祈りの家族への手紙:2021-07

 

 親愛なる祈りの家族の皆様                   2021年7月

 困難に囲まれて、助けを必要とする時、励まし力づけてくれる親しい人が身近にいてくれることほど心強いことはありません。自分一人で困った問題に直面しなければならない時は、どんなにか心細いことでしょう。

 今も毎日、何人もの方がコロナに感染して、入院しなければならない人もおられます。当人はもとより、その家族や親しい人々は大変な思いをしておられます。感染を警戒して、面会さえも許されない場合がほとんどだからです。

 病気で苦しんでいる時に、日ごろは励ましと慰めの源であり、支えでもある大切な人々に、会うことさえできないとは、何と辛いことでしょう。

 三年前、私は一か月余り入院していました。それを知った教会の兄弟姉妹たちが、かわるがわる見舞いに来てくれて、とても嬉しかったことを覚えています。主は、私が皆さんから気にかけていただいていたことを思い出させてくださいました。その時は、手術の痛みや、抗がん剤の副作用もあって、辛い時ではありましたが、皆さんの笑顔や励ましの言葉は、私にとって大きな慰めとなり、力となりました。家族もすぐに遠くから駆けつけて、毎日病院に来てくれました。それまで長い間忙しさにかまけて家族にも周りの人々にも気配りが足りなかったことを反省すると同時に、これからは神の助けによって、もっとみんなを大切にしようと心に決めました。

 日頃から良い家族関係、友人関係を築いておくことはとても大切です。そのために何を心がけたら良いのでしょう。人を喜ばせたり励ましたりすることばを、必要な人のために使うことは、誰にでもできます。しかも、それは目に見えない大きな力を持っています。それをしまっておいてはもったいないではありませんか。

 あなたのパンを水の上に投げよ。ずっと後の日になって、あなたはそれを見いだす。(伝道の書11章1節)

 パンを水の上に蒔いて、収穫を期待する人はいません。豊かな収穫を期待するなら、良く耕した良い畑に良い種を蒔くのです。しかし人間の魂のことになると、どれが良い畑で、良く耕されているのか私たちの目では分かりません。ですから、いつでも、だれに対しても主の名によって思いやりを込めた励ましの言葉をかけることにしましょう。神から来る愛と思いやりの種を今のうちに気前よく、たくさん、周りにまいておきましょう。パンを水の上に蒔くように無駄なことに思われるかもしれませんが、神が用いてくださるならいつの日か、想像しなかったほど豊かな収穫がやってきます。

 しかし私たちは豊かな人間関係だけで生きていけるわけではありません。私たちの永遠を左右する最も大切なものは神との関係です。私たちが日ごろから神と親しい関係にあるなら、どんなことがやって来ても大丈夫です。

 私は病院のベッドでそれを体験しました。突然、死という文字を突き付けられたような状態でしたが、心は平安でした。私の魂も肉体も神の御手の中にあると感じていました。

 日々神のことばに親しみ、神との交わりの時を持ちましょう。こうして神との関係を育てていくのです。私たちが神に一歩近づけば、神は私たちに二歩も三歩も近づいてくださいます。私はあなたを捨てない、世の終わりまでもあなたと共にいる、と言ってくださった方が私たちの味方なのです。思いがけない苦難が来ても、慌てふためいたり恐れたりする必要はありません。神の臨在が私たちを包んでいるからです。一つ問題を乗り越えるたびに、神への信頼は揺るがないものとなり、神への感謝となって溢れ出るのです。

 神は、私たちがどんなに感謝しても感謝し過ぎることのない、素晴らしいお方です。ですから、私たちは、神に祈り、神をほめたたえ、感謝することができる間に、思う存分、感謝と信頼とを、神にお伝えしましょう。

 世界は悪に満ちていますが、それでも今は恵みの時です。私たちが神を呼べば神が答えてくださる時代だからです。

 しかし、それができなくなる時がいつか来るでしょう。私たちのこの世のいのちは限られています。ですから、生かされている今のこの時を十分に用いましょう。

 主を求めよ。お会いできる間に。近くにおられるうちに、呼び求めよ。(イザヤ書55章6節)

 今すぐ主に語りかけて、祈りを聞いてくださることに感謝しましょう。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード祈りの家族 

桜井 剛