祈りの家族への手紙:2025-01

2025年1月 

 親愛なる祈りの家族の皆さま。
 新しい年が始まって一カ月が過ぎようとしています。この一年が、あなたや私にとってどんな年になるのか、期待と心配が入り混じり、厳かな気持ちの持てる時でもあります。また年を重ねるごとに、ああすればよかった、あんなことしなければよかったなどと後悔することも多くなります。

 それでも神は私たちをお見捨てにはなりません。過去の不注意や失敗を乗り越えて成長する機会を与えてくださいます。新しい年を迎えるたびにまた新しい気持ちで出発出来るようにしてくださいます。

 私たちが離れて行かない限り、主イエス・キリストはいつでも、どんな時にも、 信じる者と共にいてくださいます。「わたしは決してあなたを見放さず、あなたを見捨てない」 (ヘブル13章5節) と、約束してくださいました。

 神が今年も新しい年をあなたや私の人生に加えてくださったことを感謝します。

 けれども私たちは、この地上にいつまでも生き続けるわけではありません。この世は不完全で不安と苦悩が絶えません。私たちの永遠の住まいにふさわしい所ではありません。 神は私たちの永遠の命を、神の都に用意してくださっているのです。私たちはいつまでも続く都をこの地上に持っているのではなく、むしろ来たるべき都を求めているのです。 (ヘブル13章14節)

 それを思うと、私たちが経験している恐れや心配事は、たいしたことではないと思えて、感謝と勇気が湧いてきます。

 もし、あなたが今、将来への不安や悩み事を持っておられるとしても、その全てを神にお任せし、感謝と喜びに変えていただきましょう。

 愛と恵みの神は、信じて頼り切る者たちを失望させることは決してありません。

 祈りの家族の新しい年は、また新しい恵みと祝福を経験する年となるでしょう。 何か問題が起こっても一人で悩むことはありません。私たちはお互いに会ったことがなくても、祈りによってつながった神の家族です。私たちは悲しむ者と共に泣き喜ぶものと共に喜びます。互いに重荷を負い合います。

 誰でも年を重ねて弱さを実感するにつれて、誰かに助けてもらうことが多くなります。今まで何の問題もなく自分でやっていたことがおぼつかなくなるからです。 それでもいいのです。自分でできない時は人の助けを感謝して受けましょう。そして助けてくれた人のために祝福を祈りましょう。

 私は困っている人を助け、悩んでいる人のために祈り、慰め助けることだけが、神の愛を伝える伝道のように思っていました。

 けれども、誰かの助けを感謝して受け取り、その人の祝福を祈ることも神の愛を 伝える良い伝道になるのです。その良い例をヨハネの福音書4章のイエスとサマリヤ の女の会話の中に見ることが出来ます。

 主は、ヤコブがその子ヨセフに与えた地所に近いスカルというサマリヤの町に来られた。そこにはヤコブの井戸があった。イエスは旅の疲れで、井戸のかたわらに腰をおろしておられた。時は第六時ごろであった。ひとりのサマリヤの女が水をくみに来た。イエスは「わたしに水を飲ませてください」と言われた。 (5-7節)

 この女は井戸の歴史を自慢げに語りました。しかし、イエスは言われました。 「この水を飲む者はだれでも、また渇きます。しかし、わたしが与える水を飲む者はだれでも、決して渇くことがありません。わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水がわき出ます。」 (4章13、14節)

 イエスに一杯の水を求められたことをきっかけに、イエスと語り合ったことで彼女は自分の魂の渇きに気付き、イエスが与えてくださるという永遠のいのちの水を求めました。それによって彼女だけでなく、彼女の紹介でイエスに出会った村人たちもイエスを信じてみんなで喜び合いました。

 助けを求めることも時には大切なのだと思います。それなら、歳を取り、助けを必要とすることもそう悪いことではありませんね。

 高齢の友人が私にこうこぼしたことがあります。「人に助けてもらうばかりで、何もできない。情けないねえ。」私は言いました。「そんなことはありませんよ、 それはつまり、あなたが誰かに人を助けるチャンスを与えて、愛を示すきっかけを 作っているということですよ。それこそ弱い人や高齢者の仕事ではないですか。」 ほっとしたように、その人の顔が明るくなったのを覚えています。

 電車の中で、初めて席を譲られた時のことを思い出しました。「自分はまだそんな年寄りではないよ」と内心思ったのですが、 その青年の善意を感謝して受け取りました。それがその青年にささやかでも喜びを与え励ますことになると思ったからです。これも年長者や弱い人の役目です。そう考えると誰にでも出来る仕事がたくさんあることに気付きますね。神は全ての人に存在する意味と役目を与えておられるのです。 主イエスはあなたが困っている時には、あなたを助けることのできる人を遣わしてくださいます。また、あなたにその力がある時にはあなたが助けることのできる相手に出会わせてくださいます。

 助けることが出来る時には喜んで助けましょう。助けが必要になった時には謙虚になって助けを求め、十分に感謝して受け取りましょう。
 あなたは愛されているからです。

レックス・ハンバード 祈りの家族 

桜井 剛