親愛なる祈りの家族の皆様。
私は皆さんからの祈りのリクエストを読むたびに思います。だれの人生にも心配なことはあるものです。心配ごとを探し始めてそこにだけ目を向けていると、悩みの種は尽きません。けれども心配ごとにではなく、私たちのために命をかけて最善を行なってくださるイエスに目を向けているなら、問題はどんどん小さく見えてきます。主はこう言っておられます。
「わたしがこれらのことをあなたがたに話したのは、あなたがたがわたしにあって平安を持つためです。あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」(ヨハネの福音書16章33節)
イエスは困難がなくなると言っておられるのではありません。心配の絶えない世の中にあっても、平安を失うことのないよう、私たちに語ってくださっているのです。
杞憂という言葉がありますが、それは、起こりもしないことをあれこれと思いめぐらし無用の心配をするという意味です。
中国の杞という国の青年が「天が崩れて自分の上に落ちてきたらどうしよう」と毎日心配していたことからこの言葉ができたそうです。
今のところ天が落ちてくるような懸念はないにしても、私たちの周りには大小さまざまな心配が絶えないことも事実です。今あなたの心を煩わせているのはどんなことでしょうか。
あなたの心にどうしても気にかかって安心できないことはありませんか。そのような心配ごとから解放されて自由になりたいと思いませんか。平安な気持ちで毎日を過ごしたいと思いませんか。
イエス・キリストはあなたに本当の自由と平安を与えてくださいます。
ですから、もし子があなたがたを自由にするなら、あなたがたはほんとうに自由なのです。(ヨハネの福音書8章36節)
では、どうしたら心配ごとから解放されて自由になることができるのでしょう。
神はもともと私たちに不思議な力を与えてくださっています。それは、自分で自分の病気を治す力です。けがをしたとき、血が流れて細菌を洗い流し、傷口をふさいでもとのように戻す力が働き始めます。かぜを引くとせきや鼻水が出て病原菌を外に押し出し、熱を出してそれと戦い始めます。また、免疫細胞が活発に働き始めます。それは初めから私たちの体に備わっていて、何もしなくても自然にそうなるように神が造ってくださったのです。もちろん、早く安全に治るよう助けてくれる、薬や治療も大切です。
さらに、病気を防いだり、病気になっても、早くなおして元気を取り戻そうとする力があります。それは自分で自分を元気にする気力です。その力は免疫力のように直接病気とたたかうものではありませんが、いつでも私たちの体を正しい状態に戻そうとする力です。それも神が始めから私たちの中にそなえてくださったものです。
ですから、心を煩わせて心配し続けることは、良くなろうとする力を弱めて、かえってその人の健康に害を与えるようになります。反対に、喜びと平安にあふれていると、免疫力も増し、たとえ病気になっても、早く良くなります。皆さんもしばしばそれを実感しておられるに違いありません。
陽気な心は健康を良くし、陰気な心は骨を枯らす。(箴言17章22節)
神は私たち一人ひとりにそのようなすばらしい力を与えてくださっているのです。私たちに対する神の愛と思いやりは、なんと深く大きいことでしょう。怪我や病気に対してだけではありません。私たちのあらゆる心配ごとに対しても神は働いてくださいます。私たちが祈る時、神は私たちの全ての問題に対して、私たちが考えるよりもはるかに勝った方法で助けてくださいます。
もし神が私たちが考える方法で助けてくださるとしたら、目先のことしか見えない愚かな私たちは、かえって自分の身に大きな災難を招いてしまうかも知れません。あるいは、自分で努力することをやめてしまって、怠惰な怠け者になって生きる意味もなくしてしまうかも知れません。ですから、困難に立ち向かうことも、自分で努力することも大切なのです。
けれども、私たちの能力には限界があり、どんなに頑張っても出来ないことがたくさんあります。ですから、最後には神が助けてくださることを信じていれば安心して頑張ることができるのです。
イエス・キリストを信じ、いつも身近に感じて祈ることができるなら、心に平安と喜びがあって、あなたの免疫力は増し、健康にも恵まれて、毎日が充実してくるのです。
それだけでは防げないような突然の事故や問題もあるかも知れません。神はそれもご存知です。ですから、私たちはいつも祈り、神を身近に感じていることが大切なのです。
神がなさることには制限がありません。私たちが思いもよらない新しいことを私たちのために行なってくださいます。私たちを恐ろしい罪の力から解放するために、ご自分の独り子さえ惜しむことなく、十字架で私たちの罪の代価を支払ってくださったのですから、私たちが信頼する限り、どんなことでも私たちを助けてくださいます。
私たちすべてのために、ご自分の御子をさえ惜しまずに死に渡された方が、どうして、御子といっしょにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがありましょう。(ローマ8章32節)
問題や困難に直面した時、自分の思い通りになるよう神に指図するような祈りをしてはいけません。私たちが抱えている問題や願いを神に申し上げて神に引き受けて頂くのです。そうすれば平安がやって来ます。祈ったら後は神に全てをお任せするのです。それがどうなるのかは神がお決めになって、私たちのために最善を行なってくださいます。
神に全てをお任せするならどんなことがあっても平安を失うことはありません。どうぞ、それをあなたの人生で実感なさってください。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード祈りの家族
桜井 剛