親愛なる祈りの家族の皆様。
あなたが持っておられるいのちは素晴らしいものです。
イースターとともに春の勢いが一度に押し寄せてきて、生きていること、いのちがあることの素晴らしさと力強さを感じさせられます。いのちとは本当に不思議なものです。生きているからこそ、この自然の中で美しいいのちの躍動が見られるのです。
アメリカの航空宇宙局(NASA)の1部門に、宇宙飛行士が長時間宇宙で過ごすことによって起こる身体的、精神的な影響を調べる研究所があります。その研究所で一緒に訓練に参加していた一人の記者が研究所の内容を報告書のように紹介した本を読む機会がありました。
莫大な費用をかけて宇宙船と同じように作り上げた金属とガラスなど人口の機材だけで作られた空間で、宇宙飛行士たちは何日も、時には何カ月も過ごします。彼らは数人の仲間と一緒に、模擬の宇宙空間に閉じ込められて、宇宙にいる時と同じように決められた仕事を毎日行ないます。高度な教育を受けた科学者であり、医者であり、技術と経験を積んだ飛行士たちです。与えられた仕事は、どんなに難しい課題でも機械のように正確に間違いなくやることが出来るようになります。けれども、彼らにとって一番難しいことは、他の人を信頼して仲良くやって行くことだそうです。宇宙ではお互いを信頼していなければ分担して受け持つ難しい任務を果して安全に帰還することは出来ません。それが一番難しいことだと言うのです。ところが、宇宙から帰って来た時、彼らは「仲間を信頼していました。」と強調します。そう言えるようになるまでには、危険がいっぱいの宇宙で、自分のいのちを託して決められた仕事をやりとげるために彼らがどんなに努力してお互いを信頼するように、また、信頼されるように努めたことでしょう。彼らの訓練中の記事を読むとそれがよく分かります。機械ではなくいのちを持っている人間が人間を信頼し仲良くやって行くことは、本当に難しいことですが、同時に本当に素晴らしいことでもあります。
機械ではない、いのちを持った人間には自由意思があります。相手を信頼することも、信頼を裏切ることも自由です。そういう中で、信頼されるような誠実さを養うことに努め、相手を信頼して行動することによって、人と人との素晴らしい関係が生まれてくるのです。
この本の中でもう一つの出来事が私の心に残りました。それは、数か月の過酷な訓練を終えた宇宙飛行士たちが一緒に公園を散歩していた時の出来事です。宇宙では経験できなかった、大地を踏みしめることの嬉しさ、地面が下にあり空が上にあることの安心感、緑があり、花が咲いていること、小鳥の声、水の流れなどごく普通のことがどんなに嬉しく幸福感を与えてくれるかを話し合っていました。私たちが忘れがちなごく当たり前のことが、いのちの活動の素晴らしさを実感させてくれるのです。その時、お母さんが赤ちゃんを乗せた車を押して散歩しているのを見かけました。彼らは新しいいのちへの感動を抑えきれず「赤ちゃんだ!」と叫んで駆け寄って行きました。それを見たお母さんはとっさに赤ちゃんを抱えて逃げ出したそうです。もちろん、同行していた警備員が事情を説明して、驚かせてしまったことをお詫びしました。私たちがいつも普通に見ているいのちの活動が実はどんなに素晴らしい特別なものであるかを知らされます。
今年のイースターは4月8日でした。イエス・キリストがよみがえられた日を記念するイースターが毎年春とともにやって来て、自然界のあらゆるものを通していのちの息吹を感じさせてくれます。いのちがあるということは本当に不思議なものです。私たちに与えられているいのちの素晴らしさとともに、イエス・キリストにあるもっと素晴らしい永遠のいのちについて考えさせてくれます。
あなたもいのちを持っておられます。そればかりではありません。あなたにはイエス・キリストにある永遠のいのちが約束されています。
年を重ねてくると、同年輩の多くの仲間たちが体の不調を訴えたり、治療を受けたりしていることを聞かされます。私たちの地上のいのちには病気や老化がつきものです。祈りの家族の中にも、病を負って苦しい毎日を過ごしておられる方がおられます。その方が一日も早く元気な体になられるよう切にお祈りしています。感謝なことに、今のところ私は薬や治療を必要とするような大きな病気はありませんが、年齢を感じさせられることは避けられません。どんなに元気であってもこのいのちでは永遠には生きられないということを実感させられます。確かに今のいのちも素晴らしいのですが、いつか必ず終わりの時が来ます。世と世に属するものは滅び去るのです。
けれども、決して心配はいりません。神の賜物は永遠に残るからです。その時は新しいいのちの始まりの時だからです。私たちを愛し、いのちのある生きものとして創造してくださった方は、私たちのために新しいいのちをも用意してくださっているのです。神は私たちがこのまま滅び去ってしまうことを決して願ってはおられないのです。
イエスは言われました。
「わたしを遣わした方のみこころは、わたしに与えてくださったすべての者を、わたしがひとりも失うことなく、ひとりひとりを終わりの日によみがえらせることです。事実、わたしの父のみこころは、子を見て信じる者がみな永遠のいのちを持つことです。わたしはその人たちをひとりひとり終わりの日によみがえらせます。」(ヨハネ6章39、40節)
私たちが今感じているいのちの躍動は確かに素晴らしいものです。誰もが感動します。けれども、イエス・キリストを神の子として信じる者が受けようとしているよみがえりと永遠のいのちの力を実感する時には、さらに大きく比べ物にならない驚きと感動が待っていることでしょう。
それを私たちのために用意してくださっている神は、私たちを特別に愛してくださっているに違いありません。それを考えると、今どんなことがあろうとも勇気が湧いてきます。今あるこのいのちも最後まで精一杯生き抜こうではありませんか。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛