祈りの家族への手紙:2017-03


 親愛なる祈りの家族の皆様。

 私は毎年新しい手帳の最初のページの冒頭にこう書くことにしています。

 「宇宙の年齢は138億年、地球は45.4億年、私はわずか77歳。」

 人生の短かさと大切さを自分自身に言い聞かせるためです。私はこの病気になって改めて人間の命について深く考えさせられています。ある意味ではとても短くはかないものですが、同時に、とても大きな価値と意味を持っているとも言えます。

 あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、人とは、何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とは、何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。(詩篇8篇3,4節)

 神のなさることは、すべて時にかなって美しい。神はまた、人の心に永遠への思いを与えられた。しかし、人は、神が行なわれるみわざを、初めから終わりまで見きわめることができない。(伝道の書3章11節)

 宇宙の大きさと歴史の長さに比べて私たちの齢は何と短く、あっという間に過ぎ去ることでしょう。けれども、短いからといって意味がないわけではありません。永遠から永遠まで存在しておられ宇宙の創造者でもあられる神を思う心を与えられています。永遠を思う心があるからこそ私たちはその一瞬一瞬に全力を尽すことができるのです。イエス・キリストを知っている私たちは神について一方的に考えたり思ったりするだけではなくなりました。イエス・キリストを通して神が私たちと交わることのできる道を開いてくださったからです。それは、万物の創造主であられる方が被造物である私たちと交わることを切に願っておられたたからです。

 地球上にほんのわずかの間しか生きていない私たちですが、地球だけでなく地球よりもはるかに大きい宇宙を創造し、全てを支配しておられる神を知り、恐れることなく神と親しく交わることができるとはなんと大きな恵みでしょう。それは、イエス・キリストがこの世に来てくださって、私たちと神との間にある大きな妨げを取り除いてくださったことによって可能になったのです。

 それまでは、人は神を思う心は持っていても、自分中心的な罪の性質のために、歪んでしまい、その思いを正しく神とつなぐことができなかったのです。それゆえに、神を知らないまま神を恐れ、神が分からないまま神に祈っていました。けれども、イエス・キリストを信じたその時から神との正しい関係を取り戻すことができるようになりました。ですからイエス・キリストがあなたとともにおられる限り、神との正しい交わりがいつでも可能になるのです。イエス・キリストとともにいる限り神はあなたとの交わりを喜んで受け入れてくださいます。私たちの地上における短い人生が終わっても、神との関係は永遠に続くのです。

 私は病気になってから、たくさんのことを教えられました。今も教えられ続けています。それを皆さんとも分かち合いたいと切に願っています。

 神が創造されたこの世界の中で、命が与えられている、生かされている、ということは素晴らしいことです。たとえ苦しいことや困難があっても、喜びも感謝も伴っています。しかし、この命は必ず終わる時がやって来ます。けれども、私たちにとって死は決して全ての終わりではありません。早くても遅くても全ての人に必ずやって来ますが、恐ろしいものでも、忌み嫌うべきものでもありません。神の助けによって正しくしっかりと向き合うべきものです。私は今、それを経験することにかすかな期待さえ感じるようになりました。

 祈りの家族の皆さんの中には若い方々もおられますが、テレビ伝道の始めの頃から交わりの中に加わっておられる方々もおられます。私と同じくらいの高齢の方も、また、それ以上の方もおられます。イエスと出会い救われた喜びをかみしめていた日々を思い起こしてください。祈りを通して多くの苦しみを乗り越えて、人生の経験を積んでこられ、成長して来たことを感謝してください。

 神から与えられた今の命も尊く素晴らしいものです。苦しいこともあったことでしょう。喜びにも満ちていたことでしょう。それを感謝することを忘れてはなりません。これらの経験を通して、神は私たちを永遠に神と共に生きる完全な世界にふさわしくととのえてくださっているのです。

 若い人も年配者も人生には学ぶべきことがたくさんあります。神は決して私たちに無駄な人生を与えておられるのではありません。私たちの人生の一つひとつの出来事に意味があるからです。

 誰でもいつかは地上の生涯を終わる時があります。人は地上では永遠に生きられないからです。健康で長生きをすることは良いことですが、それだけが人生の目的ではありません。神を知り、神に見出されて自分の生涯がどう変ったかをしっかりと見とどけて、この肉体を持った今の人生が終わる時には、永遠のいのちを約束されているという確信を持っていることが何よりも大切です。

 けれども、誰も人生において全てのことで満点の合格点を取ることなどできません。神もそれを求めてはおられません。けれども、自分にできるせいいっぱいのことで、私たちに命を与えてくださった神の愛に応えたいと思います。

 愛する皆さん、あなたの周りの困難はいつまでも続くようなものではありません。喜びが何一つなくなってしまうようなこともありません。神はいつでも私たちから目を離すことなく一瞬一瞬を見守って、その時その時に必要な恵みを注いでくださるからです。その恵みに感謝しましょう。

 主はあなたの足をよろけさせず、あなたを守る方は、まどろむこともない。
 見よ。イスラエルを守る方は、まどろむこともなく、眠ることもない。
 (詩篇121篇3,4節)

 ですから、喜びも苦難も全て受けとめて、感謝と喜びに溢れ、安心して今の時を生きようではありませんか。私も皆さんとご一緒にそうしたいと思っています。あなたのためにお祈りしています。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード祈りの家族

日本主事 桜井 剛