親愛なる祈りの家族の皆様。
今月、私は「今のご自分を大切にしてください。」と申し上げたいと思います。なぜなら、神が特別に愛しておられるあなたは、この世界にふたりとはいない大切な人だからです。
神が創造なさった宇宙がどんなに大きくどんなに美しいもので満ちていても、それらは初めから決められた通りの法則に従って少しの狂いもなく動き変化して様々な美しい情景を決められた法則の通りに表しているのです。自発的な意志によって創造主に従っているのではありません。
最近私は地球の氷河期に削り取られて、海からそびえ立つ雄大な崖を間近で見る機会に恵まれました。それはフィヨルドと呼ばれていて、それが出来上がる美しい自然現象は条件や順序がはっきりとしています。深い谷もそびえ立つ岩も自然の力のままに自分の姿を見せているのです。
けれども人はそれとは違い、自分の意志で行動します。どんなことでも自分の自由意志によって行動します。創造してくださった方に感謝することも、何かを願うことも、時には不平をぶちまけることさえも自分の意志で行なっているのです。神はあなたをそのように創造なさり、愛をもって正しく導いてくださるのです。神はあなたがロボットのように命令通りに動くことではなく、自由意志で神をあがめ、愛し、敬うことを願っておられるからです。神はあなたを特別に心にかけておられるのです。ですから、何があっても怖くはありません。何が起こっても見捨てられることはありません。それなのに、なぜ私たちは悩みや苦しみを経験するのでしょう。
あなたは今のご自分をどのように感じておられますか。素晴らしい人生を与えられて感謝でいっぱいですか。それなら私もご一緒に感謝したいと思います。いや、苦しいことばかりで何も良いことがないと思っておられますか。一日も早くそこから脱却して平安が戻ってくるようお祈りします。
確かに人生には思いがけない大きな災難がやって来ます。最近も、多くの人が災害に見舞われてとても苦しい思いをしておられます。あなたの地域は大丈夫でしたか。
困難を克服するには大きな苦労がともないますが、どんなに苦しくてもあきらめてはいけません。周りの人々の助けや、神から与えられた知恵や力を活用すれば人は思いがけないほど強くなれるものです。そのようにして戦後70年を生き抜いてきた方々を私は大ぜい知っています。神は決してあなたをお見捨てにはならず、あなたの力以上の困難をお与えにはならないからです。
あなたがたのあった試練はみな人の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。(第一コリント10章13節)
神はあなたが直面しておられる状況を全て知っておられ、困難を克服したときの喜びであなたの人生を満たしてくださることでしょう。さらに、それをあなたの内なる人を育てる栄養にしてくださるのです。神がこれほどまで心にかけてくださるあなたをどうか大切になさってください。
スポーツの選手たちが、激しい競争や戦いを経験した後でテレビや新聞のインタービューに答えてこう言うのをよく耳にします。「頑張った自分を褒めてやりたい。」「自分を信じて力を出し切ることができた。」確かに、健闘を称え、頑張ったことを褒めてあげることは良いことです。
けれども、聖書が教えている私たちの本質は、また、私が今月皆さんにお伝えしたいことはそれとは少し違います。誰よりも努力して磨き上げたわざや、人よりも優れた技術や才能は素晴らしいことですが、それがその人の全てではありません。やがて過ぎ去って行くものです。神が造られ大切にしてくださっている私たちの本質は一時的に発揮される能力ではなく永遠に残るものです。
たとえ何もかもうまく行かず失敗ばかりが続くことがあっても、また体が弱く病気がちなために何ひとつ思い通りにできないとしても、それでその人が大切ではないとか、愛されていないということはありません。神があなたに与えられた絶大な価値は永遠に変わることはないからです。
たといスポーツや音楽やその他の技術に秀でていないとしても、多くの人々に役立つ素晴らしい物を作り出す才能はないとしても、神を信じ従うあなたはかけがえのない大切な神の宝です。
私はまだ若かった頃、死ぬことがとても怖いと思っていました。「人はなぜ死ななければならないのだろう。」もちろん、その時は、答えを何も見出せませんでした。ただ、自分がいなくなってしまうこと、死んでしまうことが理解できず、誰にも頼れないことが恐ろしくてなりませんでした。
人は罪によって神との関係を失ってしまいました。ですから、中途半端でどこにも確かな場所を見出すことができず、本当の平安が持てないでいたのです。神は失われた関係を取り戻すために、イエス・キリストをこの世に送り、十字架刑によって私たちの罪の代価を引き受けて取り除いてくださいました。こうして私たちと神とを隔てていた罪という垣根がなくなり、神との正しい関係が回復されたのです。私たちと造り主とを隔てるものはなくなりました。神にとって私たちはそれほど大切な存在だったのです。
かつて、私はテレビ番組「明日への希望」を放映する責任を持たされていました。毎月テレビ局に支払わなければならない放映料は莫大なものでした。今月は何とか支払えたけれど、来月の保証はありません。毎回が綱渡りの連続でとても苦しい毎日でした。そこで、友人の宣教師に「毎月がとても大変なのです。次はどうなるかわかりません。これでよいという確かなものはないのでしょうか。」と言うと、彼は笑顔でこう答えました。「確かなものなんて初めから何もないんだよ。」
それでも、神がともにいてくださり、多くの人々の助けによって福音のメッセージを伝え続けることができました。神がともにいてくださることほど確かなことは何もありません。
私たちの周りには「これは確かだ」「これさえあれば大丈夫」と言えるようなものは何もありません。けれども、神を味方に持っている私たちに敵対できるものは何もありません。神のお許しがなければ私たちの上にはどんなことも起こりません。神にとってあなたは世界中の何よりも大切な存在だからです。
あなたを創造し、あなたを救ってくださり、あなたを最高に良いものへと造り上げて、最後にはその御許に引き寄せてくださる方への信仰をしっかりと心に持っていてください。
わたしのところに来る者を、わたしは決して捨てません。(ヨハネの福音書6章37節)
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード祈りの家族
桜井 剛