています。
あなたはわたしの前を歩み、全き者であれ。(創世記17章1節)
宇宙と大自然の美しさと完璧さを見て、「あなたもわたしと同じように完全をめざしなさい。」と神が言っておられるのを感じて、そのように行動したアブラハムを神はどんなに喜ばれたことでしょう。
人は毎日の生活と忙しさのために、しばしば、神の語りかけを無視してはいないでしょうか。それが重なると、神の語りかけも感じなくなり、創造の偉大さを当たり前と思うようになってしまうのです。その結果、創造主の偉大さよりも自分の知恵を誇るようになりました。それは私たちを神から永遠に離れさせてしまいます。
このように、神から離れていった人類は、預言者によって「悔い改めてわたしのもとに帰れ。」と繰り返し語られた神の呼びかけにも答えることが出来ませんでした。
そこで、神は究極のメッセージを送られました。そのメッセージはイエス・キリストご自身です。罪のために神から離れた人類を、再び神のもとに立ち帰らせるためにこの世に来られた方です。
神ご自身が、肉体も感情も持った弱い人間と同じようになって、人類に対するご自分の心を伝えようとされたのです。イエス・キリストは、その全生涯が神のメッセージなのです。
ヨハネの福音書1章14節に「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。」と書かれています。
神のことばとは、神が語りかけ伝えたいと思っておられるメッセージです。神が一人一人の人間に語ろうとしておられるメッセージは、言葉だけで表しきれるものではありません。そこで、私たちと同じ人間の姿になってこの地上に住まわれることによって、その生き方を通して、神が私たちに伝えたいことを表現されたのです。それが、イエス・キリストの生涯です。ですから、イエス・キリストは人類への神の語りかけであり、ことばであり、私たち一人一人への呼びかけなのです。
神を直接見ることも、聞くことも出来なくなっている全ての人に、神はどうしても伝えたいこと、伝えなければならないことがおありになったからです。
あなたはそのメッセージを受け取りましたか。また、それにどうお答えになりましたか。私たちはそれを受け取って、自分なりの形で生涯をかけて他の人々にもそのメッセージを伝えるのです。
ですから、私たちはいろいろな方法で神のことばを伝えます。必ずしも、口から出ることばや、手紙に書いたことばだけとは限りません。行ないや態度によって表される場合もあります。
けれども、どのような形にせよ、私たち自身がそのメッセージとなっていなければなかなか伝わるものではありません。ですから、自分の生き方や生活そのものが大切になってくるのです。
神がアブラハムに、「あなたはわたしの前を歩み、全き者であれ。」と言われたのは、彼の生涯が、私たちを造り、私たちを正しく導いておられる神への信仰の手本となるためだったに違いありません。
私たちの生涯のメッセージは、私たちの生き方そのものです。それによって家族や周りの人々に、自分が何を一番大切にして生きてきたのかを伝えるのです。それが愛する人々への祝福として残ってほしいからです。
レックス・ハンバード牧師は生涯をかけた伝道の働きの中で多くの言葉を残しました。そのメッセージはテレビやラジオで放送されたり、本になったりして世界中の人々に伝えられました。彼の説教は今もたくさん残っています。2007年にはテレビ番組によって伝えられたメッセージを文章にし、2007年の祝福のメッセージとして毎月お届けしたいと思います。そのメッセージが皆さんの心にいつまでも残ることを願っています。
私は、ロングフェローというアメリカの詩人が書いた「矢と歌」という詩が好きです。自分の心を込めた歌が、長い年月を経た後、友の心に残っているのを見出したときの喜びをうたったものです。言葉にしても行ないにしても、伝えるべきメッセージが人生にしっかり根を下ろしていなければそのような喜びは期待できません。周りの人々、特に親しい者たちが、私の人生から何か良いものを受け取ることができればどんなにうれしいことでしょう。
あなたはいかがですか。イエス・キリストの生涯を通して神が語られたメッセージをあなたの人生にしっかりと受け取り、根をはらせて、それをもとにして、身近な人々への生涯をかけたメッセージを完成してください。
それを目指してご一緒に信仰の歩みを続けてまいりましょう。私は出来る限りそのお手伝いをしたいと思っています。どうかあなたも私のためにお祈りください。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛