親愛なる祈りの家族の皆様。
私は祈りの家族の皆さんの毎日が感謝と喜びに満たされていることを願っています。けれども、現実には必ずしもいつも感謝と喜びばかりではないことも知っています。
私たちの人生にはしばしば辛いことや困難もやってきます。今その只中にある方もおられます。
長引く不況、次々とやって来る災害、自分自身や家族の中に問題や心配事があるとき、私たちは不安や絶望におちいりそうになることがあります。
けれども、そういうときこそイエスの言われたことばを思い起こしてください。
「わたしがこれらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を持つためです。あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」(ヨハネ16:33)
「困難がやって来たときも、慌てふためいて意気消沈しないで勝利者のように元気を出しなさい。なぜなら、わたしはこの世がもたらすさまざまな問題の原因となっている罪に打ち勝ったのだから、私と共にいるあなた方も共に勝利するのです」とイエスは言っておられるのです。
勝利者はいつでも楽な道ばかりを歩いているでしょうか。いいえ、困難と闘うからこそ勝利者となるのです。ですから「勇敢でありなさい」とイエスは言われるのです。意気消沈するのは困難がやって来たとき戦う前に負けを意識してしまうからです。どうか勝利を意識してください。
イエスはすでにこの世の全ての問題に勝利されました。死さえも打ち破って復活されたのです。ですから、イエスと共にいるあなたも、必ずイエスと共に勝利します。その勝利を意識すべきです。
勝利を意識する力強い原動力となるのが「忍耐」です。イエスは言われました。
「最後まで耐え忍ぶ者は救われます。」(マタイ10章22節、24章13節、マルコ13章13節)
しばしば、忍耐は私たちを力づけ、励まし、立ち直らせてくれます。時には、そこから予想以上の素晴らしいことが始まることもあります。
皆さんは火傷をしたり打撲傷を負ったりしたときどのような応急処置をなさいますか。今では、冷たい水で冷やすことが一番良いとされています。確かにその効果は抜群です。
火傷や打撲を負うと私たちの体はそれを直すために過剰に働いて血液を集中させ、修復に必要な物質をたくさんそこに集めてしまいます。するとその部分が腫れ上がり炎症となって組織を破壊してしまうので、直るのにかえって長い時間がかかってしまいます。それを防ぐためには、血液が集まり過ぎないよう冷やすことが効果的で、直りが早くなると言われているのです。
私たちが困難に直面する時にも同じようなことが起こります。心配し過ぎ、慌てふためいて余計なことをしてしまい、かえって状況を悪くしてしまうことがあります。忍耐することによって冷静に状況を見定めると案外解決が早いものです。忍耐には状況を改善する特別な力が秘められています。希望を持って忍耐するとき忍耐は私たちを成長させ困難さえ良いものに変えてくれます。
忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。
この希望は失望に終わることがありません。なぜなら、私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです。(ローマ5章4、5節)
私たちの心には神の愛が注がれているのですから、私たちはもう何も心配する必要はありません。最後にはイエスと共に勝利者となるからです。
イエスは言われました。
「あなたがたは、忍耐によって、自分のいのちを勝ち取ることができます。」(ルカ21章19節)
神は私たちが喜びと平安のある人生を送ることを願っておられます。けれども、生れて一生を終わるまで、何の問題も経験することなく、ただ平坦な人生を送ることが幸せとは限りません。
生れることにも、生きることにも、また、死ぬことにも精神的にも肉体的にも苦痛が伴ないます。けれども、そこには喜びがあり、感動があり、満足と平安が伴なうのです。
子どもを育てることの苦労は並大抵ではありませんが、たいていの親たちはその苦労を振り返ったとき、それが大きな喜びに変わっていることに気づくのです。苦労を経験しないことが幸せとは限りません。人は苦労があるからこそ喜びを感じるのです。困難に立ち向かうことに生きがいを見出すのです。
今も多くの方が健康の問題で悩んでおられます。私たちは体の弱さを感じる時、一番不安になります。ですから、イエスはことさらに病気で苦しんでいる人々を憐れみ、癒してくださいました。けれども、病気や貧困が地上からいっさいなくなるようにはなさいませんでした。私たちが地上で弱い肉体を持って生きている限り、病気や弱さと向き合うことは避けられません。しかし、勇敢であってください。イエスがあなたとともにいてくださり、病気を癒し、問題を解決に向かわせ、助けてくださいます。神を愛する人々が病気や苦しみから解放されることは神の御心です。神が私たちを見捨ててはおられないことのあかしです。
困難が大きければ、成し遂げた時の喜びも大きいのです。
ノーベル賞を受賞した山中教授は、研究費のあまり多くない日本で大変苦労をなさったそうです。けれども、その苦労は報われました。そして、家族にもまた研究者仲間にも感謝の気持ちを惜しみなく表していました。これからも研究の苦労は続くことでしょう。感謝もまた続くことでしょう。
山中教授が「まだ遠いが、ゴールが見えてきた」と言っておられたのが印象的でした。
苦労のない人生はどこにもありません。苦労をしていない人はいません。今あなたもきっと何かの困難を負っておられることでしょう。けれども、どうか勇敢であってください。忍耐は決して無駄にはなりません。その困難を喜びに変えることができるのです。あなたが経験する苦労の中にもゴールは必ず見えてきます。勝利者であるイエスがいつもあなたと共にいてくださるからです。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード祈りの家族
桜井 剛