祈りの家族への手紙:2020-08


 親愛なる祈りの家族の皆様


 多くの人が今の不自由な生活にうんざりしています。この状態はいつまで続くのでしょう。ある人は「ほとんどの人がこのウイルスに免疫力をもち、感染がなくなるには、あと何十年もかかるだろう」と言います。一方、「来年にはひとまず終息してオリンピックも出来るようになるだろう」という人もいます。いずれにしても、全てのことに始まりがあれば終わりがあるのです。来年までにしても、十年後であっても、大切なことはその時間の流れの中で、忠実さと忍耐と正しい対応を守り続けることです。これは私たちの人生や信仰のあり方についても言えることです。

 子どもの頃、私は自分の誕生日が来るのが楽しみでした。それは今とは全く違う意味がありました。貧しい時代でしたが、親は何か特別なことを用意してくれている、という期待がありました。

 今では誕生日には違った意味を感じています。また、違った受け止め方をしています。「もう来たのか」と思う一方で、「よくここまで生きてきた」という感謝と達成感があります。特別なプレゼントはなくても、一年一年が、いいえ一日一日が、神のプレゼントなのです。

 皆さんはいかがですか。人生に何があろうとも、どんなことが起ころうとも、自分を神の前に差し出して一歩ずつ歩いて行こう、と私は決めています。焦らず、あきらめることもなく、祈りつつ進みましょう。そうすれば、神はいつでもあなたを見守ってくださっていることが分かります。何が起ころうとも、神が全てを支配しておられるのですから、心配はいりません。その一日を神からの賜物として受け止めて希望を持って進みましょう。明日はきっとまた素晴らしいことが待っています。心配の種を探さないで喜びの実を集めましょう。明日のことを思い煩うな、と主は言われました。私たちは今という時を精いっぱい大切にして生きればいいのです。まだ来ていない明日の時間を先取りしてまで苦労しなくてもよいのです。

 あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。(マタイ6章34節)

 神は突然私たちを賢くしたり、人格者にしたり、健康にしたりなさるのではありません。それを目指して生きていく過程が、私たちにとっては大切だからです。不摂生な生活のままでは一時的に健康を与えられても、すぐまた不健康になってしまいます。与えられている時間には限りがあります。その時間の流れの中で、神は私たちを作り上げて良いものを与えてくださいます。私たちの時間の初めから終わりまでを見通して支配しておられるからです。

 勿論私は、神が特別な時に奇跡を行ってくださることもあると信じています。それはひたすら神の憐れみによるものです。しかし奇跡のわざだけを求めていると、私たちは神の深い愛と知恵に気付かないかも知れません。一時的な健康ではなく、霊も肉も共に健やかな人生を神は私たちに与えようとしておられるのです。それは神と共に生きる一日一日、一歩一歩の積み重ねです。いわば、神は私たちの中に、すでに良い種をまいてくださいました。そこに水を注ぎ肥料をやり雑草を抜いて、元気に育てるのは私たちの責任です。私たちの生涯にわたって、神は私たちの上に働き続けてくださいます。

 知恵も健康も人間関係も、喜びと平安のある生活も、突然現れるものではありません。一定の時間をかけて育ててこそ、あなたのものとなるのです。ですから、私たちの信仰も、どんな時にも変わらない、途切れることのない忠実さが必要です。こうして得たものが、決して失われることなく、いつまでもあなたのものとなるためです。

 「今さらそんなこと言われても遅い」、「今の苦しみから助け出してほしい」そんな叫びも聞こえてきそうです。その通りです。私たちは完全な人間ではありません。失敗だらけです。けれども、生きている限り遅すぎることはありません。罪の中に生き続けた長い年月を取り戻すには、神と共に一日を生きることです。イエスの十字架にすがるのです。イエスが私たちの罪のために十字架の上で、大きな代価を払ってくださったのは私のためだったと信じて、罪の赦しを受け取りましょう。そこから歩み始めればいいのです。まだ間に合います。神の前では 「一日は千年のごとく、千年は一日のごとく」です。

 愛する人たち、あなたがたはこの一つのことを見落としてはいけません。主の御前では、一日は千年のようであり、千年は一日のようです。(ペテロの第二の手紙 3章8節)

 今日与えられている一日を神からのプレゼントとして大切に使いましょう。そうすれば明日のために神はまた新しい祝福を用意してくださいます。誕生日プレゼントを待つ子供のようにワクワクしながら床につき、朝を迎えることができたらどんなに幸いでしょう。この厳しい夏、神があなたの魂と体を全ての危険からお守りくださるようお祈りしています。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード祈りの家族

桜井 剛