親愛なる祈りの家族の皆様。
きょう、私が命じておいた主のおきてと命令とを守りなさい。あなたも、あなたの後の子孫も、しあわせになり、あなたの神、主が永久にあなたに与えようとしておられる地で、あなたが長く生き続けるためである。(申命記4章40節)
日本人の平均寿命は毎年長くなってきました。けれども、長く生きるだけで幸せと言えるでしょうか。
介護と福祉が国家的な大きな課題となり、それだけにたくさんの問題も引き起こしています。誰もが安心して長生きできる世の中がなかなか見えてきません。毎年の自殺者の数も文明国の中で一番です。
幸せで有意義な人生にしてこそ、長く生きることに意味があります。それをなおざりにしてただ命を長らえさせるだけでは意味がありません。人生の尊さは生きた年月の多さによるのではないからです。どんなに短い人生でもそれなりに価値があり喜びも満足もあります。神が与えてくださった人生が自分の人生の全てだからです。それを自分のものとしてしっかりと受け取り、命を与えてくださった方のおきてと命令を重んじて、感謝しつつ大切に生きるとき、その人生は価値あるものとなって輝いてくるのです。聖書は、ただ長く生きることだけが尊いと言っているのではありません。
どうか神の御心にそった良い人生を長く生きることを求めてください。御心にそった生き方をすることによって、神が私たちの未来に神の国において与えようとしておられる、さらに優れたいとなみである永遠のいのちが、少しづつ分かってくることでしょう。
私にはすぐ下にもうひとりの妹がいました。大変賢く元気な子でしたが小児癌のために幼いうちに亡くなってしまいました。その短い人生は手術と闘病の繰り返しで痛みと苦しみを抱えていました。けれども、それだけが全てではありませんでした。戦時中の貧しい中でしたが、楽しいこともたくさんありました。裸足で野原を駆け回ったことも、お正月に新しい下駄を買ってもらい明日まで待てずに、それを履いて部屋中を歩き回ったこともありました。母親が出かけて留守のとき、作っておいてくれたすいとんを二人で思うぞんぶん食べたことは今でもありありと覚えています。もしかしたら、それが妹の人生の中で一番大きな喜びだったとしても、決して不思議ではありません。私もまだ5才にもなっていませんでしたが、妹の気持ちがとてもよく分かりました。
闘病生活の中でも楽しみを忘れませんでした。病床の中から外に積もった雪を見ていた妹に真っ白な雪を茶碗一杯取って来てあげると、妹だけに与えられていたビスケットを1つ分けてくれました。それからわずか1年後、妹は苦しみつつ、父と母に見守られて息を引き取りました。苦しみと痛みの多い生涯でしたが、神が妹のためにお与えになった人生ですから妹自身にとっては生きてきてよかったに違いありません。たくさんの玩具に囲まれ、あらゆる種類の食べ物や遊びで満ちている、楽しくも悩みの多い今の子どもたちと比べて、短かった妹の人生が劣っていたとは決して思いません。
神の国は飲み食いのことではなく、義と平和と聖霊による喜びだからです。(ローマ14章17節)
私たちのいのちの価値はその持ち物や飲み食いにあるのではなく、与えられた命と境遇をどのように有意義に活用して生かし、その中で人生を感謝と喜びに満たすかにあるのです。そのためには、私たちに命を与えて生かしてくださっている方との関係が大切になります。なぜなら、私たちの命を支配しておられる神を本当に信頼していなければ、人生を平安と喜びの中で過ごすことは出来ないからです。
私たちの生涯がこれから先どうなっていくのか誰にも分かりません。ですから、全てを支配しておられる方を信頼してその方と親しい関係を持っていなければ、本当の平安はありません。けれども、神と和解し神を信頼しているなら、どのような境遇であってもその人にとっては神からの心のこもった最高の賜物であり、平安と喜びのある人生になるのです。
私たちはイエス・キリストの十字架によって神と和解して、もはや過去の罪を神にとがめられることはなくなりました。何の心配もなく神に近づき神との交わりを私たちの喜びとすることが出来るようになったのです。ですから、あなたの救い主である神を心から信頼してください。そうすれば、毎日毎日が喜びにあふれるようになります。
そればかりではなく、わたしたちは、今や和解を得させて下さったわたしたちの主イエス・キリストによって、神を喜ぶのである。(ローマ5章11節)
友達でも家族でも、信頼している者との交わりや語らいは楽しく、喜びにあふれます。「この喜びがこのままいつまでも続いたらいいのに」と思います。
神は私たちに主を喜びとすることを教えてくださいました。義と平和と聖霊による喜びこそ神の国そのものです。
イエスは、「神の国は、あなたがたのただ中にあるのです。」(ルカ17章21節)と言われました。
神の国は私たちの心の状態に関係なくどこか別のところに存在しているものではありません。神の国は私たち自身の心の中にも入ってきて私たち自身もそこに溶け込んでいくものなのです。
どうかあなたの人生を今から神の国の前味を経験する人生にしてください。
あなたは愛されています。
レックス・ハンバード世界宣教団
日本主事 桜井 剛