祈りの家族への手紙:2013-05


 親愛なる祈りの家族の皆様

 5月には色々な記念日があります。労働者の祭典や憲法記念日、子どもの日や母の日も5月です。
 クリスチャンにとっては5月にもう一つ大切な記念すべき日があります。それはペンテコステの日です。今年のペンテコステの日は5月19日です。

 ペンテコステはクリスマスやイースターとは違い、一般にはあまりなじみがないかも知れませんが、キリスト教の歴史の中では大変意味のある日です。その日を境に、イエスに従っていた人々に大きな変化が起きました。臆病だった弟子たちが力を受けて、大胆にイエスの教えを人々に伝え始めました。聖霊が私たちとともにいてくださる新しい時代が始まったのです。

 もし、あなたが今、差し迫った困難や問題のために恐れや弱さを感じておられるとしたら、神はあなたにも大きな力を与えようとしておられることを思い起こしてください。

 ペンテコステは五旬節とも呼ばれ、新約聖書、使徒の働き2章に書かれています。イエスが復活して天に帰られた後、残された人々が迫害を恐れて一緒に集って祈っていた時、突然大きな音とともにそこにいた人々の上に聖霊が臨みました。

 五旬節の日になって、みなが一つ所に集まっていた。すると突然、天から、激しい風が吹いてくるような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。また、炎のような分かれた舌が現われて、ひとりひとりの上にとどまった。すると、みなが聖霊に満たされ、御霊が話させてくださるとおりに、他国のことばで話しだした。(使徒の働き2章1-4節)

 弟子たちは、イエスが一緒におられた時は、律法学者やパリサイ人たちからの挑戦や迫害を恐れる必要は全くありませんでした。どんな意地悪な質問にもイエスが見事に答えてくださったことや、病人の癒しや奇跡の数々も見て来ました。イエスが一緒におられる限り何も恐れることはありませんでした。けれども、イエスが去って行かれた後は、自分たちを誰が守ってくれるのか、迫害にはどう対処すればよいのか、これからどうなって行くのか、不安と恐れでいっぱいでした。

 彼らは隠れるように小さくなって、みなが一つ所に集って祈っていました。そこに、聖霊が臨みました。すると、そこにいた人々は力を受けて外国のことばで大胆に神の業を語り始めたのです。

 それがどんな出来事だったのかは、聖書にくわしく書かれています。その日からの弟子たちは大きく変わりました。何も出来ないで、ただ迫害を恐れて小さくなって隠れていた弟子たちが、大胆にイエスの教えを人々に伝え始めたのです。何も恐れなくなりました。そればかりではありません。使徒の働きを読み進んで行くと、イエスがともにおられた時のような癒しと力強い奇跡が弟子たちによって行なわれたことが記録されています。

 迫害や困難が無くなったのではありません。イエスに従っていた人々への迫害はその後も続き、むしろますます激しくなって行きました。多くの人々が信仰の故に捕えられたり殉教の死を遂げたりしました。住むところを追い出されて、まわりの町々に散らされて行った人々もいました。それでも、彼らは行く先々で喜びにあふれてイエスの教えを伝えていきました。

 弟子たちが経験した聖霊による励ましは、弟子たちだけに限られているのではありません。また、聖霊は外国のことばを話すことや福音宣教のためだけに与えられるのではありません。私たちの毎日の生活においても、感謝と喜びをもってイエスに従って生きるには聖霊の助けが必要です。

 あなたも当時の弟子たちと同じようにすでにイエスの霊を受けています。イエスを信じた時に、あなたは聖霊を心にお迎えしたのです。

 あなたがイエスを信じ、イエスの教えを心にとめ、イエスを愛する心を持っておられることが、聖霊があなたの心に住んでおられるあかしです。ですから、困難に直面したとき、イエスの名によって神に祈ることが出来るのです。私たちはみな神の恵みによって生かされています。私たちの人生のすべてはその御手によって守られています。神を愛し信頼する故に全てが益となるのです。

 けれども、私たちはしばしば与えられた恵みを十分に活用できないことがあります。日々の恐れや心配が妨げとなるからです。それでも、聖霊が力強く私たちに臨むとき、イエスの教えを思い起こさせ、私たちの心をふるい立たせてくださいます。

 わたしが父のもとから遣わす助け主、すなわち父から出る真理の御霊が来るとき、その御霊がわたしについてあかしします。(ヨハネ15章26節)

 聖霊があなたの心に住んでイエスを示し続けてくださるなら、イエスがいつもあなたとともにおられるのと同じです。

 聖霊によって弟子たちは恐れから解放されました。イエスと一緒にいた時のように、キリストに従う者としての本来の力を発揮することが出来るようになりました。

 聖霊はあなたの目を開かせて、神が願っておられる生き方に導いてくださいます。イエスとともに生きる者に平安と力が与えられることは、イエスを信じるすべての人への約束です。私たちは聖霊によってその約束を何度も思い起こさせていただく必要があります。

 イエスは弟子たちのもとを去って行かれる最後のときにこう言われました。

 「わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」(マタイ28章20節)

 イエスが約束されたように、聖霊はいつもあなたとともにいて、あなたを助け、慰め、イエスのように生きる力を与えてくださいます。聖霊は生きておられる神ご自身なのです。

 もう何も恐れる必要はありません。あなたの神はどんな時にもあなたとともにいてくださいます。それを知ってあなたの心が燃え、平安と喜びに満たされますようにと私は祈っています。それこそ、あなたに対するイエスの願いだからです。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード祈りの家族 

桜井 剛