祝福のメッセージ:2008ー07

祝福のメッセージ

レックス・ハンバードのテレビ番組「明日への希望」より

No. 200807

将軍ナアマンの病(旧約聖書 列王記第二5章)


 ナアマンはアラムの軍隊を率いる将軍でした。戦いに勝利して帰る時はいつも王の戦車に乗り王の後に立っていました。その後に兵士たちや戦利品の行列が続きます。市民は行列に向かって歓声をあげます。「ナアマン万歳!戦いの勇者万歳!」

 ナアマンは軍隊の力をその手中に握っていました。高い身分で、才能があり、王の信頼も厚く、人々からも尊敬されていました。政治的な力も経済的な力も社会的な力も持っていました。

 ところがある日、体に病気の兆候が現われました。病気は始めごく小さなものです。そのうちに消えるだろうと思っていましたが消えません。数日のうちにその病気は体中に広がり、ナアマンは自分の運命を知りました。このままでは死を待つ以外に道はありません。ナアマンは偉大な人物でしたが死に至る病を負っていたのです。

 私たちは歴史上類を見ない文明社会に住んでいます。しかしまた、かつてなかったほどの飢えと悲しみ、多くの悩みや問題、多くの戦争と戦争の恐怖を抱えています。

 現代には1つだけ病んでいる部分があるからです。それは、霊的な貧困です。

 罪を憎み、悪魔に背を向け、魂を重んじる神の業が今必要です。

 私たちはナアマンのように優れてはいないかもしれません。しかし、ナアマンに、こう聞いたらどうでしょう。「この恐ろしい病気から救われる道がどこかにあるとしたらどうしますか。」彼は言うでしょう。「もう軍隊の力もいらない。政治的な権力もほしくはない。社会的な地位もくれてやる。この屋敷や全財産を投げ出してもかまわない。この病気さえ治るなら。」

 人間は知性を持っていますが知性だけの存在ではありません。肉体も持っています。けれども、知性と肉体だけでもありません。人間は霊魂を持った霊的な存在です。

 人類は知性において著しい進歩をとげました。医学の進歩によって肉体的には長く生きられるようになりました。ところが、残念なことに霊的な領域では立ち遅れているのです。知的、肉体的、霊的なバランスが取れていません。それゆえ、知的な進歩や肉体的な進歩が、かえって多くの問題を生み出す結果となり、克服できない問題が多くなってしまうのです。

 人は賢くなって、ついに月にまで飛んで行けるようになりました。

 医学の進歩も驚くばかりです。心臓さえ移植できるようになりました。

 医者も看護婦も病院も大切です。ありがたいと思います。私たちの健康を守るために、医学関係の方々は日夜努力しています。乳幼児の死亡率が下がり、多くの幼い命が救われています。医学のおかげで私たちの寿命も延びました。しかし、皆さん、どんなに優れた外科医のメスでも、人間の心から罪を取り除くことはできません。

 霊魂がなければ人は死んだ物だと聖書は教えています。私から霊魂を取り去ったら、手はあっても動きません。舌はあっても話せず、目があっても見えません。私たちは知性だけでも、肉体だけでもありません。霊的な存在です。神が息を吹き込まれたので、人間は魂を持つ生きものとなりました。

 あなたは「霊的なことはどうも信じられない」とおっしゃるかも知れません。

 「自分の目で見て、耳で聞いて、手で触って、頭で理解出来なくては関わりを持ちたくない」と。それは間違いです。あなたは意思を伝達する仕組みが分りますか。私の頭脳が言葉を考え出すと、即座に私の舌と唇がそれを音にします。それが空気を伝わってあなたの鼓膜に届き、頭脳はその振動で意味を理解します。けれども、どうしてそうなるのかは分らないし、説明も出来ません。けれども、私が話すことをあなたは理解します。神はどこから来たのかと聞かれても私は答えられません。しかし、私は神の存在を信じています。聖書が神のことばであると信じています。

 私は神と神のことばを信じています。神が人間をご自分と和解させるために、御子イエス・キリストをこの世に遣わされたという聖書のことばを固く信じています。

 これから申し上げることはとても大切なことです。たとえ宗教心が厚く、頭で神を信じ、イエス・キリストについての知識があり、日曜ごとに教会に行き、体は礼拝の場所に座っていても、地獄へ行くこともありえます。頭の知識だけが全てではありません。イエスはニコデモに言われました。「新しく生まれなさい。」私もそれと同じことを言います。「イエス・キリストによって新しく生まれなさい。」

 「神よ。私たちを霊的な領域に目覚めさせてください。それによって、私たちが全能の神の原則を人生に、家庭に、社会に、さらに全世界に適応できますように。」

 私たちは神の御元に帰るまでは本来の姿ではありません。たとえ知的に、また肉体的に優れていても、霊的、道徳的に欠けていては本来の人間の姿ではないからです。

 ナアマンはどのように癒されたのでしょうか。あなたはどうしたら癒され、どうしたら救われるのでしょう。三つ条件があります。先ず始めに、ナアマンは人から言われるまでもなく、自分の病気を認めました。あなたはまずご自分の弱さを認めなければなりません。それが第一歩です。「私は正しい。人殺しをしたことも、盗んだこともない」と言われますか。でも福音に従ってイエス・キリストを信じて受け入れたこともないとすれば、悪い事はしていないけれど良い事もしていないのです。それではだめです。ナアマンは自分の弱さと、助けが必要であることを認めました。

 第二に、彼は助けの源へ行きました。小間使いの少女から神が癒してくださると聞いて、彼は信じて立ち上がり、助けの源である神のもとへ行ったのです。

 第三に、彼は従いました。多少言い争いましたが、最後には従いました。彼は言われた通り、川に7回身を浸し、水から上がると病気は跡形もなく消えていました。奇跡が起きたのです。この聖書のことばを信じますか。全能の神はその日、ナアマンの上に癒しの力を注いで、病気を完全に癒してくださったのです。肉体の病気を癒された彼も、やがては死にました。しかし、何とすばらしいことでしょう。もし私たちが、今日、霊的な面で癒されるならば、その祝福である魂の救いは永遠に続くのです。決して色あせることなく、決して消えることのない永遠の祝福です。