祈りの家族への手紙:2011-01

 
 親愛なる祈りの家族の皆様。

 あなたにとって聖書はどんな意味を持っていますか。

 聖書は単に一宗教の教理の書ではありません。長い歴史を通して、人類に何かを伝えるために形成された必然的なメッセージがあり、それを具体的な言葉として記録しているからです。その背後には、私たちを創造し、今も愛して導いておられる神の意志が働いています。人間が偶然に生まれてきたのではないのと同じように、聖書も、偶然に歴史の中に出現したものではありません。聖書ははっきりとした目的を持って形成されて来たのです。人が目的を持ってこの地球上に生れて来たのと同じように、聖書の存在にも明確な目的があるのです。

 聖書が形になるまでに1500年の年月がかかりました。その記述にかかわった人々の数は、50人とも60人とも言われています。しかも、その人たちは同じ時代や同じ国に住んでいたわけではありませんでした。それにもかかわらず、伝えている内容は決して矛盾することなく、最初の主題から少しも揺らぐことがありませんでした。それどころか、国が興り支配者が変わり、世界地図が何度も塗り替えられたにもかかわらず、どの時代にも同じ一つのメッセージを貫いて形成されました。聖書は神から人類に提供された約束の契約書です。聖書が「旧約聖書」「新約聖書」と呼ばれているのはそのためです。その契約の成り立ちとそれに対する私たちの対応が、誰にでも分かるように細かく順序だてて書かれています。その契約を一言で言うと、神にそむいている人類をみじめな滅びの結末から救い出して、神のもとに引き上げることです。もし、私たちがこの約束を真心から信頼するなら、神は契約書に書かれている通りその約束を果たしてくださいます。その約束を果たすために、神は莫大な代価を支払ってくださいました。

 あなたは銀行やカード会社あるいは保険会社などと契約を交わす時、小さな字で細かく書かれている契約の内容を全部読んだことがありますか。難しい言葉でくどくどと書かれていて、読んでいても少しも面白くも楽しくもありません。実際、ほとんどの人にとって理解できないような内容です。けれども契約が確実に実行されるためには必要なのです。ですから、会社の存亡にかかわるような大きな契約をする場合には、弁護士などが立会い、契約の内容が確実なものであり、間違いなく履行されることを専門家によって確認してもらう必要があります。

 ところが、神の契約書はまったく違っています。内容が生き生きとしています。その中には歴史の流れがあり、物語があり、詩があり、知恵と教訓があり、親身の警告があり、未来への予告が書かれています。誰が読んでも楽しめる上、読めば読むほど深い感銘が湧き出てきます。ですから、いつの時代にも、地球上にあるどんな書物にも比較にならない多くの読者を持っているのです。それにもかかわらず、その内容は決して軽いものではなく、あなたにも私にも重要な意味を持っている契約です。この世の財産や生命どころか、永遠に関する契約だからです。

 ですから、聖書は人類にとってどうしても無くてはならないものです。そうとしか考えられない出来事がたくさん残っています。あまり多くて全部は書ききれませんが、そのいくつかを取り上げてみます。

 聖書は焼かれ、禁じられ、地上から消されようとしましたが、ますます増え続けています。

 多くの無神論者や学者たちが聖書の間違いを探そうとして批判的に聖書を読み始めました。読んでいくうちにそこに書かれている本当のメッセージに触れて神を信じるようになったという話がたくさん残されています。私の好きな著者のひとり、C.S.ルイスもその中の一人です。

 あるイギリスのお金持ちがこの地上から聖書を抹殺して見せると宣言して、聖書撲滅運動を起こしました。けれども、聖書は抹殺されるどころかますますたくさん出版され、その人の邸宅は今では英国聖書協会の倉庫となって聖書が積み上げられています。

 西洋文明は聖書を土台にして築かれてきました。東洋文明も多くの国と地域で聖書の影響を受けてきました。聖書は1000以上の言語に翻訳され、世界中の人が自分の言葉で読むことが出来るようになっています。そのような書物は他にはありません。聖書は卓越した書物であると同時に、神から全ての人に送られた心に迫る個人的な便りです。

 現代は情報の時代です。私たちが学ぶべきこと知っておくべきことが山ほどあって、どんな賢い人でも、全部を身につけることなどとうてい出来ません。ですから、自分にとって何が大切で必要な事であり、知っておかなければならないかを選択しなければなりません。何をさておいても聖書だけは誰もが一生のうちに必ず読んでおかなければならないと私は思います。

 祈りの家族の皆さんのほとんどの方が聖書に親しんでおられ、一日を聖書のことばによって始める方もおられます。中には毎年一回通読するという方も少なくありません。読み方や読む長さもそれぞれ違っていてもよいのです。自分に合ったやり方で聖書のことばを身近かに置いて親しんでいる事が大切です。神はあなたにも聖書を通して語りかけてくださるからです。

 あなたが聖書のことばによって励ましを受け、その教えによって困難を克服し、希望と平安を得てくださることが私の願いです。そのためには私に出来る精いっぱいを行なっていますが、それ以上に、神ご自身が直接あなたに語りかけ、今あなたが一番必要としていることを行なってくださるよう願っています。あなたが日々聖書に親しんでおられることによってそれが可能になるからです。神が約束しておられる祝福と平安に満ちた人生に加えて「罪からの開放と永遠のいのち」という大きな恵みから誰ひとり漏れることが無いようにと私は願っています。

 今回同封しました暗礁聖句カードは白紙になっていますが、印刷し忘れたのではありません。あなたのために選んだ2011年のあなたの聖句をこのカードに書いていただくためです。(2011年のあなたの聖句はこの手紙の冒頭の右側に青色で書いてあります。)

 どうか聖書を通して、日々、神のことばに耳を傾けてください。神はあなたを愛し、あなたの人生に特別な思いを寄せ、あらゆる機会を通してあなたに語りかけてくださるからです。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード世界宣教団 

日本主事 桜井 剛