親愛なる祈りの家族の皆さま
コロナ禍が去って、また以前のように、何の心配もなく家族や友人と楽しい時を過ごせたり、遠くにいる子どもたちとも会うことができるようになったら、どんなにかうれしいことでしょう。
不自由な生活を強いられていますが、全て過ぎ去って自由になる時は必ず来ます。不自由ではあってもその間に私たちはいろんなことを学びました。当たり前の生活がいかに大きな恵みであったか、家族や友人がどんなに慰めであったか、身にしみて分かりました。主にある兄弟姉妹と思う存分主を賛美し、祈ることの素晴らしさも、失ってなおのこと実感しました。
その一方で、こんな状態になる前に、もっと多くの時間を大切な人たちと一緒に過ごせばよかった、もっとたくさんの愛と思いやりのことばや行ないを示しておけばよかった、という反省もこみ上げてきます。ですから、コロナ禍が過ぎた時には、互いに以前より、もっと良い人間関係を育てることができることでしょう。皆さんもそう期待しておられるに違いありません。
神との交わりについても同じことが言えます。今日は忙しいからと祈りの時間を省いたり、形式的な祈りになることはありませんか。クリスチャンの祈りは願い事をするだけの祈りではありません。あなたの願いを遠慮なく神に申し上げるのは良いことですが、ただそれだけではもったいないのです。神の深い御心を聞くことができるよう、神に心を向ける時です。
祈る時、まず今の自分の願い事を申し上げますか。それとも、まず恵みの数々を思い起こして、神に感謝をしますか。それによって、祈りの時間は苦行ではなく喜びの時となるのです。
私たちの祈りは神との交わりの時であり、神との語らいの時です。偶像礼拝者のように、欲しいものや、してほしいことを注文する手段ではありません。祈りがどのように聞かれるかは、私たちと神との関係がどうなっているかにかかっているからです。けれども、神は恵み深く、憐れみに富んでおられ、私たちをこの上なく愛してくださっています。ですから、私たちの祈りが少しばかり身勝手である時でさえも、その祈りを聞いてくださいます。ただ、そればかりを当てにしていると霊的な成長が妨げられて、私たちはわがままな子どものようになってしまいます。神はそれを心配しておられるに違いありません。
私たちは成長した神の子にふさわしい祈りと、溢れるばかりの恵みの数々への感謝と喜びを忘れないようにしたいと思います。
幼い子や赤ちゃんは時間について経験が浅いため今のことしか考えることができません。「お母さんは今忙しいけれど、もう少しすればきっと様子を見に来てくれる」とは思いません。「今こうして欲しい」、「今おなかがすいている」、と泣きさえすればお母さんが来てくれると思っているのです。成長するにつれて、お母さんを待つことを学ぶことができるようになります。
発展途上国の食糧難を解消するために奉仕団が派遣されました。その時の失敗談を聞いたことがあります。稚魚を池に放流して、餌をやり、世話をして、何倍も大きく育ててから食糧にするという技術を教えようとしたのです。ところがある時、夜のうちに魚が皆いなくなってしまいました。調べてみると、大きくなるのを待ちきれない人々が、まだ小さいうちにそれを捕まえて食べてしまったのです。まだ見えない、もっと素晴らしい約束を信じて、それに向かって進むことを学ぶためには、忍耐と経験が必要です。信仰が、それを私たちに教えてくれます。
信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを確信させるものです。
(ヘブル人への手紙11章1節)
私たちはどんなことを、神に求めて、祈っても良いのです。けれども同時に、心の耳を神に傾けて、忍耐深く御心を伺うことも忘れてはなりません。偉大な伝道者パウロも、苦労のすえにそれを学んだのです。
私は、高ぶることのないようにと、肉体に一つのとげを与えられました。このことについてはこれを私から去らせてくださるようにと、三度も主に願いました。しかし、主は、「わたしの恵みは、あなたに十分である。というのは、わたしの力は、弱さのうちに完全に現れるからである」と言われたのです。ですから、私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで私の弱さを誇りましょう。(コリント人への手紙12章8、9節)
弱さを自覚して神に助けを求める時、私たちと神との関係が一層深くなります。そうすると、多くの弱さを負っている人生でさえ、実は大きな意味を持っていることが分かってきます。
私たちの人生にも同じことが言えます。そこで皆さんにお願いがあります。祈りのリクエストをお書きになる時、この祈りが答えられたら、どのようにしたいのか、あなたの生き方がどう変わるかを心に描いてみてください。そして、どんな良いことがそこから始まるかを期待してください。きっと、神があなたにとって、愛に満ちた素晴らしい方であることが分かってきます。
あなたは愛されているからです。
レックス・ハンバード祈りの家族
桜井 剛