親愛なる祈りの家族の皆様、
どんな時にも希望を持って前に進むことを忘れないでください。
イエス・キリストは、私たちを命がけで滅びの道から救い出して、永遠のいのちを持つ者としてくださった方です。信じて従っている私たちを見捨てたりなさるはずがありません。ですから、私たちはどんな時にもあきらめたり、失望したりはしません。未来には必ず良いことが続いていることを信じているからです。
今困難に直面しているとしたら、それにもまして、素晴らしい良いことがその先に待っています。いつまでも困難の中にとどまっている必要はありません。希望を失わず、なすべき良いことを忠実に励んでいるなら、良いこと、良い時が必ずやって来ます。決して遅くなることはありません。神を信じて抱いている希望は、失望に終わることがないからです。
イエス・キリストを信じているあなたに神がどんな素晴らしいことをしてくださるかを見届けたいとは思いませんか。それを考えると、私の心はおどります。もし今、困難の中におられるとしたら、どうか私と共に主を信じて、今の困難を乗り越えて進んでください。
かつて、聖書学校を出たばかりの新米の牧師だった頃の私は、任されていた小さな教会を、せめて倍の大きさにしようと、日々困難で苦しい戦いをしていました。
それから5年後、アメリカでの留学を終えて日本でテレビによる福音宣教を始めるために帰国した私は、かつてはとうてい想像もできなかったことを、自分の目の前に見せられたのです。
1977年にレックス・ハンバード牧師が最初の大会を日本武道館で行われた時、一万人以上の人が詰めかけて、その話を聞き、3000人以上の人がイエス・キリストを信じる決心をしました。引き続き毎週の「明日への希望」のテレビ番組を見て信仰を持ち始める方が加えられ続けました。あなたも、その時のお一人だったかもしれません。
まだコンピューターが一般的でなかった頃で、一人一人に手紙を送ることに苦労していた私は思いました。「主よ、大丈夫でしょうか。こんなに大勢の方があなたの御国を目指し始めています」。
イエスは言われました。「わたしの父の家には住む所がたくさんあります。」(ヨハネ14章2節)
神は思いも及ばない、想像さえもしていなかったことを、あなたや私のために、私たちが知らないうちに、前もって用意しておられるのです。私たちが何の苦労もせずに大きな恵みだけを受け取ったなら、忍耐も努力も学ぶことなく、恵みを恵みとも思わないで受け取っていたことでしょう。困難が大きければ大きいほど、恵みも大きなものとなるのです。
皆さん、今の困難や不安があなたにとって大きく苦しいものですか。そのために一緒に祈りましょう。困難が大きければ大きいほど、未来の栄光の輝きは大きなものとなるのです。
私は今、病室のデスクでこの手紙を書き始めています。けれども、どうか心配しないでください。2年半前に最初の抗ガン治療をしてから、何の治療もせずに、皆さんの祈りによって支えられてきました。最近になって、「まだ元気なうちに、新しい抗ガン治療をしてはどうか」と主治医に勧められたのです。私は全てを神にお任せし、専門家に任せています。何にもまして、みなさんのお祈りに任せきっています。ですから、本当に何も心配することがないのです。それを思う時、神の恵み深さに、いつも涙がこみ上げてきます。こんなに恵まれ、愛されていていいのだろうか。私はそれに見合うような、どれほどの働きができているのだろうか。申し訳ない気持ちでいっぱいです。そして、感謝でいっぱいになります。
私の主治医は新しいがん治療の効果と副作用をより明確にして、将来の治療に役立てるために、中心となって臨床研究を進めておられます。そこで、今回の私への治療の全ての記録を、将来の治療の改善に役立てるために使わせてほしい、と頼まれました。私は喜んで承諾しました。そのために毎回少し余分に採血をしなければならないそうです。しかも、それに協力しても、何の特典もないとのことです。そこで、私は言いました。「では、せめて、その研究が終わった時には、その論文を私にも見せてください」。すると彼は言いました。「おそらく、それは3年か、それ以上先になりますよ」。そんなに長く待ってはいられないかも知れません。けれども、それでもいいのです。それによって、将来誰かが、より効果的で、安全な治療を受けられるようになるとしたら、そんなうれしいことはありません。
皆さんが積み上げてきた苦労や困難への報酬は、今すぐではなくても、この地上でも、神の国においても、神はちゃんと用意してくださっています。しかも、その前味を今のこの時にも、経験させてくださいます。それが、主と共に歩む、安心に満ちた、信仰の歩みです。今、それをしっかりと経験してください。将来には、さらに大きな報酬が待っています。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード祈りの家族
桜井 剛