祝福のメッセージ:2009ー02

祝福のメッセージ

レックス・ハンバードのテレビ番組「明日への希望」より

No. 200902 

ダニエルとライオンたち

 

 今日の話はバビロンがエルサレムを攻略した時にさかのぼります。バビロン軍はエルサレムを破壊し人々を奴隷として連れ去りました。その中にダニエルもいました。こうして異教の地に連れてこられたヘブルの人々は身分の高い高官の家で召使として働くために訓練されました。バビロン人は捕虜に色々なことを教え、彼らを出来るだけバビロンの習慣に沿った優れた召使に仕立てようとしたのです。ヘブル人は重大な決断を迫られました。ダニエルをはじめイスラエルの各地から集められた若者たちは異国において神からも家族からも引き離されていました。バビロンには偶像の神々が多くあり習慣も異なります。しかし、バビロンにいても、彼らの信仰は揺るぎませんでした。

 皆さん、私たちはこの世にいてもこの世の者ではありません。神の民が世に惑わされて、みことばから離れることがあってはなりません。バビロンの習慣に従ってバビロン人の気に入られることは簡単でした。 

 現に、町に着く早々、彼らは酒と獣の肉を異教の神々にささげるために調理しろと命じられました。かつて、モーセは神のことばによってそのようなことをやってはならないと命じられていました。偶像に供えることもそれを食べることも罪であるとヘブル人たちは良く知っていました。しかし、異国にいて王の機嫌を損なわないためには異教の習慣に従うことが一番楽な道でした。しかし、彼らは神のことばに従いそれを拒みました。罰を覚悟でそうしたのです。その結果は皆さんが良くご存知のように3人のヘブライ人が燃える炉の中に投げ込まれました。心配して炉の中を覗き込んだ王は、投げ込まれた3人の他に神の人のようなもう1人を見ました。そして、3人は助かりました。

 けれども、さらに大きな試練の時が来ました。当時ダニエルはすでに3人目の王に仕えてバビロンの総督になり、老人となっていました。

 ダリウス王の信頼も厚く、信仰を貫いていました。高い地位まで出世したよそ者のダニエルを、側近や臣下の中には妬む者が現れ、何とかこの王のお気に入りを失脚させようと図り、口実を探していました。

 ダニエルの願いと目的は神に仕えることでした。神のために生きることでした。人にではなく神に喜ばれることでした。そのことがダニエルの失脚を狙う者の口実となりました。彼らはある日ダリウス王のところに来て言いました。「あなたこそ全世界を一手に治める偉大な支配者であられます。バビロンは世界一の都で、陸軍も海軍も、山のような金銀も、行く先々での勝利も皆あなたのものです。」こう言って王の機嫌を取り「これから30日の間、法令を定めて偉大な王の功績をたたえ、臣民はどんな神をも礼拝してはならない、ただダリウス王だけを神として崇め礼を尽くすべしと命じてください。」と進言しました。王はそれを聞くと、きげん良くその文書に署名しました。すると、ダニエルを妬む者たちは待っていましたとばかりに彼の家を見張り始めました。ダニエルが信仰の人であることを知っていたからです。彼は日に3度窓を開けて、エルサレムに向かってイスラエルの神に祈ることを習慣にしていました。その日も、禁令にもかかわらず彼は祈っていました。早速彼らはダニエルを訴えました。彼は捕られ、ライオンの穴に投げ込まれることになりました。ライオンは3日間えさをやるのを禁じられ、飢えていました。禁令を破ったものを罰する準備はすでに整っていたのです。ダニエルが神に祈って王の禁令を破ったと聞いて、ダリウス王は困惑し、悩みました。けれども命令を破ることは王にも出来ません。「ダニエルよ。そなたの仕える神が、そなたを救われるように。」と言って刑の執行を赦しました。

 ダニエルは信じていました。たとえその身は寂しく異国にあろうとも、神の宮エルサレムの神殿からも、家族からも、祖国からも引き離されていても、神は共にいてくださることを。

 ダニエルは引き立てられて行き、飢えたライオンの群がる穴に投げ込まれました。入口はふさがれ王の封印が押されました。王は宮殿に帰っても、ダニエルの身を案じて一晩中眠ることが出来ませんでした。

 翌朝、日が昇るや否や、王は宮殿を出て護衛と共にほら穴に来て封印を解くと、大声で呼びました。「ダニエルよ、無事か。お前の神はお前を救ってくださったか。」ダニエルは答えました。「王よ、とこしえに生きながらえますよう。私の神は使いを送り、ライオンの口を閉ざされたので私は無事でいます。」王はダニエルを穴から出して、代わりに、この悪巧みを企てた者たちを連れてこさせて、ライオンの穴に投げ込ませました。すると、ライオンは彼らが地に落ちる前に飛びかかり、たちまち、彼らをずたずたに引き裂いてしまいました。彼らを救う者はいませんでした。

 あなたは、いかがですか。ダニエルは主の僕であり、主を知っていました。しかし、主に愛されていた彼にも試練があり、ライオンに出会いました。あなたにとって、それは恐れかも知れません。悪い習慣や疑い、あるいは家庭の不和やさまざまな問題かも知れません。どうかこうした悩みから開放されるよう、主に祈り助けを求めてください。