親愛なる祈りの家族の皆様。
クリスマスはイエス・キリストを王として私たちの心にお迎えする時です。
暗やみの中にすわっていた民は偉大な光を見、死の地と死の陰にすわっていた人々に、光が上った。
私はあなたにクリスマスの手紙を書くにあたって、聖書を何度も開いて、福音書の最初の部分に書かれているイエス・キリストの誕生について読み直してみました。
そこには、神の子、平和の君がお生まれになること、苦しんでいる人々の希望の光となる方が与えられること、その名はイエスと呼ばれること、救い主誕生の情景、などが繰り返して書かれています。
今の時代にも何かの問題を抱えて苦しんでいる人々、不安におののく人々、失望している人々が大勢います。イエス・キリストによる救いは今もその人たちの上におとずれているのです。
また、旧約聖書のイザヤ書には、救い主の誕生を預言してこう書かれています。
見よ。やみが地をおおい、暗やみが諸国の民をおおっている。しかし、あなたの上には主が輝き、その栄光があなたの上に現われる。(イザヤ60章2節)
もはや悩みや苦しみの暗闇の中にとどまっている必要はないのです。私たちをそこから解放してくださる方が来られたからです。その方こそイエス・キリストです。
12月になると町はどこもクリスマスのテーマであふれます。色とりどりの電球が家の周りに飾られて美しく光っているのがあちこちで見られます。デパートや商店街でもクリスマス・ツリーやリースが飾られています。一年のうちの一ヶ月だけでも人々がイエス・キリストのことを考えてくれるならとてもうれしいことです。けれども、ちまたのクリスマスにはどこにもイエス・キリストの名前が見つかりません。イエス・キリスト抜きで、自分たちだけで勝手に楽しんでいるのです。
それは日本だけの問題ではありません。世界中で同じようにイエス・キリスト抜きのクリスマスが毎年行なわれているのではないでしょうか。
私がまだアメリカにいた頃、こんな出来事がありました。
ある夫婦に待ちに待った子どもが生まれました。そこで、盛大なお祝いをすることになりました。大勢の友達や知人が招かれて、プレゼントを持った人々が次々にその家にやってきました。寒い時期だったので、たいていの人がコートを着て来ました。その家に着くとコートを脱いで、それを寝室に置いて、お祝いのご馳走が用意されている広間に行くことになっていました。ところが、寝室には生まれたばかりの赤ちゃんが寝かされていたのです。最初のうちは注意して、コートを置いたのですが、だんだんコートが増えてくると皆がやっているので余り注意せずにコートを置くと、急いで広間の方に行くようになりました。お祝いも終わり頃になって、誰かが「赤ちゃんを見たい」と言いました。そこで寝室に行くと、そこはコートの山でした。その山の下になってしまった赤ちゃんはかわいそうに窒息していました。お祝いだけが盛大になり、その中心であるべき赤ちゃんが見過ごされて、じゃまになるコートや上着の下敷きになって死んでしまったのです。
クリスマスがこんな悲しいことにならないために、私たちは心を静めて、何のために誰のお祝いをしているのかをいつも考える必要があります。
私たちが直面する全ての問題は人の心の中にある罪から来るのです。罪は、全てのものを創造し、それを正しく治めておられる神を、私たちが心の中から閉め出してしまうことから始まっています。
神に心を支配していただかなければ、自我と罪の性質が心を支配するようになり、正しく機能しなくなり、さまざまな問題が私たちを苦しめはじめるのです。そこで神は、私たちの心を正しく治め、罪の苦しみと束縛から開放する救い主イエス・キリストをつかわしてくださいました。
クリスマスは待ちに待った救い主の誕生をお祝いし、この方を私たちの心を治める王としてお迎えする時です。あなたや私の救い主がクリスマスにこの世にお生まれになったのです。クリスマスに神が私たちのために救い主をくださったのです。イエス・キリストが来られなければ本当のクリスマスもなく、イエス・キリストに心を治めていただかなければ罪からの開放もないのです。光の君イエス・キリストが支配してくださらなければ、罪の本質である闇の力が私たちの心を支配し続けるからです。
プレゼントもご馳走もいいのです。楽しいパーティーも悪くはありません。けれども、せっかくお祝いするクリスマスにイエス・キリストがおられなかったら、きっと空しいお祭り騒ぎや悲しい結末になってしまいます。イエス・キリストを心にお迎えしなければ、私たちの苦しみや問題もなくなりません。
他の人が何をしていても自分のクリスマスでは、イエス・キリストを心の中心に置き、静まって、神があなたを愛し、全ての苦しみと問題の源である罪からあなたを解放する救い主をつかわしてくださったことに感謝しましょう。
私たちの毎日の生活の中でもそれを実践しましょう。クリスマス以外の日でもイエス・キリストが王であり、救い主です。私たちの持っている全ての苦しみや問題から解放してくださいます。ですから、イエス・キリストを中心にした人生にこそ、全ての苦しみや問題からの開放があり、豊かな祝福があるのです。あなたを一切の問題から解放して、永遠のいのちの希望を与えてくださることは神の御心だからです。
愛する者よ。あなたが、たましいに幸いを得ているようにすべての点でも幸いを得、また健康であるように祈ります。(ヨハネの第三の手紙1章2節)
イエス・キリストを心に持っていれば、新しい年もまた次の年も、あなたの上に主の輝きがあり、毎日喜びと希望を持って生きていくことが出来ます。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛