祈りの家族への手紙:2017-01


 親愛なる祈りの家族の皆様。

 ご存知ですか、2017年はこれから始まるあなたの生涯の最初の年です。そういう意味ではあなたの人生はこれからです。ですから、過去のことにはこだわらず、これからの生涯をどのように素晴らしいものにしていけるかを考えようではありませんか。あなたの心を素直に神に向けて、主に頼る者の人生を新しく生まれたものにしてくださるイエス・キリストの恵みをしっかりと受け止めて前進してください。過去のものは過ぎ去って全てが新しくなるのです。

 だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。
(コリント人への第二の手紙5章17節)

 キリストのうちにある者が新しくされることは、過去と同じものが新しくなって始まることとは違います。キリストの聖さと正しさの根源となるものを与えられて新しく造られるのです。聖書はそれを「永遠のいのち」とも「神の国の支配」とも言っています。イエスも「わたしが与えるいのち」と言い、永遠のいのちと深くかかわりを持っていることを示唆なさいました。聖書も、イエスご自身も、いろいろなことばで私たちにその奥義を伝えてくれているのです。なぜこのように念を押すように繰り返し強調して語られるのでしょう。それは人知では理解しきれない神の特別な賜物を、聖書のことばの一節一節によって私たちに保証するためです。

 また、神のみことばは神からの一方的なものであってはなりません。それに応答する者がいてこそ意味があります。神は私たち一人ひとりにご自分が語りかけたことばに対して果たすべき分を与えておられるのです。

 例えば、私は皆さんからの祈りのリクエストを受け取るたびに、その重荷や痛みをともに味わい、そのために果たすべき分を果したいと願います。なぜなら、私も私のために祈り、私が負っている重荷を共に負ってくださる方がおられることを知っているからです。

 するとどうなりますか。あなたが祈りのリクエストを送ることによって、あなたが今経験している困難はもはやあなただけのものではなく、それを受けとめて祈り始める人のものともなるのです。そのために祈るとき、「互いの重荷を負い合い、キリストの律法を全うしなさい」という聖書のことばは実際に私たちの間で働き始め、生きたものとなります。

 互いの重荷を負い合い、そのようにしてキリストの律法を全うしなさい。
 (ガラテヤ人への手紙6章2節)

 私たちはそのように互に重荷を負い合うように造られていることを言葉以上に実感するのです。永遠のいのちという、言葉では到底表しきれない大きな喜びにも共にあずかるためです。

 聖書のことばは、長い人類の歴史を通して神が私たちに語りかけておられることばであり、人類へのメッセージです。その全てをひとりで知り尽くすことは誰にも出来ません。けれども一人ひとりがその一部分を受けとめて時間をかけて繰り返して学ぶことによって、その深い真理の一端を感じ取り、人類全体で神からのメッセージの全体をしっかりと受け取って、それを次の世代に正しく伝えていくことができるのです。神はそのつとめに加わる一人ひとりに大きな恵みと喜びを与えてくださいます。

 ですから、2017年にあなたに与えられた聖句も、私たちには理解しきれない特別な賜物の一端であり、神が私たちに伝えていることばの一部分としてあなたに託されたものです。しっかりと心にとめてその恵みを受け取ってください。

 私がアメリカの聖書神学校で学んでいた時、あるクラスで教授が、「一人ひとり、自分が学びたいと思っている一つの聖句を選んで、それをこの半年間のクラスで出来る限り深く掘り下げて学び、それをまとめて提出しなさい。」と言いました。

 私も一つの聖句を選んで図書館に行ったところ、その言葉に関係する書物が山のようにあって、半年どころか一生かかっても到底読み切れないことに気が付きました。そのとき「人類はこの短い歴史の中でも、神のことばを多くの人が一生懸命深く掘り下げて学び、次の時代に伝えようとしてきたのだ」ということに気付きました。

 けれども、それは学問的な領域という一端にすぎません。ほかにも、信仰の実践的な領域というさらに広い分野があり、私たちの生活の中で活用することが一人ひとりに託されています。

 私たちはそれを2017年の一年間を通して成し遂げようとしているのです。

 今回私に与えられた聖句は「今の困難は私たちの内に働いてはかり知れない重い永遠の栄光をもたらす」という、コリント人への第二の手紙からです。私もこれからその深い意味を私なりに掘り下げていきたいと思っています。どうかあなたもそうなさっていください。

 この一年間に成し遂げたいこと、願っていること、新しく始めたいことがたくさんあるかもしれません。しかしまず最初に、与えられた聖句を手がかりに神に近づく新しい一歩を踏み出してください。そうすれば、神がともにいて、日々あなたの歩みを導き、充実した一年を与えてくださるに違いありません。

 あなたは愛されているからです。

レックス・ハンバード祈りの家族

日本主事 桜井 剛