2023年7月
親愛なる祈りの家族の皆様
私たちの人生にとって一番大切な事は、キリストの誕生と十字架と復活です。この三つの出来事の意味を理解するためには、長い旧約聖書時代の歴史が必要でした。旧約聖書のメッセージを要約すれば、「やがて救い主がこの地上に来てくださる」という約束です。そして新約聖書のメッセージは「イエスこそ私たちの待ち望んでいた救い主である」という喜びの知らせです。このメッセージを自分のこととして心に受け入れるなら私たちには永遠のいのちが与えられます。どうか日々聖書を学び続けてください。主イエスと語り合いながら生きることを楽しんでください。
イエス・キリストの生涯を見届けてその証人となった人々は命を懸けてそれを語り伝えました。その記録が福音書として残されています。それはイエスと同時代の人々がまだ生存している間に完成し、現代の私たちもそれを手にしているのです。
しかしイエスを信じた私たちもとかく本筋を忘れてしまいがちです。罪の赦しと救いを人生の中心から追いやって、当面の願い事を叶えてもらうことに心を捕われてしまうのです。すると本当に大切で永遠的な意味のある十字架と復活はどこかに行ってしまいます。そんな時はもう一度、聖書のみことばに帰って信仰生活をリセットしましょう。
福音書に続いて、パウロはイエスを信じた人々への手紙を通して信仰の礎ともいうべき真理を私たちに教えてくれています。彼はそのために特別に神に選ばれた人でした。そのパウロはこう言っています。
私があなたがたに最も大切なこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書に書いてあるとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、また、葬られたこと、また、聖書に書いてあるとおりに、三日目によみがえられたことです。(コリント第一の手紙15章3、4節)
パウロの中心テーマもまた、キリストの十字架と復活でした。パウロの手紙は13通新約聖書の中にあります。永遠のいのちを与えられていることの平安、神に愛されているという喜び、人を赦し愛せるようになること、こうした祝福の全てはイエスの生涯と十字架と復活を信じる信仰から来るのです。
パウロの学識と知恵はイエス・キリストに出会った時に聖別されて神に用いられるものになりました。彼は聖霊に導かれて信仰の中心となる真理を明確に書き記しました。そうしなければならない事情があったのです。当時クリスチャンたちの間に偽教師たちが入り込み、教会を混乱させていたからです。パウロは間違った教えから教会を守るために時には厳しい言葉で叱責し、時には涙しながら教え諭しました。こうしてパウロは、今日私ちが「教理」と呼んでいる信仰の真理を確立したのです。今では私たちは聖書を開けばいつでもそれを読むことが出来ます。パウロ以外にも個性豊かな人々が聖書の記者となりましたが、そのテーマも一貫してイエス・キリストです。
私は今年の9月が来ると84歳になります。この長い人生の中で、一番大きなこと、感謝なことはイエス・キリストを知って私の救い主と信じ、心に受け入れたことです。
それによって私の人生は変わりました。生きる目的がはっきりとして祈ることの意味と力を体験するようになりました。私の祈りは当面の願い事ではなくなりました。祈りを必要としているその出来事を通して神が私を成長させようとしておられると分かったからです。たとえ困難な問題が起こったとしても大丈夫です。あたふたすることはありません。そんな時こそ、神から本当に大切なことを教えていただくチャンスなのです。
私にとって祈りの課題は神の祝福を受け取りに行くための入口です。一人でも多くの皆さんが、その入口を通ってさらに大きな恵みに手を伸ばしてくださることを願っています。祈りの課題はその背後で働いておられる神の御心を尋ねそれを求める大切な時だからです。神は私たちに益になることを色々な出来事を通して教えてくださっているのです。それを見逃してはあまりにももったいないことです。
困っている時、困難に直面した時、神の助けを求めて祈るのは良いことですが、それは入口であって、その奥に本当の祝福が隠されていることを知ってください。
どんな時にもまず神の御心を求めてください。本当につらい時、苦しい時こそあなたの心が神に向けられ、真剣に神の導きの声を聴くことが出来るからです。そこから更に素晴らしいことを神はあなたの人生に始めてくださるのです。
生きて働いておられる神に、心を向けることが大切です。それを思い起こすために、あなたにも私にも祈りの課題が与えられているのです。祈る時にはその祈りの課題の背後にある神の御心を尋ねてください。なぜ今、自分にこの問題が与えられているのか、神はどのように祈りにこたえてくださるのか、その後の自分の人生がどう変わるのかを想像してみてください。あなたの祈りの生活はきっと豊かなものになります。
あなたは確かに愛されているからです。
レックス・ハンバード祈りの家族
桜井 剛