祈りの家族への手紙:2014-12


 この一年間、手紙に返事をくださり、祈りのリクエストを送ってあなたのために祈る特権を与えてくださってありがとうございました。皆さんから送られてきた祈りのリクエストを一つ一つ手に取って、そこに書かれている祈りの課題を通して、皆さん方がどのような気持ちでその問題と向き合って毎日を送っておられるのかをいつも心にとめていました。

 祈りの家族の中には、重い病気で苦しんでおられる方や、病気のご家族を抱えて心配しながら毎日を過ごしておられる方が少なくありません。そういう方々には精神的な辛さも将来への不安もあることでしょう。現実に経済的な心配も伴っているに違いありません。特別に私の心にかかっている方々は一人や二人ではありません。大勢おられます。そのお一人お一人が、主の憐れみと助けによってその困難を克服なさるよう心から願わずにはいられません。その重荷が私の心にも重くのしかかってきます。パウロはこう言っています。

 だれかが弱くて、私が弱くない、ということがあるでしょうか。だれかがつまずいていて、私の心が激しく痛まないでおられましょうか。(コリント人への手紙第二11章29節)

 もちろん私はパウロの足元にも及びませんがその気持ちはよく分かります。健康の問題、家族のこと、仕事のこと、人間関係の悩みなど、その問題の一つ一つを見つめていると、その方の苦しみがひしひしと伝わってきます。けれども、問題を見続けないで、すべてを支配しておられる神に目を向けてそのことのために祈ることによって心配ごとが私の心からとりのぞかれて行き、希望が持てるようになります。私には何も出来ないのですが、私が信じて頼っている主は、御心ならどんなことでもお出来になるからです。主に一切の重荷をお任せして、毎日自分に出来ることや自分がやるべきことを一つ一つ忠実に実行していれば、やがてきっと道が開かれてきます。

 どんな時にも主に信頼してさえいれば、無力な私が心配し続けなくてもいいのだ、ということをあらためて教えられます。

 あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。(ペテロの手紙第一5章7節。)

 もちろん、一方ではこの一年間を神の恵みと祝福の中で感謝にあふれて毎日を過ごしてこられた方々も大勢おられます。そのお便りにふれるときは私の心も喜びに満たされます。自分のことのようにうれしくなります。そのように神の恵みをしっかりと受け止めて喜んでいる方がおられるのを知ると本当に励まされます。人生に何も問題のない人などひとりもいません。大きいか小さいかは別として、誰の人生にも困難や痛みや悲しみはつきものです。けれどもあえて喜び感謝すべきことに目を向けて主をほめたたえる姿はとても感動的です。

 いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい。
 これが
、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです。
(テサロニケ人への手紙第一5章16-18節)

 互に重荷を分け合って祈るだけでなく、喜ぶ時にも一緒に喜んでいただきたいのです。神の恵みを経験する喜びを一人だけにとどめておいてはもったいないと思うからです。今は困難があっても、心配事は一切神にお任せして、喜ぶ時にはみんなで一緒に神に感謝して喜ぶことを学ぼうではありませんか。

 神が与えてくださった一度だけの人生のすべてを神に感謝しつつ喜んで過ごさなければ申し訳ないからです。やがて与えられようとしているもっとすばらしい永遠の住まいでは、一切の心配がなくなり、祈りの家族の皆さん共々大いに喜びつつ過ごすことが出来るのです。私たちは最後までご一緒に永遠への歩みを完成する信仰の友です。私たちの目標は「永遠の時」にあるからです。

 今の時のいろいろの苦しみは、将来私たちに啓示されようとしている栄光に比べれば、取るに足りないものと私は考えます。(ローマ人への手紙8章18節

 年の終わりが近づいている今、もう一度思い起こしてください。
 クリスマスは、イエス・キリストが私たちと同じ痛みも苦しみも悲しみも理解できる弱さを持った人間として生まれてくださったことを記念する時です。

 イエス・キリストはあなたや私の悩みや苦しみのすべてを知っておられることを心にとめおいてください。イエスは40日間の断食の後、飢と乾きを経験なさいました。ユダヤ人の指導者たちからは何度も付け狙われてひどい仕打ちを受けて苦しめられました。人を極限まで痛めつけるむち打ちの刑、最もむごい十字架刑による死さえも経験してくださいました。私たちのすべての痛みや苦しみの源である罪を十字架の上でご自分のいのちという代価によって、取り除くために死んでくださったのです。

 けれども、それで終わりではありませんでした。イエス・キリストは死を打ち破って復活なさったのです。私たちにとって最後の痛みであり苦しみであり恐れでもある死を打ち破ってくださったのですから、もう恐れることは何もありません。

 イエスはあなたの病気の苦しみを知っておられます。経済的な困難もごぞんじです。心にかかる心配ごとも、寂しさも、将来への不安も、すべて知っておられます。ですから、それらをみなイエスの手にお任せして感謝しようではありませんか。死を打ち破って復活してくださったイエスが私たちの神であり救い主であることを喜ぼうではありませんか。それを実践することによって、私たちが感謝し喜ぶことが思いのほかたくさんあることにきっと気づくでしょう。

 そこで、お願いがあります。あなたが祈りのリクエストを送ってくださるときには、祈ってほしいことに加えて、感謝したいことも書きそえてください。どんなに小さなことでもかまいません。神はあなたの心を見てくださるからです。私も、あなたが悲しみの人になるのではなく感謝の人になってほしいからです。

 間もなく始まる2015年があなたにとって素晴らしい年になることを祈っています。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード祈りの家族 

桜井 剛