祈りの家族への手紙:2021-01

 


 聖書は万物の創造者であられる神が、被造物である私たち人間に語りかけておられる「ことば」です。ことばと言っても、録音されているわけではなく、そのとき書き残された文書も今はその原本はなく、幾度も繰り返して注意深く書き写されてきた写本によるものです。

 言葉は通常人と人とが互いに情報や意志を文字や音によって伝える手段として用いられていますが、意志を伝える手段は言葉だけとは限りません。

 表情や態度によっても意志を伝えることができます。また行ないによっても気持ちを伝えることができます。私にはあまりなじめませんが、若者たちの間では手紙やメールでこのような絵文字によって言葉では表せない気持ちを伝えようとしています。😃 😲 😢いずれにしても互いに意志を伝えあうことが、言葉の大切な役目です。

 人と人の会話で同じ日本語を話していても、聞く人の態度によっては心を込めた励ましの言葉も皮肉に聞こえたり、意地悪な批判のように取られたりすることがあります。

 ですから、語る人とそれを聞く人との間に心が通っていないと正しく伝わりません。親切なアドバイスも、悪口を言っている、と思って聞いていれば、何の役にも立ちません。

 ですから、神のことばである聖書を読んだり、神に語りかけて祈ったりする場合も、同じように、そのことばに込められている心を読み取り、心を伝えることが大切です。

 イエスはしばしば、「聞く耳のある者は聞きなさい」と言われました。神のことばをあなたへの神の語りかけとして聞こうとする態度のことを言われたのです。

 ですから、皆さんにお願いがあります。聖書を読むときは、その教えやイエスのことばを神からあなたへの愛と思いやりを込めた語りかけとして、心の耳を傾けて聞いてください。

 たとえそれが厳しい戒めのように響いても、あなたを祝福するために愛を込めた忠告としてお聞きください。恵みと励ましのことばには感謝して素直な心で受け取って役立ててください。そうすれば、今まで感じなかったような大きな慰めと力を心の中に感じるようになることでしょう。私はそのような経験を何度もして、自分にはなかったような知恵を与えられたり力と慰めを受けて立ち直ったりしてきました。祈りの家族の皆さんが、たとい今は困難の中におられても、むしろ困難な時こそ一層、神のことばによって恵みと力を受け取っていただきたいと願っています。そうして2021年をぜひとも素晴らしい年としてください。それは、あなたを通して、あなたが心にかけておられる方々にも伝わって行くことでしょう。

 ヨハネの福音書の冒頭に書かれているように、神ご自身が「ことば」となって私たちの間に来られ、私たちに対する神の限りない愛を言葉と行ないによってお示しになりました。

 初めにことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。
 ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。(ヨハネの福音書1章1節、14節)

 神が「ことば」となって、私たちと共におられ、私たちに対する大きな「愛」をお示しになっているのです。神から人への語りかけの歴史の全体が、神のことばであり、その記録として今私たちに与えられているのが聖書なのです。

 ですから、私たちは聖書を読むとき、聖書の文章だけでなく、そのことばを通して語りかけておられる神の御意志を読み取っているのです。

 それは今の時代の人に対してだけでなく、親から子供、子供から孫へ世代を超えて引き継がれてつながっていく神の語りかけです。神のことばは、私たちの中だけでなく、神を信じる全ての人の中に生き続け、今読み聞きしている私たちを通して、次の世代の人々の心の中に受け継がれて語り続けます。私もあなたも、今のこの時代においてその一端を負っているのです。ですから、聖書のことばに従ってあなたが祈りのリクエストを書き、神に祈り求め、その答えを受け取ることは、今も生きて働いておられる愛の神がおられることをこの世に伝える大切な意味を持っているのです。

 そこで、2021年のために、あなたの聖句を選びました。このことばによりあなたへの神の愛と恵みを、この一年もしっかり受け取ってお元気に生き抜いてくださるよう願っています。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード祈りの家族 

桜井 剛