祈りの家族への手紙:2023-11

2023年11月 

 今はあちこちで戦争や民族同士の対立が激しくなって何の関係もない多くの人々が傷つき、命が危険にさらされています。自分自身を含めて人間とは本当に愚かなものだと思います。いつになったらその愚かさから卒業するのでしょう。まず自分の周りから平和を作りましょう。

 遠い国の戦争のことも心配ですが、私たちの個人的な生活の中にも争いや戦いはあります。平坦な道ばかりではないのです。健康の問題、経済的な困難、自分の身の回りにある日々の戦いもそう簡単にはおさまりません。中でも日常生活の中で多くの人々を悩ませているのが人間関係の問題です。家庭から始まって親族、職場、地域の自治会やクラブ、どこにでも問題は起こります。身近であるからこそ苦しみが大きくなるとも言えます。教会にも私たちと気の合う人だけが集まっているわけではありません。主の血潮によって贖われた罪人たちの集まりです。誤解も行き違いも起こり得ます。教会ですらそうなら、私たちはどうすればいいのかと絶望しないでください。

 全ての人間関係に対処するための原則があります。それは、完全なお方は神だけで、私たちは誰でも不完全であることを認めることです。

 私たちはとかく「自分は正しい、絶対に相手が間違っている」と思いがちです。その高慢さを捨てて謙虚にならないと真実は見えてきません。物事は少し角度を変えて違う方向から見ると、まるで別物のように見えるのです。自分の立場から見るのと他の人の立場から見るのとでは違っていてあたりまえです。「自分が見ているものだけが真実だと思ってはいけない」と私は自分を戒めています。自分の思いは少し脇に置いて「神はどうご覧になるのだろうか」と考えてみるのです。神の目を通して相手を見るように心がけると事態は変わってきます。

 神は全ての人を愛して下さっています。他人を変えることはできませんが、自分の対応の仕方を変えることはできます。そうすれば、だれも敵ではなくなります。

 聖書は人間関係のあり方をこう教えています。

 神の栄光のために、キリストがあなたがたを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに受け入れ合いなさい。(ローマ人への手紙15章7節)

 兄弟の愛をもって互にいつくしみ、進んで互に尊敬し合いなさい。
  (ローマ人への手紙12章10節)

 相手がいい人なら受け入れなさいと言っているのではありません。相手がすぐれた人なら尊敬しなさい、でもありません。どんな相手であっても主の故に受け入れて尊敬するのです。それは難しいとお思いですか。私たちを創造してくださった方は、愛と期待を込めて私たちを育て続けてくださいます。至らない私たちを良い者に造り変えようとしてくださっているのです。

 この方を信じて謙虚に従っていれば、弱い私たちも強くなれます。人間の親でも幼い子供に初めから完全さを求めたりはしません。私たちを創造してくださった方はもっと忍耐深い方です。なかなか成長できない私たちをなお忍耐深く導き続けてくださっています。困難の中にある時はなおさらあなたのそば近くにいて励ましてくださいます。苦しい時こそあきらめないでください。それはあなたが強くされて勝利するチャンスだからです。

 信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい。
(ヘブル人への手紙12章2節)

 何か悪いことが起ってもそれを自分の置かれた境遇や他人のせいにしないで「自分を愛するのと同じように人をも愛すること」です。自分中心の幼子のままではなく、主によって成長させていただきましょう。小さな一歩でも主と共に前に進みましょう。困難に直面した時こそ信仰によって踏み出す時です。始めはどんなに弱い一歩でもいいのです。次第に力強い歩みになります。主が手を取って導いてくださるからです。困難は自分の訓練のためだと思いましょう。

 今は多くの人が高いお金を払ってジムに通って体を鍛えています。しかし心を鍛えるためには困難や意地悪に対して、親切や思いやりで跳ね返すことです。心を鍛えるチャンスは私たちの周りにいっぱいあります。

 あなたの愛の心がますます強くなり平安が溢れますようお祈りしています。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード祈りの家族 

桜井剛