親愛なる祈りの家族の皆様。
ハンバード牧師は天に召されました。最後まで日本を愛し、日本人の救いを願って祈ってくれました。ハンバード牧師のテレビ番組「明日への希望」はただクリスチャンにだけではなく、今までに一度も教会に行ったこともない人々にも神の愛と福音を伝えてくれました。
告別式の席でハンバード牧師の長男レックス・ハンバード・ジュニアは言いました。「今私たちは父、レックス・ハンバードの天国への栄光ある旅立ちをお祝いするのです。」この言葉は、長年にわたって世界中にイエス・キリストの福音を伝えた生涯を記念するにふさわしい言葉でした。私たちは彼の死を悲しむために集まったのではなく、彼の生涯の完成と天国への凱旋をお祝いするために集まったのです。そのように言える生涯はなんと幸いでしょう。私たちもそのような生き方をしようではありませんか。では、ハンバード牧師はどのような生涯を歩まれたのでしょうか。
第一に、ハンバード牧師の生涯はまず自分自身を神にささげた生涯でした。神の御心に従い、人生をすべて神に任せ切った平安な生涯でした。
人が平安を失うのは恐れや不安を持つからです。「これからどうなるのだろうか、もし、こうなったらどうしよう。」と、事の起こる前から心配をする人がいますが、それは、神を信頼して任せ切ることによって消え去ります。神は愛であり、私たちの生涯に良いと思われることだけを行なってくださる方です。私たちが自分の生涯に不満を持ち、不幸だと感じるのは、自分にとって何が一番よいことかが分からないからです。どこかで考え違いをしてしまい、本当は私たちの益にならず満足も与えないものや、かえって不幸をもたらすものを求めようとするからです。けれども私たちを造られた神は私たちに何が一番良いことであり、益となることかをよく知っておられます。自分に出来ることは精いっぱい行ないあとは神に任せ切って生きる生涯は、与えられたものを十分に生かし活用することの出来る生涯です。
あなたは今、大きな問題や心配事を持っていらっしゃいませんか。どうしようもない困難な状況や、夜も眠れないほど心配な悩みは多かれ少なかれ誰でも経験します。神はあなたの心を全て知っておられます。思い切って全てを神に任せ切ってみてはいかがでしょう。きっと平安が与えられます。
神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。(ローマ8章28節)
第二に、ハンバード牧師の生涯は思い切って大胆に信仰を実践する生涯でした。神の御心と信じたら決してゆずることなく大胆に進みました。アメリカ中の町々を巡ってテントを張って集会を開くという伝道の仕方を変えて、アクロンに定住して大きな教会を立て、そこからアメリカ中に福音を伝える決断をした時も、当時の常識を超えた考えでした。けれども、それは何日も断食をして祈り、神の御心であると信じての決断で、誰にも止めることは出来ませんでした。後に、その教会からテレビとラジオによって、アメリカ中だけでなく110の国と地域、91ヶ国語で福音が伝えられることになりました。
初めてテレビを通して大々的に福音番組が放映されるようになった時も同様でした。何日も断食の祈りをした後、神の御心であると確信したので、断られても断られても、放映を依頼するために13回もテレビ局を訪問しました。ハンバード牧師は自分の番組をテレビでアメリカ中に放映することだけを考えていたのではありません。当時福音をテレビで放映することは誰も考えませんでした。しかし、ハンバード牧師のテレビ番組をきっかけに、今ではアメリカのどこにいても福音番組を見ることが出来ます。
第三に、ハンバード牧師の生涯は一人を大切にする生涯でした。誰でも神が造られた魂を持っており、どの人も神にとって大切な存在だからです。5000人の教会の牧師をしていた時もその中の全ての人を「大切な神の小羊」として扱いました。テレビを通して一度に世界中の大勢の人々に福音を伝えていても、祈りを求めて来る一人に心をとめていました。
日本から送られていた祈りのリクエストには、「日本語が読めないから」と言って、特に心を込めて手を置いて祈ってくれました。私は何度もその情景を目撃しましたので良く知っています。
誰であっても一人ひとりが神にとって大切な存在です。神はその人を愛してくださっているのです。あなたもその一人です。神にとってかけがえのない、大切な存在なのです。どんな状況の中にいても、どんなことをしたとしても、神は決してあなたを見捨てたり、あきらめたりはなさいません。何度でも立ち上るチャンスを与えてくださいます。そんな時、私もあなたと一緒に祈る人になりたいと思います。
私は今自分自身の生涯をハンバード牧師の生涯と照らし合わせています。何度も失敗したり絶望したりしました。あきらめかけたことも数え切れません。けれどもそのたびに、神は聖書のことばを通して私を励まし立ち直らせてくださいました。
私は祈りの家族の働きをハンバード牧師の遺志を継いだ働きとして続けていきたいと考えています。
これからどのようになっていくのかは心配せず、全てを神の手にまかせ切って、神の御心と信じたら、やるべきことはしっかりと実行し、一人の悩みや問題でも真剣に取り上げ、共に祈りたいと思います。
もし、あなたもそのようにお考えでしたら、引き続きお便りください。
これからは、レックス・ハンバード・ジュニアやそのほかの家族のメンバーとも一層協力を深めて、あなたのため、また、日本の多くの魂のために奉仕してまいります。
どうかモデーミ夫人のためにもお祈りください。アルツハイマーが進みハンバード牧師が亡くなったこともはっきりと実感していないように思われます。病気の回復よりもむしろ、充実して幸せだったに違いない彼女の人生を、神に感謝してください。「いつ召されてもレックスと一緒で、幸せでしょう。」周りの人たち皆がそう言っています。そんな人生は本当に素晴らしいと思います。
どうか私のためにもお祈りください。ハンバード牧師が亡くなられて、一人の魂をも大切にする責任の重さを一層強く感じています。あなたの力強い祈りのご支援が必要です。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛