親愛なる祈りの家族の皆様。
今あなたの心にかかっている世界のニュースは何ですか。
今世界で最も注目されている出来事は何か、インターネットで調べて見ました。
カナダのバンクーバーで行われている冬のオリンピックでしょうか。世界中の人々の熱い視線がバンクーバーの競技場に注がれています。
一方では、ハイチで起きた大地震の被害者たちは今どん底生活を強いられ、食料も水も薬も不足して大勢の子どもたちが病気になっています。世界中から救援が届いていますが、あまりにも被害が大きいため、食料が足りない、政府の対応が遅い、と不満が爆発し、食料の奪い合いや略奪の報告まで見ると心が痛みます。
アフガンやイラクでは、治安が回復せず爆弾テロによる犠牲者が増え続け、現地人治安部隊の訓練もままならず、なまけたり、麻薬をやる者すらいるとのこと、いったいどうなるのでしょう。
途上国では貴重な森林が焼き払われて畑にされ、安い石炭を効率の悪い炉で燃やしている国も多く、地球温暖化ガスが増え続けています。資源保護の規則を破って海産物を根こそぎ取る密漁も後を絶たず、これから先の地球がどうなるのか心配です。その上、文明の進んだ21世紀だというのに海賊が出没し民間の船舶を襲う事件が増えています。こんなニュース見ていると、もうこれ以上知りたくないという気持ちになります。人はどこまでも自分中心的になり得るものです。
神はこんなに愚かな人類をどう見ておられるでしょう。今すぐに滅ぼされたとしてもしかたがありません。それなのに、まだ私たちを祝福しようとしておられるのです。現に、私たちは今も数え切れないほど多くの恵みと祝福に囲まれています。
ある大会社の社長さんが自分の自家用ヘリコプターを操縦してハイチの人々に必要な救援物資を届ける奉仕に加わりましたが、その最中に墜落して亡くなったというニュースもありました。恵まれない環境にある人々が立派に自立できるようにと、生涯をささげて教育や産業の指導をしている人々も大勢います。私たちが支援しているニューライフ子どもホームもその一つです。悪いニュースは一切やめて、いいニュースだけしか報道しないテレビや新聞があっても成り立つのではないかと思うこともあります。悪いニュースの溢れる中でさえ、神は恵み深く忍耐深い方です。神が人をお造りになったのは人を裁いて滅ぼすためではなく罪から救い出すためです。
神が御子を世に遣わされたのは、世をさばくためではなく、御子によって世が救われるためである。(ヨハネ3章17節)
愛することは神が本来持っておられる品格(性質)なのです。努力してしぼり出した行ないではありません。ですから、神のなさることは全て自然に愛と調和に満ちたものになるのです。
ところが、人間は与えられた自由意思を自己中心的に用いて罪を繰り返し、神の御心に反することを行ない続けています。なぜなら、人間は生まれながらに罪の性質を持っていて救われなければならないものだからです。ですから、赦されても、赦されても、失敗を繰り返しますが、神はそれでも忍耐して私たちを赦し続け愛し続けておられます。
人類はもっと賢くなれるでしょうか。互いに仕え合い、自分よりも他人のことを第一に考えることが出来るのでしょうか。人類全体の未来のため、特に子どもたちの将来を大切にして、現在の快適な生活と繁栄をあきらめることが出来るでしょうか。今自分が生かされていることの意味を厳粛に受け止めて、地球規模で平和な社会を築くために献身的に働くことが出来るでしょうか。世界のニュースを見る限りそれは不可能のように思えます。
では、私たちの未来には希望はなく、神に喜ばれ、受け入れていただけるチャンスもないのでしょうか。そんなことはありません。希望はあります。それは、人類がもっと進歩発展して、知恵や知識を積み重ねて高度な技術を駆使することによって得られるのではありません。人間の能力を土台にしては築くことは出来ません。献身的な努力や厳しい修練によっても到達出来ません。優秀で特別に選ばれた人にしか出来ないようなものでもありません。
それは、素直な信仰によってイエス・キリストを心に受け入れて、自分の自由意思を神に委ねることによって始まるのです。具体的にはイエス・キリストの教えを土台にして生きることです。このように、キリストの霊を心に持ったひとりひとりから新しい神の国が広がっていくのです。
そこにはこの世の支配力が及ぶことはありません。国境もなく紛争もなく不公平や分けへだてもありません。そこには思いやりがあり、愛があり、永遠の未来があり、希望があります。
神の国は、かつて歴史上にあったけれども、やがて消えていったような地上のキリスト教国を建設することではありません。創造主の完全な支配が被造物である人間ひとりひとりの心の中に始まり、それが伝わって広がっていくものです。
イエスは言われました。
「神の国は、人の目で認められるようにして来るものではありません。『そら、ここにある。』とか、『あそこにある。』とか言えるようなものではありません。いいですか。神の国は、あなたがたのただ中にあるのです。」(ルカ17章20、21節)
神の国はすでに始まっていますが、まだ完成してはいません。自己中心の支配するこの世には対立と争いが絶えません。もし、全ての悪が神の正義によって今すぐ厳しく裁かれるとしたら、私たちを含めて誰が耐えられるでしょうか。けれども、神はひとりも滅びることがないよう忍耐をして待っておられます。自分の力でこの世と戦うのではなく、神の支配に委ねてください。
あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」とイエスは言われました。(ヨハネ16章33節)
イエス・キリストを心に受け入れてその教えに従っておられるあなたは、神の国の一員であり、すでに世に勝利しているのです。世界の情勢がどうあろうと、あなたの周りにどんな困難が押し寄せていようと、神を愛し、神に全てを任せている限り、あなたは神の国の内におられるのです。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛