祈りの家族への手紙:2021-03

 

 親愛なる祈りの家族の皆様。

 神の国の住民を目指してご一緒に成長しましょう。

 レックス・ハンバード世界宣教団が日本でテレビ伝道を始めたのは1975年でした。今から46年前のことです。その頃、まだアメリカにいた私は、ハンバード牧師がテレビを用いて世界中に福音を伝えていることを知って大きな感銘を受けました。そこで、彼に手紙を送り、「日本における宣教の働きに参加したい」と伝えました。すぐに返事が来て、日本のテレビ伝道の働きを任されることになりました。こうして、帰国した私は、テレビ伝道に専念し、祈りの家族の皆さんとも交わりを深めて、共に神の国を目指す者とされたのです。ハンバード牧師が去った後も皆さんとの交わりは続き、今も私の人生における大切な使命となっています。皆さんとご一緒に神の国を目指す者とされたことを私は誇りに思い、また喜びとしています。
 私たちは神の子どもとして神の家族に加えられました。その恵みに大いに感謝しつつ、苦しい時も困難な時も希望を失わず、神の国を目指して信仰の歩みを続けてまいりましょう。

 子どもはいつまでも子どもではなく、日々成長するものです。神の子どもも成長します。喜びも困難も信仰によって受け止めて、それを糧にして成長するのです。

 子どもは親の助けが必要です。けれども、ただ世話を受けているばかりではありません。親の愛と助けを受けて日々成長することによって、親にも大きな喜びを与えているのです。それ故に親は子どものために苦労をいとわないのです。

 神の子どもである私たちは、神の愛と恵みを思う存分に受けています。けれどもいつまでも受けるだけの甘えん坊ではいられません。神の期待に応えて成長しましょう。

 私は、幼子であったときには、幼子として話し、幼子として思い、幼子として考えましたが、大人になったとき、幼子のことはやめました。今、私たちは鏡にぼんやり映るものを見ていますが、そのときには顔と顔を合わせて見ることになります。今、私は一部分しか知りませんがそのときには、私が完全に知られているのと同じように、私も完全に知ることになります。
(コリント人への第一の手紙13章11―12節)

私たちはキリストの姿を映す成熟した神の子どもになるために毎日歩いているのです。天の父はその様子を見て喜んでくださいます。そして、必要な時には手を伸ばして助けようと見守ってくださっているのです。

 主はあなたの足をよろけさせずあなたを守る方はまどろむこともない。
(詩篇121篇3節)

 ですから、私は皆さんからの祈りのリクエストを何のためらいもなく神に差し出して祈り、その答えを期待しています。こうして私たちは天の父に助けられながら成人となります。

 しかし、受けるだけで満足していてはいけません。受けるよりも与える方が幸いだからです。成熟したクリスチャンは受ける喜びだけにとどまらず、与える喜びを味わって心が満たされます。パウロは自分を「神と共に働く者」と呼んでいます(コリント人への手紙6章1節)。

 成人した息子、娘は天の父の手助けができるのです。パウロのように偉大な使徒でなくてもあなたにも私にも出来ることがあります。いやむしろ、あなたにしか、私にしか、できないことがあるのです。あなたの家庭、あなたの職場に神の国をもたらすのは他の誰にもできないからです。神の国は「そこにあるここにある」というものではなく、私たち自身であり私たち自身の中にあるものだからです。
パリサイ人たちが、神の国はいつ来るのかと尋ねたとき、イエスは彼らに答えられた。

 「神の国は、目に見える形で来るものではありません。『見よ、ここだ』とか、『あそこだ』とか言えるようなものではありません。見なさい。神の国はあなたがたのただ中にあるのです。」(ルカによる福音書17章20、21節)

 クリスチャンになった当時の私は、この教えこそ真理であり人々に正しい本当の信仰を伝えたいと思い、神の召命を受けて牧師になりました。ですから、イエス・キリストを伝え、聖書を通して真理を解き明かし、教会に招き入れることだけが伝道だと思っていました。けれども、神から受けた本当の召命は、神の国に向かって、その人と一緒に歩むことであることを、ハンバード牧師の宣教の姿から教えられました。

 今あなたが、救われてほしいと願って祈っている方がイエス・キリストを信じて、どこかの教会に行って、そこで育ってくれればよいと思うかも知れません。もちろん教会は大切です。しかし、教会に任せっぱなしではなく、あなた自身もその方と祈り合い、教え合い、励まし合って一緒に神の国を目指す者となってください。私も、祈りの家族の皆さんと共に、これからもたくさんのことを学び、成長し続けたいと願っています。ご一緒に励みましょう。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード祈りの家族 
桜井 剛