祈りの家族への手紙:2010-08

 
 親愛なる祈りの家族の皆様。

 あなたの人生の最終的な目標は何ですか。

 今、あなたが一番願っておられることは何でしょうか。平安の中で静かな余生を送ることでしょうか。それとも、自分の目標に向かって最後まで力いっぱい走り続けることでしょうか。

 もしかしたら、あなたはご自分のためには何も願わず、ただ、子どもたちや愛する者たちが幸せであってくれさえすればいいとだけ願っておられるのでしょうか。

 他の人たちの平安と幸せのために、病気の癒しや魂の救いのために祈ることも大切ですが、それは自分と神との関係がしっかりと築かれることによっていっそう有効になるのです。人はそれぞれ、その人と神との関係の中で最善に導かれています。神は一人ひとりを、その人だけのために最も素晴らしいものによって恵もうとしておられます。それを他の人が見た場合、何も特別なもののようには見えないかもしれません。けれどもあなたには、神があなたを大切な人として扱っておられることが分かるのです。あなたがこの世に生れて来たのは、神の恵みの全てがあなたの上に注がれるためです。

 「わたしはどのようにして、あなたを息子たちの中に入れ、あなたに、慕わしい地、諸国のうちで最も麗しいゆずりの地を授けようかと思っていた。」(エレミヤ3章9節)

 ノーベル賞受賞者やオリンピックの金メダルを取る人のように世界的に有名になって自分の才能に特別な自信を持っている人は別として、たいていの人は自分が特別な人間だとは思っていないかもしれません。けれども、本当は誰もが他にはない特別な存在です。もし、そのことにまだ気が付いていなかったら、今からでもそれを知っておいてください。神にとってあなたは特別な存在なのです。

 誰でも「人生というものはいつか終わるものだ」と思っています。確かに、自分以外の人の人生が終わるのは何度も見て来ました。けれども、自分では自分の人生の終わりを見ることは出来ません。自分にとって自分が終わることはないからです。神が備えておられる「ゆずりの地」を授けられるまで続き、そこからもまだ続きがあるのです。ですから、あなた自身と神との間にイエス・キリストによる罪の赦しと救いによって良い関係を持っていることは何よりも大切です。神にとってあなたは特別な存在だからです。

 「あなたがたがわたしを選んだのではありません。わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命したのです。それは、あなたがたが行って実を結び、そのあなたがたの実が残るためであり、また、あなたがたがわたしの名によって父に求めるものは何でも、父があなたがたにお与えになるためです。」(ヨハネ15章16節)

 私はずいぶん長い間、自分が去った後にも世界が存在し続けるということを受け入れられませんでした。自分が死んだら全てが終わり、その後に世界が存在し続けることがどうしても理解できませんでした。「私がいない世界に何の意味があるのだろう。」と思っていたのです。

 けれども、最近になってやっと、それが私なりに理解できるようになりました。

 神はあなたや私のために天地宇宙を想像し世界をお造りになりました。地球上の全ての人とほとんどのものを共有していますが、私にとっては私の生きている間はこの世界は私のためであり、私がいなくなったら、私のものではなくなります。けれども、世界は他の人のために存在し続けることでしょう。たとえ、私がこの世界に生きている間に、他の人たちのために何か良い物を残すことが出来たとしても、それは何よりもまず私にとって良いことだったです。

 この世界で私がかかわりを持って行なったことは全て、神の前に私のものとして残りますが、私がいなくなった後の世界には私のものは何もありません。私はそこには存在しないからです。私にとっては、イエス・キリストと共に永遠に住む新しい世界が始まり、それが私の世界になるのです。これは私の願いでもあり、きっと、あなたの願いでもあることでしょう。

 あなたの人生はあなたに与えられたものであり、あなたが住んでいるこの世界も、あなたのためにあるのです。神は愛の全てをあなたの上に注いでくださいます。ですから先ず、自分のために望みを大きく持ってください。もちろん、自分の事よりも他の人の幸せを願って、そのために祈ることも大切です。誰にもそういう願いはあるのです。私もしばしばそういう願いを強く感じます。もし、あなたが心からそう願うなら、神はあなたのその祈りを、あなたのために聞いてくださいます。ですから、先ずあなた自身と神との関係をしっかりと築いていれば、他の人のためにもいっそう力強い祈りが出来るようになり、その祈りは聞かれるのです。そうして、あなたの喜びは満たされます。使徒パウロは言いました。

 私は決勝点がどこかわからないような走り方はしていません。・・・
 それは、私がほかの人に宣べ伝えておきながら、自分自身が失格者になるようなことのないためです。(コリント第一9章26、27節)

 あなたの望んでおられる人生の目標は何でしょうか。何があなたの人生にとって一番大切であり幸せなことですか。愛する者たちが幸せであることを見届けることがあなたの一番の願いなら、神はそれをあなたのために与えてくださいます。平安の中で充実した日々を送ることがあなたの願いなら、神はそれもあなたのために備えてくださいます。けれども、神にとってはあなた自身が一番大切であって、この世の困難や試練を通る時でさえ、それを神に受け入れられるにふさわしい者とするために用い、最後には永遠の譲りの地に迎え入れてくださいます。

 神は私たちを世界の基の置かれる前からキリストのうちに選び、御前で聖く、傷のない者にしようとされました。(エペソ1章4節)

 それは、私たちがキリストの恵みによって義と認められ、永遠のいのちの望みによって、相続人となるためです。(テトス3章7節)

 ですからどんな時にも、決勝点に立って栄光の冠を受ける時を待ち望んでください。そして、喜びに溢れていてください。最も麗しい譲りの地をあなたに与えることが神の願いだからです。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード世界宣教団 

日本主事 桜井 剛