2023年12月
親愛なる祈りの家族の皆様。
今から少し前までの日本の封建時代では身分制度が厳しく定められていて、よほどのことがない限り、それを超えることはできませんでした。今では憲法で平等の原則が保障されていて、誰でも実力次第でどんな地位にもつけるのですが、実際には多くの人が平等ではないと感じています。それはどうしてでしょう。
私も以前には、どの国に生まれ、どのような家族の一員として生きるかで、その人生が大きく変わってしまい、とても不公平だと感じていたことがありました。
対立や争いの絶えない、危険な国で必死で生きている人々と、平和で豊かな国で暮らしている人々とでは、大きな違いがあるように感じます。けれども実際にはそれだけで人生の良し悪しを決めることはできません。自分に与えられた人生をしっかりと受け止めて生きていれば、充実した人生を送ることができるのです。
NHKテレビで“病院ラジオ”という番組が放映されています。その中で紹介される患者の方々は、たいていの場合、重い病気と闘っています。しかしその方々が、自分を不幸だと感じて自暴自棄になっているのではなく、しっかりと生きておられることに驚き、また感動しました。気の毒な方たちだと思っていたことを恥ずかしいとさえ思いました。その話を聞いているうちに、神は決して不公平な方ではないことを改めて思い知らされました。他の人と比べてそれが自分にはないことを不幸だと感じることこそ、自分を不幸にしてしまう原因です。神は誰にでも平等にチャンスを与えてくださっています。私たちひとり一人に一度だけ与えられた人生が私たちの人生です。健全な体と、豊かな時代に生きられることは有難いことだと思いますが、そうでなければ不幸だとは言えません。自分に与えられた人生を神に感謝して精いっぱい生きることこそ素晴らしい人生の秘訣です。
私は戦時中の混乱した時代に貧しい教員の七人家族の一人として生まれました。疎開していた子どもの頃には、いつもお腹を空かしていた自分と比べて、食べ物がたくさんある農家の子どもたちが羨ましいと思ったこともありました。
鶏小屋のような狭い借家で、七人家族が住む生活は、雨漏りを見るたびにみじめだと感じたこともありました。けれども、一生懸命生きていたその頃のことを、とても懐かしく感じ、生き抜いてきた自分を誇らしくさえ思えます。そこで養われた生きる力は今に至るまで私の助けになっています。
愛する皆さん、神は決して不公平な方ではありません。全ての人を愛し、ひとり一人に、どんな境遇の中でも、豊かな人生を与えようとしておられます。
今あなたが置かれている環境や境遇に問題を感じておられますか。大丈夫です。神はあなたがそこを生き抜くことが出来ることを知って、そこに置いてくださったのです。経済的困難を感じておられますか。大丈夫、神は決してあなたを見捨てておられるのではありません。その時こそ神があなたの必要を満たしてくださることを体験するチャンスです。健康に不安を感じておられますか。大丈夫、あなたに命を与えてくださった方は、最後まで責任を持ってくださいます。
わたしはあなたがたの年老いるまで変らず、白髪となるまで、あなたがたを持ち運ぶ。わたしは造ったゆえ、必ず負い、持ち運び、かつ救う。
(イザヤ書46章4節)
私は今、胸膜中皮腫の第四ステージですが、大変恵まれています。良い病院と良い医師に出会い、今のところ健康も支えられています。これからも一日一日を大切にして、何があろうとも与えられた人生を神と共に最後まで生き抜いていきたいと思っています。決して自分を不幸だとは思っていません。むしろ感謝すべきことがたくさんあります。私は神の愛に囲まれていることを日々感じています。
高いところにあるものも、深いところにあるものも、そのほかのどんな被造物も、私たちの主キリスト・イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできません(ローマ人への手紙8章39節)
皆さんも今後の人生に不安をお持ちになる必要はありません。主イエスご自身も私たちのために、天の父にこう祈ってくださいました。
彼らをこの世から取り去ってくださるようにというのではなく、悪い者から守ってくださるようにお願いします。(ヨハネの福音書17章15節)
今年も神の大きな恵みとイエス・キリストの命がけの愛を心に受け止めてご一緒に良いクリスマスを迎えましょう。
メリー・クリスマス! 神はあなたを限りなく愛してくださっています。
レックス・ハンバード祈りの家族
桜井剛