祈りの家族への手紙:2024-04

2024年4月

 親愛なる祈りの家族の皆さま。
 この季節、全ての生き物が厳しい冬を耐え抜いて、新しいいのちの躍動を始めています。
 桜が散ると新緑が芽生え、日ごとに大きく葉を広げていきます。内側から湧き上がる圧倒的ないのちの力を感じます。実に素晴らしい季節ですね。
 あなたはいかがお過ごしでしょうか。「この年になって、衰えていくばかりで、そんな力はもうない」などとおっしゃってはいけません。いのちは神から与えられたものです。あなたのいのちも神が慈しんで大切に育ててくださっているのです。肉体のいのちだけでなく霊的ないのちもそうです。何とすばらしいことでしょう。  
 イエスと寝食を共にし、その御声を聞いてきた使徒ヨハネは、苦難の中にいる信徒たちに励ましの手紙を書きました。

神はそのひとり子を世に遣わしその方によって私たちにいのちを得させてくださいました。
 御子を持つ者はいのちを持っており、神の御子を持たない者はいのちを持っていません。(ヨハネ第一の手紙4章9節、5章12節)

 このことばは今の私たちにも大きな励ましです。あなたの中にイエス・キリストの十字架と復活による新しいいのちが吹き込まれて、今もそのいのちが生き続けているのです。

 パウロもコリントのクリスチャンたちにこう書き送っています。

 だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。(コリント人への第ニの手紙5章17節)

 イエス・キリストを信じて従っている全ての人に、新しいいのちが与えられているのです。
 古いいのちはすでに過去のものとなりました。たとえ今は外側がどうであってもイエスキリストを信じているあなたの内側には、すでに新しいいのちが生きているのです。

 冬を乗り越えて新しいいのちを育てている植物のように、あなたの新しいいのちはこの世のどんな力よりも強く、困難に打ち勝つ力を持っています。

 世に勝つ者とはだれでしょう。イエスを神の御子と信じる者ではありませんか。(ヨハネ第一の手紙5章5節)

 あなたがたは、世にあっては患難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。(ヨハネの福音書16章33節)

 イエスが弟子たちに言われたこのことばは、21世紀を生きるイエスの弟子たちの心にも迫ってきます。「勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」これは勝利の宣言です。「世の中には苦しいこともたくさんあるけれど、やがていつかは勝利の時が来ますよ。」と言っておられるのではありません。

「あなたはすでに、私と共に勝利しているのですから、日々を勇敢に生きていけます。」と言っておられるのです。

 イエス・キリストと共にいるかぎり、あなたも私も、世のどのような困難にも既に勝利しているのです。たとえ今は少しばかりの困難を感じることがあっても、互いに祈り合い励まし合って、イエスと共に勝利者らしく胸を張って生きようではありませんか。

 このところオリンピックの代表を選ぶ選考試合が各地で行なわれています。代表選考試合を勝ち抜いた人にはパリ行きの切符が与えられます。選手たちは代表の座を獲得しようと、日ごろの訓練の成果を示すために力いっぱい戦っています。けれども勝利を得るのはその中で一番良い成績を残したわずかな人たちだけです。

 ある水泳の代表者を選ぶ試合では、わずか100分の1秒の差で、代表になれなかった選手がいました。さぞ悔しかったことでしょう。他にもちょっとした故障やわずかな記録の差で勝利者の座を獲得できなかった人は大勢います。
 けれども、イエスに従って勝利者となる人には制限がありません。誰でもなれるのです。

 ライバルを打ち負かさなければ勝利を得られないスポーツの世界では少々悲しみや痛みが伴います。しかし、信仰の世界では手をつないで一緒にゴール出来るのです。失敗があってもいいのです。弱さがあってもいいのです。実際様々な出来事で日々弱さを感じている私たちです。どうれば勝利者らしく歩むことが出来るのでしょう。心配いりません。日々の祈りを通してイエスにつながってさえいれば、私たちにはすでには勝利者の座が与えられているからです。私たちが強いからではなく、イエスが強いからです。イエスのいのちが私たちのうちに流れ込んでいるからです。

 ですから、私たちの日々の祈りが勝利者イエスへの語りかけであることが大切なのです。イエスと私たちはチームだからです。イエスとチームを組んでさえいれば、弱さも困難も克服して、イエスと同じ勝利者になれるからです。

 どんな困難に直面していても、あなたは一人ではありません。もちろん、見捨てられたのでもありません。イエスはいつもあなたと共におられます。どんな困難をも乗り越えることのできる力と助けを、イエスが必要な時に必要なだけ与えてくださいます。

 もうすぐペンテコステの日(五旬節)がやって来ます。これは聖霊が私たちの所に来てくださったことを記念する日です。それはイエス・キリストの復活から50日目のことでした。

 イエスはこの世を去る前に弟子たちに「助け主、聖霊を遣わす」と約束なさいました。(ヨハネ16章7節)弟子たちの弱さを良く知っておられたからです。苦難を乗り越えて福音を全世界に伝えるためには聖霊の助けが不可欠です。

 この日、上からの力を求めて祈っていた120名の弟子たちの上に、聖霊が誰の目にも明らかなかたちで降臨なさいました。新しい時代の始まりです。イエス・キリストの福音が世界中に広がっているのは、当時の弟子たちがこの大きなことを経験したからです。弟子たちの上に、神からの特別な力が注がれたのです。

 聖霊は今も私たちの内に働き、罪を示し、清め、主イエスのみことばを思い起こさせ、教え導き、力を与えてくださっています。ですから、弱い私たちも勝利者として日々歩むことが出来るのです。あなたは愛されているからです。

レックス・ハンバード祈りの家族

桜井剛