祈りの家族への手紙:2024-10

2024年10月 

 親愛なる祈りの家族の皆さま。

 美しい季節になりました。私の町でも街路樹が色づき、遠くから見に来る人もいます。私たちも何だか旅がしたくなります。そこで今日は、使徒パウロに同行してギリシャのアテネに行ってみましょう。時間も空間も超えた空想の旅を楽しんでください。

 伝道旅行に出たパウロは、かたくななユダヤ人たちの迫害を逃れて、アテネまでやって来ました。そこでまずパウロが驚いたことがあります。

 市内に偶像がおびただしくあるのを見て、心に憤りを感じた。
  (使徒の働き17章16節)

 パウロが憤りを感じたのは偶像だらけの町の現状に対してであって、アテネの人たちに対してではありません。人々は街のあちこちで偶像に供え物をささげ拝んでいました。私たちの周りにもそれと同じ光景が広がっています。

 パウロは偶像礼拝者達にも敬意をもって接し、こう語りかけました。

「アテネの人たち。あなたがたは、あらゆる点で宗教心にあつい方々だと、私は見ております。道を通りながら、あなたがたの拝むものをよく見ているうちに、『知られていない神に』と刻まれた祭壇があるのを見つけたからです。そこで、あなたがたが知らずに拝んでいるもの、それを教えましょう。(使徒の働き17章22,23節)

 こうしてパウロは、天地万物をお造りになった神と神がお遣わしになったイエスキリストについて熱く語りました。当時のギリシャ人は常に新しいことを知りたいという好奇心に溢れていました。しかしパウロがキリストの復活について語ると、ある人たちはあざ笑い、またある人たちは「その話はまたいずれ聞くことにする」と言って去って行きました。このセリフは私たちもよく耳にします。しかし、がっかりしないでください。この時クリスチャンになったギリシャ人たちが何人かいます。名前が書かれていますから、その後の、教会でよい働きをした人たちに違いありません。

 パウロが宣べ伝え、私たちが信じるようになったお方は、全能の神です。
 「わたしは全能の神である。」(創世記17章1節)

 何でもお出来になるのですから、他にはどんな神々も必要ありません。神は唯一です。韓国語の聖書は神を「ハナニム」すなわち「唯一のお方」と呼んでいます。  
 素晴らしい呼び名ではありませんか。

 日本では同じ「神」という言葉で表わされているために、人が造った偶像の神々と同じように考えられてしまうことがあります。

 もしかしたら、聖書に書かれている神を、単に神々の中で一番優れた神、と考えていることがあるかも知れません。もう一度私たちの心を探って、気付かないうちに、そこに潜んでいる偶像を取り除き、純粋な信仰を唯一の神に捧げましょう。
 私たちの神は生きて働いてくださる方です、私たちと交流を望んでおられる方です。どこか遠くにおられる方ではなく私たちと共におられる方です。

 神は、私たちひとりひとりから遠く離れてはおられません。私たちは、神の中に生き、動き、また存在しているのです。(使徒の働き17章28)

 私たちはイエス・キリストの御名によって、神に自分の思いを伝えることが出来ます。これを私たちは祈りと呼びます。願い事をするだけではありません。祈りは神との交わりですから、感謝があり賛美があり願いもあります。この罪の世に生きている私たちは多くの悩み苦しみがあります。助けを求めてもいいのです。

 多くの人は本当の神が良く分からないうちからハンバード牧師の呼びかけに答えて祈りのリクエストを書いてきました。単なる願い事である場合も多かったのですが、それでも、神は受け入れてくださいました。そして多くの人が癒され、問題の解決を見て、それからイエスについてもっと知ろうと、聖書を読み始めるのです。やがてこの人たちが主なる神を知り、罪を悔い改めて救われるようになりました。

 始めから神のことが分かっている人はいません。祈りのリクエストも最初は身勝手なものかもしれません。しかし神は忍耐を持って受け止めてくださっています。人生に起こる不安や恐れを通して私たちは本当の神に出会うのです。祈りのリクエストの目的はそこにあります。

 私は大学生の時にキリストに出会い、聖書学校で学んだ後、地方の小さな教会の牧師となりました。一生懸命ではありましたがまだ未熟でした。そこで、アメリカに行って、学びなおすことにしました。福音に心を閉ざしているように見える日本で伝道するにはどうすればいいのかが私の課題でした。私の全ての全てを始めから知っておられた神は、そこでハンバード牧師に出会わせて下さったのです。

 人々の霊的な必要を満たすのは、神学でもない、立派な教会堂でもない、神の愛を知ることだと実感しました。そのためなら私は何でもしようと思いました。それから50年がたちました。

 今、私は祈りの家族の皆さんと共に生き、共に学び、共に祈りつつ神の子どもとして、少しづつでも成長して行けることを感謝しています。

 あなたは愛されています。

レックス・ハンバード祈りの家族 

桜井剛