祝福のメッセージ:2009ー07

祝福のメッセージ

レックス・ハンバードのテレビ番組「明日への希望」より

No. 200907                 

人生の愚か者


 旧約聖書サムエル記第一にサウル王が登場します。彼はイスラエルの最初の王でした。彼は民を愛するすぐれた王でした。ある日ダビデという若者が彼の前に現れました。ダビデはイスラエル軍を脅かしていた巨人ゴリアテを小さな石1つで倒した少年でした。間もなくダビデは民衆の人気を一身に集め、王の信任も得て軍の指揮官になりました。

 彼が戦いに大勝利をおさめて国に帰って来た時、沿道を埋めた民衆は歓呼の声をあげて迎えました。サウル王も凱旋帰国した若い将軍ダビデを迎えるために来ていました。民衆は口々に叫びました。

 「ダビデ将軍万歳。サウルは千の敵を倒し、ダビデは万を倒した。」

 これを聞いた王の心に妬み心がわきました。「これは王への反逆だ。許しておけない。ダビデを亡き者にしなければ。」王は嫉妬に駆られて、この国で最も優れた若者の命を狙うことになりました。これを知ったダビデは姿を隠しましたが、サウルは兵を率いて後を追いました。

 旧約聖書のサムエル記に「夕暮れになると王とその一行は疲れを覚えたので仮眠をとった。」とあります。ダビデを追撃する途中にです。

 その時、主がサウル王とその供の者たちを深い眠りに落されたので、ダビデは秘かに機をうかがって、サウルのそばに忍び込み、枕元から王の槍を奪って反対側の丘の上に行き、槍を地面に突き立てて大声でこう叱りました。「王の兵たちよ、お前たちは大切な王をしっかりと守っていなかったではないか。」その時サウルはダビデが自分の槍を持って行ったことに気づき、もし、自分を殺そうと思えば殺せたことを悟りました。ダビデは王に忠実だったので、殺さなかったのです。

 サウルは言いました。「私は罪を犯した。ダビデよ帰って来なさい。私はもうお前に害を加えない。今日私の命がお前によって助けられたのだから。本当に私は愚かなことをした。」王は自分が愚かで、嫉妬のために神に対しても人に対しても罪を犯したことを悟りました。

 サウル王は同じ言葉を生涯の最期の時にもつぶやくことになります。

 サウルは初めは謙虚で神のことばに従う従順な若者でした。人生で神を第一とした時は、神の霊が彼の上にとどまりました。同じことが私たちにも言えます。私たちが信仰によってイエス・キリストを心に受け入れて自分の罪を告白する時、罪は赦されて聖霊が私たちに下り、私たちは新しい人になるのです。教会の会員になったり、気分を一新して再出発を決心したり、いろんな新しいことを試みたとしても、神の聖霊があなたの心を支配するまでは新しい人にはなれません。

 ある時ニコデモという宗教家が教えを求めてイエスのもとに来ました。

 イエスは「あなたは新しく生まれなければならない」と言われました。

 あなたも「新しく生まれる」という経験をなさいましたか。もしまだなら、イエスを心にお迎えしてください。神のことばに従えばいいのです。イエス・キリストを神の子、救い主と信じて人生に受け入れるのです。そうすれば、神の聖霊があなたの心に入り、あなたを新しい人に変えてくださいます。私の願いは、今日あなたがそれを経験してくださることです。

 さて、サウルの生涯に戻りましょう。サウルは優れた王でした。王国はしばらくの間は栄えましたが、やがて、彼の心には高ぶりが生まれ自分の力を誇り、神に従わなくてもうまくやれると思い始めました。

 ある日神はサウルに「この戦いでは捕虜を取ってはならない。戦利品も持ち帰ってはならない。」とお命じになりました。彼はこの戦いに勝利しましたが、敵の王を捕虜として連れ帰り、敵の牛や羊の群れを見てほしくなり、神の命令を破って持ち帰ることにしました。彼が城壁の外まで来ると予言者サムエルが神の言葉を携えて出迎えました。

 「戦いはうまくいきましたか。」「大勝利です。」「あなたは主の言葉に従いましたか。」「勿論です。」「主は捕虜も戦利品も持ち帰ってはならないと言われませんでしたか。それなのに、牛や羊たちの鳴き声が聞こえるのはどうしてです。」「これは神へのいけにえとして持ち帰っただけです。」彼は自分の考えで神の命令を無視しました。「従うことはいけにえの供え物に勝る。」と聖書に書かれています。私たちは神のことばと聖霊の導きに従うべきです。それが神の力を受ける秘訣です。サウルは神に従う道を捨てました。誰にとっても悲劇は神にそむき、神に従うのをやめた時に始まります。やがてサウルはますます神から遠ざかり、魔術や占いを求めるようになりました。そして、ついに、最後の戦いに敗れて敵に追い詰められ「ああ私は愚かだった」と言って、自分の剣の上に伏して自害しました。

 誰でもいつかは死という最後の戦いに臨みます。サウルの場合と同じように、あなたの人生にもいろいろなことが起こったことでしょう。サウルのように「私は愚かだった」と言わないように、今日こそ神の御前に出てこう申し上げあげてください。

 「主よ、私の不従順をお赦し下さい。これまでの私の罪や失敗をお赦しください。私の人生をお捧げします。過去の罪を全て消し去って新しくしてください。今日からあなたに従う者になります。」