親愛なる祈りの家族の皆様。
聖書はどの一節を取り上げても、そこには神から私たちへの語りかけが込められています。聖書のことばの一つ一つが長い歴史の変遷を通し、時代を超えて、今2012年の私たちにも語られているのです。昔語られたのではなく、そのことばを通して今、語っておられるのです。
ですから、この聖句を通して、このことばの背後から語りかけておられる神の声に耳を傾けてください。神があなたに多くのことを語っておられることにきっと驚かれることでしょう。
私に与えられた2012年の聖句は箴言14章27節です。
主を恐れることはいのちの泉、死のわなからのがれさせる。
主を恐れ、主を敬い、その教えに従うことによって、命の息吹が泉のようにこんこんと湧き出てくるのです。死の力はもはや私を恐れさせることが出来ません。そこに、私は神の愛を強く感じます。弱く、恐れを感じやすい、力のない私を、神はこれほどまで気にとめていてくださるのです。「安心しなさい。わたしはいつもあなたとともにいる。」と語っておられる声が聞こえるような気がします。主はこの一年間を通して、この聖句によってまだまだたくさんのことを私に語ってくださることでしょう。
オックスフォード大学の教授で大変有名なC.S.ルイスという人がいます。彼はクリスチャンになる前には無神論者でした。「なぜ、神を信じることが出来なかったのか。」と尋ねられた時、彼の答えはこうでした。
「人をほんのわずかの間だけ地球上に存在させるために、それよりも何億年も前から宇宙を存在させ、人類が滅び去った後も、長い間存在し続けるような大きな宇宙を神が創造するということが信じられなかった。」
「しかも、人の生涯は痛みや苦しみに満ちています。この広い宇宙の中に短い間だけしか生きていない人間を、そのような苦しみと痛みに満ちた生涯のままで終わらせるような神を信じることが出来なかった。」
後にクリスチャンとなった彼は多くの著書やテレビ番組の座談会などを通してクリスチャンの信仰を学者の立場から知的、論理的に伝えました。
その著書の中で、彼は「人は痛みを通して生きていることを実感し、神に近づき、神を知るのであって、痛みのない、単に平坦なだけの人生こそ意味がなく、神との交わりを持つ必要もなくなる。」と言っています。
創造者としての神の偉大さや素晴らしさを語り、それを崇めることは、造られた者にとって当然のことです。その力と知恵の大きさ、宇宙の無限の広さ、神が支配しておられる時間の無限の長さには驚くほかはありません。けれども、このような偉大な方が、小さく取るに足りない、つかの間の人生を生きる私たちのために、地球を宇宙の中で最も美しいところにして住まわせ、私たちとの交わりを求めて忍耐深く語りかけておられることは、もっと驚くべきことです。
この広い宇宙の片隅に、ほんの一瞬の間だけ存在して去っていくであろう私にも神は目をかけてくださっています。今も私に対して、特別な愛を注いでおられるのです。
太陽は膨張し続け、やがて、地球を飲み込んでしまうほどの大きさになります。その後には人間が存在した痕跡さえも何一つなくなると科学者たちは言います。その太陽も、大爆発をして宇宙の塵となってまき散らされます。その塵が気の遠くなるほどの長い時間をかけて集り、また新しい星が出来ることは多くの科学者たちの研究によって知られています。けれども、それから先のことも、また、私たちが、神の造られた宇宙についてどこまで知ることが出来て、それを知るためにはどれほどの時間が人類に残されているのかも誰にも分かりません。
けれども、神が私たちに知らせたいと思っておられるのは、驚くべき宇宙の偉大さや自然の美しさ素晴らしさだけではありません。神が本当に知らせたいと思っておられるのは、それら全てが私たちのためであり、私たちとの交わりを持ちたいと願って語りかけておられる神の愛です。
私たちの心の奥底には神を愛し、神を慕う思いが秘められています。人は誰でも偉大なものへの畏れの念を持っています。自分の魂を永遠に支えてくれるものを求めています。そういう尊い心をありきたりの偶像や迷信で満たしてはなりません。私たちの内にある神を慕う心はもっともっと大切で価値のあるものです。それは私たちひとりひとりの心の中にある神を慕う思いです。神はそれを呼び覚まそうと語りかけておられるのです。神のことばである聖書の一節一節の中に私たちへの神の語りかけが秘められています。
2003年5月に地球から発射されたはやぶさは遠い宇宙を旅しているうちに、地球からの信号を受け取ることが出来なくなりました。日本の科学者たちがはやぶさを地球に連れ戻そうと知恵と技術を尽くして遠い宇宙のかなたに向かって懸命に信号を送り呼び続けました。皆さんもよくご存じのように、ついにその信号ははやぶさに届き、幾多の困難を乗り越えて無事、奇跡的に地球への帰還を果しました。はやぶさは遠い星のデーターを集めて送って来ただけではなく、地球から遠く離れている星のかけらを採取して一緒に持ち帰ったのです。
かつて、私たちは神から遠く離れて、神の声を聞くことも、その声に応答することも出来なくなりました。けれども、福音のメッセージによって神の声が何とか私たちにも届いたのです。聖書のことばを通して日々神の声を聞き、神の呼び声に従って神のもとに帰りついてください。そして、神から遠く離れてしまった大切な人を一緒に神のもとに連れ帰ろうではありませんか。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛