祈りの家族への手紙:2009-08

 
 親愛なる祈りの家族の皆様。

 イエスは「わたしにとどまりなさい。わたしも、あなたがたの中にとどまります。」と言われました。「イエスにとどまる」とはどういう意味でしょう。口語訳聖書と新共同訳聖書では「わたしにつながっていなさい。」と翻訳されています。

 今年は10年ぶりに娘夫婦が家族そろってはるばる私たちを訪ねて来てくれました。日頃、手紙や電話で交流を続けていますし、私たちが訪ねて行くこともありますので、いつも気持ちがつながっていて特別なお客様という感じではなく、とてもうれしく一緒に過ごすことが出来ました。いつも心にかけ、祈り、話をし、手紙を書いて親しい関係を持っているからです。

 イエスとしっかりとした関係を保ってつながっていることは、日々の祈りを通して、聖書からイエスの言葉とその教えに親しみ、いつも主を心にとめて生活することです。それによって、イエスがあなたのすぐそばにいてくださることが分かります。

 「枝がぶどうの木についていなければ、枝だけでは実を結ぶことができません。同様にあなたがたも、わたしにとどまっていなければ、実を結ぶことはできません。」(ヨハネ15章4節)

 このようにイエスとしっかりつながっているなら、私たちは豊かな実を結ぶことが出来ます。世の人々が私たちを通してイエス・キリストの姿を見るからです。とは言っても、キリストの姿を一人で完全に表わすことは誰にも出来ません。一人のクリスチャンはキリストの体のごく小さな一部分を表わすだけでいいのです。どんなに小さな部分であっても、皆で全体を表わせば、人々はその中にいてくださるキリストの姿を見るからです。イエスがこの世を去ってからすでに2000年以上過ぎた現代の私たちも、それぞれの時代にキリストの姿を世に表わしてくれたクリスチャンたちによってイエス・キリストの姿を知ることが出来たのです。

 イエスはパンを取り、感謝してこれをさき、弟子たちに与えて言われた、「これは、あなたがたのために与えるわたしのからだである。わたしを記念するため、このように行いなさい」(ルカ22章19節)

 イエスが世を去る日が近づいた時、この世に来られた使命を十字架の死によって果たし、天に帰られた後のことを弟子たちに託すために、イエスは特別な晩餐会を備えてくださいました。その席でイエスは弟子たち一人一人にご自分の体の一部分であるパンの一切れを与えて世に送り出そうとされたのです。その時には彼らはまだ気が付きませんでしたが、主が世を去って行かれた後、迫害によって散らされながら福音を伝えた弟子たちと初代のクリスチャンたちは、離れ離れになっていてもそれぞれがキリストの体の一部分となっていることを自覚するようになりました。神の愛を目に見える姿に表わされたイエス・キリストをこの世に知らせている人々の集まりはキリストの体です。その中心にはいつも主がともにいてくださるのです。

 「ふたりまたは三人が、わたしの名によって集まっている所には、わたしもその中にいる」。 (マタイ18章20節)

 今も世界中のクリスチャンがそれぞれキリストの体の一部分となって、この世に対してキリストの姿を示しつつ、互いに祈り合い支え合っています。体のどの部分が問題や困難に直面しても、体全体が痛むのです。世界中の教会とそこに連なる一人一人のクリスチャンのために祈りましょう。祈りの家族もキリストの体の一部分です。その家族の一人が痛む時、全員が痛み、私も痛みます。ですから、祈りの家族一人一人の悩みや問題のために私は祈るのです。

 数日前のこと、私は野菜をスライスする道具を使っていて不注意にも指先を切り落としてしまいました。ほんの少しでしたが、勢いよく使っていたため完全に切り落としてしまいました。出血が止まらず、激しく痛みました。2時間近くかかってようやく出血が止まったので、切り落としてしまった小さな部分を探して元の所にくっつけて包帯をし、友人のお医者さんに電話したところ、「くっついたのなら大丈夫だけど、念のために抗生物質を出してあげましょう。」と言ってくれました。おかげで今はしっかりとつながって良くなってきました。

 指先をほんの少し切り落としただけなのに体全体が痛み、苦しみました。それは体の総てが一つにつながって互いに助け合い、かばい合っているからです。指の一部分が離れ落ちても、体のほかの部分が「自分には関係ないから」と言って、お構いなしに仕事を続けたら後で大変なことになったことでしょう。痛みを感じ、仕事をやめ、ほかの部分で指を押えて出血を止め、離れた部分を取り戻してしっかりとつなぎ、傷を包み、体全体で必要な処置をするのです。

 あなたは今、どんな痛みや問題を持っておられますか。どうか祈りのリクエストをお送りください。私も体の一部分としてその痛みを感じて、そのために祈りたいのです。

 あなたは今、キリストの体の一部分として、この世に対してどのような役割を果たしたいと思っておられますか。世界を揺り動かすような大きなことでなくてもいいのです。どんなに小さなことでもかまいません。今あなたの心に響いているイエスの教えや、その言葉の一つを、親しい人に伝えてあげることでも、その人の心にいつまでも残る素晴らしいこととなります。その言葉は次の時代の人々の心の中に受け継がれて、幾世代にもわたって残ることでしょう。それが出来るよう祈り合い、励まし合いましょう。

 どうか、イエス・キリストの教えとその言葉を心に満たし、いつも主とつながっていてください。そして、祈りの家族にもつながっていてください。あなたが豊かに実を結び、その実がいつまでも残るためです。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード世界宣教団 

日本主事 桜井 剛