祝福のメッセージ:2007ー12

祝福のメッセージ 

レックス・ハンバードのテレビ番組「明日への希望」より

No. 200712

家庭に神の愛を


 王は身震いして、門の屋上に上り、そこで泣いた。彼は泣きながら、こう言い続けた。
「わが子アブシャロム。わが子よ。わが子アブシャロム。ああ、私がおまえに代わって死ねばよかったのに。アブシャロム。わが子よ。わが子よ。」 サムエル記下28章33節

 大勇士としてその名を轟かせたダビデ王が子どものように苦悩の涙を流しています。

 一番恐ろしいことは愛する者が永遠の滅びに落ちるのを見なければならないことです。審きの日が来て神のラッパが高らかに鳴り渡り、先に死んだ者たちはよみがえり、生きている者たちは天に引き上げられます。その審きの日が来る時、全ての人が神の前に立たされるのです。男性でも女性でも大人でも子どもでも、善人悪人、金持ち貧乏人、どんな人でも皆そこにいます。そして偉大な審判者が彼らを分けます。ちょうど羊飼いが羊とヤギをわけるように。正しい者を右に、罪びとを左に。その時、滅びに落ちる人々の群れの中にリズやレックス・ジュニアやダン、家族の誰かがいたら、私にとってこれほど悲しいことがあるでしょうか。長い年月の間イエス・キリストを人々に伝えてきながら、自分の家族が審判者である主からこう言われるとしたらどうでしょう。「悪い者よ、外の暗闇へ出て行け、そこで泣いたりわめいたり歯噛みをして嘆くがよい。」

 私は先ず私の家族に対して責任があります。もちろん私自身が、イエス・キリストと神を知ることが第一ですが、神を知った後、私の地上での第一の務めは、クリスチャンホームを持つことです。

 ダビデは偉大な王でした。優れた詩をたくさん残しました。武将としても優れていて祖国イスラエルに数々の勝利をもたらし、偉大な国を築いて歴史に名を残しました。しかし、皆さん、残念なことにダビデ王には失敗がありました。神のお定めになった家庭において失敗してしまったのです。子どもを正しくしつけなさいと聖書は命じています。

 厳しい体罰や口うるさい指図をせよと言っているのではありません。時々子どもに心を向けてやればそれでよいというものでもありません。たえず愛をもって教え諭すことです。「子どもをその行くべき正しい道に従って教え諭しなさい。そうすれば成長してもそこから離れない」と聖書は教えています。

 罪のもたらす呪いはダビデだけにとどまりませんでした。聖書には「父の罪によって3代4代の子孫までも苦しむ」と書かれています。

 ではダビデはなぜ家庭という大切な場所で失敗したのでしょう。先ず忙しすぎました。

 もし、今あなたが神に心を向ける時間がないとおっしゃるならそれは忙しすぎるのです。

 彼はまた、悪い手本を示してしまいました。人妻と関係を持って、彼女の夫を死に追いやり、彼女を自分の妃として迎えたのです。

 父が怒鳴れば、その子も同じように怒鳴ります。父が大酒を飲めば子も飲み、父が盗めば子も盗むようになります。父がけんかすれば子も真似てけんかします。身をもって示すのもしつけの一つです。ダビデは忙し過ぎただけでなく、家庭で悪い手本になりました。

 親の私たちが人生から神を締め出しているならば、子どもの人生を、孫たちの人生を、ひ孫たちの人生を神に祝福していただくことを期待するわけにはいきません。イエス・キリストを知ることの次に私たちにとって大切なことは、クリスチャンホームを築くことです。家庭のために常に祈り、愛によって家庭を守ることです。家庭こそ教会を支える力であり、街を支え、社会を支え、国を支える力です。何よりも大切なものです。

 ダビデは偉大な王ではありましたが家庭においては成功者だったとは言えません。では、彼の家庭の中に何が起こったのでしょう。彼が家庭を顧みる暇がなかった上、悪い見本を示したために、やがて、彼の子どもたちが次々と罪を犯し、彼を悲しませました。

 アムノンは病気を装い、腹違いの妹に看病に来るように頼みました。彼女がやってきて兄のために食事を作って持っていくと、彼は召使たちを家から追い出し、誰もいなくなると、この異母妹に言いました。「私のほしいのは食べ物ではない、お前だ。」 彼女は泣いて言いました。「私はあなたの妹です。」

 しかし、彼は彼女に乱暴した上、外へ追い出しました。これがダビデの家庭にさらに大きな不幸を起しました。兄のアブシャロムはこれを恨み、復しゅうを誓いました。

 とうとうある日、アブシャロムは「羊の毛を刈り取った祝いをするから」とアムノンを野原に誘い出し、そこでアムノンに酒を飲ませた上で殴り殺したのです。悲劇はまだ続きます。アブシャロムはついにダビデに反逆し「私が父ダビデに代わって王となり、この国を治めるのだ。」と反乱軍を率いて立ち上がりました。この時のダビデの心痛はいかばかりだったことでしょう。このような悲劇が次々と家族に起こるのを目のあたりにして、父親の気持ちがどうだったか考えてもごらんなさい。

 アブシャロムは反乱を起こしました。ダビデは自分で事を処理せず、家来たちを遣わしました。子どものしつけを他人に任せてはいけません。子どもを教会に連れて行く事や聖書を読み、祈ることを教えることはあなた自身の務めです。自分の子どもの責任は自分で持ちなさい。ダビデは「王子を殺すな。」と兵士たちに命じましたが、やがて来た知らせはこうでした。

 「我々はついに反乱軍に勝ちましたぞ!」 「ではアブシャロムは?」 「王よ、ご安心ください。戦いは勝利です。」最後にひとりが進み出て敬礼して言いました。「陛下、王子は戦死しました。亡骸は私たちが葬りました。」それを聞くと、王はただ一人城壁を登り屋上の間へ入り声を上げて激しく泣きました。「アブシャロム、わが子アブシャロム。いっそ私がお前に代わって死ねばよかったのに。おおアブシャロム、わが子アブシャロム。」何という悲しみでしょう。原因は罪です。

 悪魔が世に来たのは盗み殺し滅ぼすためです。悪魔は最初から人をだまし家庭を壊そうとしました。そのために人はエデンの園を追放されました。カインは妬みからアベルを殺しました。

 今や悪魔は世の終わりの前に家庭を壊そうと必死です。今こそ、私たちの家庭の中に聖霊によるリバイバルが必要です。家庭は神の造られた最初の組織です。はっきり申し上げます。ご主人方、お聞きください。あなたは家庭で祈って神と交わっていらっしゃいますか。家庭で神に従い、良い手本を示していますか。そうしていないのなら、今からでもそれを始めてください。大切なことです。

 奥様方、意地悪い言葉を捨て、今こそ優しい言葉を家族にかける事が出来るように神の哀れみを求めてお祈りください。あなたの愛とイエス・キリストに対する真心と献身がご主人を主に導くことでしょう。お父さん、お母さん。家庭でよい模範を示してください。全ての人を待ち受けている運命は、やがて、一度は死ぬ事と死んだ後審きを受けることです。そして、それぞれ道が分かれます。ある者は天国に、ある者は地獄に。それは今の行ないできまります。

 どんな悲しみがあろうと、悩みがあろうと、問題があろうと、私たちにとって一番大きな悲しみ、一番大きな苦しみは家庭の中で悲劇が起こることです。家族どうしの間に問題が起こることです。

 ではどうしたらよいのでしょう。もし、夫と妻が、親と子が、仲良くやっていけないのなら、主に祈りましょう。主に任せ、ゆだねましょう。主が助けてくださいます。もし、あなたのお子さんが主を知らず、救いの箱舟の外にいるなら、主にゆだねて祈るのが一番です。

 私はこの一年間家族ともども世界の家庭を再建することに命をかけています。あなたはいつか神の前に立ちます。その時、あなたにとって何よりも大きな悲しみは愛する人が滅びることです。永遠の暗闇の中に失われて行くことです。今ならばまだ打つ手はあります。今ならばまだ間に合います。皆さんお聞きですか。もし、あなたのご家族が救われていないなら、今こそ涙を流して神に祈り求める時です。後では遅いのです。今なら、私たちに出来る事があります。

 聖霊よ、この場に臨みひとりひとりの上に働いてください。人の第一の務めはあなたを知る事です。私たちの心に汚れたものがあれば、主イエスよ、今あなたの前に告白してその全てを清めていただきます。もし、私たちが夫婦や親子など、家族の間で憎しみや恨みを抱いているなら、あなたの前に出て、お互いに和解できますように。私たちの子ども、父、母がまだ救われていないなら、信仰によってその人々をあなたの前にさし出します。主のみ名によりお祈りいたします。

 信仰を行動に移しましょう。信仰は行ないが伴わなくては死んだものです。得られないのは求めないからです。そこで、どなたでも「レックス、家庭の問題が解決するために、わたしの心に神の力が必要です。」そうおっしゃる方は今その場にお立ちください。あなたのためにお祈りします。