親愛なる祈りの家族の皆さん、あなたは神の姿に似たものとして造られています。
最近いろいろなショーや展示場で新しい種類のロボットが紹介され、ちょっとした挨拶をしたり、踊ったり歌ったりして見せるようになりました。そのたびに、「ロボットがこんなことまで出来るようになったのか。」と驚かされます。
ロボットと聞くと、かつては空想科学映画の中にしか存在しないもので、人間の形をしていて人間のように動き話をするものでした。ところが、実際には、すでにいろいろな分野でロボットが活躍しています。決められた仕事は速く正確に行ないます。歩いたり話したりはしなくても、人間には出来ない危険な作業や手間のかかり過ぎることをやってくれています。目に見えないほど小さな電子部品をすばやく組み立てたり、自動車を組み立てる流れ作業の中では、ロボットが受け持つ部分が大幅に増えています。特に危険な工事現場では安全に能率のよい作業が出来るため、工事の完成を早めてくれます。
最近ではロボットが新しい分野でも活躍し始めています。それは直接人の世話をするロボットです。掃除をしたり、お茶を運んだり窓を開けたり閉めたりする小さな世話から、一人ぼっちの人のために本を読んでくれたり、一緒にいて慰めてくれたり、話を聞いてくれるロボットです。ロボットに対する人々の関心が、重労働をこなす産業ロボットから、介護ロボットや親しい友だちロボットへと移って来ました。もし、ロボットが手に入るとしたら、あなたはどんなロボットがほしいと思っておられますか。
日本のロボット産業は世界一です。これからもますます便利なロボットが作られ、私たちの生活の中に入って来ることでしょう。これからどんなに素晴らしいロボットが作られたとしても、ロボットは自分の意思や感情を持っていないので、初めから決められたこと以外にはやってくれません。その代わり、命令に背いたり反抗したりはしませんが、本当に心のかよう友だちにもなれないのです。
また、ロボットは人が作るものですから何らかの形で人のために役に立つものです。ロボット自身のためやロボットどうしが交流を持つために作られるものではありません。
けれども、人の場合は違います。人は外の形ではなく、本質的に神に似たものとして造られたものだからです。神と交わり、人と人との交わりを深めることが出来るのです。
神は御自分にかたどって人を創造された。(創世記1章27節)
ひとりひとりが独立した意思と感情を持っているため、わが子でさえ思い通りに従わせることは出来ません。一人の人間として尊敬の心を持って指導しなければなりません。けれどもその反面、人と人とが良い関係を持った場合には予想をはるかに超えてお互いが素晴らしい大切な存在となり、何物にも代えがたいものとなります。人には計り知れない可能性と価値があるからです。
神は私たちが通常に活用している能力の何十倍もの可能性を持たせて造ってくださいました。あなたの中にもまだ十分に用いられてはいない能力がたくさん残っています。
人間の脳を研究している人は、「人は一生の間に自分の脳の10分の1以下しか使っていない」と言っています。90パーセント以上が使われないままに終わってしまうのです。他の部分でも使えば使うほど素晴らしい能力を発揮します。まして、人の心や魂の分野ではなおさらです。
私たちに無限の可能性があると言っても、全ての人がオリンピック選手のような超人的な技を身につけたり、ノーベル賞級の科学者や、天才音楽家になったりする必要はありません。しかし、聖書を通して私たちの造り主をもっと深く知り、イエス・キリストを手本として生きるなら、あなたの中に隠されている能力は目覚め、活動し始めます。その中でも一番素晴らしいのは神と交わりを持つ能力、人を思いやり、理解し、愛する能力です。その能力を発揮するなら、あなたの周りに素晴らしいことが始まり、あなた自身にも大きな喜びと平安がやってきます。
ですから「自分には何の値打ちもない。」と思っている人があるとしたら、それは大きな間違いです。人は何物にも代えられない尊さと、計り知れない価値とを持っているのです。それを引き出して役立て、充実した人生を生きることは造り主の願いです。私たちをお造りになった神は私たちの可能性を一番良くご存知だからです。
その私たちが、誰かをあたかも価値の無いもののように粗末に扱ったり、私たち自身が自分の人生を無意味に生きたとしたら、造り主である神はどう思われるでしょう。
神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。(ヨハネ3章16節)
ひとり子さえも惜しまず、私たちのために与えてくださった神の愛と決意がこのことばの中に込められています。神の特別な被造物が、一人でも、その価値を発揮することなく永遠に滅びてしまうことを願ってはおられないのです。どんな罪人であっても神にとっては大切な存在です。ですから罪人が神のもとに立ち返って、造られた時の本来の姿になるよう助け、救いに導いてくださるのです。この地球上に何十億の人が住んでいようとも、神にとってはひとりとして意味のない人や忘れられている人などいません。一人も滅びないことが神の願いです。
もし、だれかが百匹の羊を持っていて、そのうちの一匹が迷い出たとしたら、その人は九十九匹を山に残して、迷った一匹を捜しに出かけないでしょうか。(マタイ18章12節)
まして「神の御心にかなう者になりたい」と願っておられるあなたならなおのこと神は喜んでより一層御心にかなう者となれるよう導いてくださるはずです。あなたは神にとって大切な人だからです。どんなに遠く離れてしまっても、必ずあなたを見つけ出して引き寄せてくださいます。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛